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THE幼女テイマー ~何故僕はかの不名誉なスキルを一年間この身に宿す決心をしたのか~  作者: 川獺右端


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第38話 カービン王子対重戦士エクトル

 さて、体育館に着けられた石の舞台の上で、F組代表のカービン王子と、重戦士のエクトルさんの戦いが始まる。


 カービン王子は胸宛てに皮の肩当てという、軽い装甲だね。

 対するエクトルさんは、ガチガチのフルプレートメイルだな。

 高そうである。


「カービン王子、今回は遠慮無く行かせてもらいます」

「エクトル、おめえのオヤジの近衛軍将軍がどうなっても良いっていうんだなあ、ああん?」


 わ、カービン王子はいきなりチンピラくさく、王家の威光をかざす攻撃にでた。


「きっとオヤジなら解ってくれますよ」

「ちえっ、これだから武門の家はつまんねえぜ」


 そう言いながらもカービン王子は良い笑顔で、エクトルさんも良い笑顔を返した。

 どうも、古くからの知り合いというか、幼なじみなのかな。


 審判は眼鏡先生だった。

 大丈夫なのか、公平性とかは。


 体育館の観客席は学園の生徒が鈴なりで見ている。

 S組が駄目のF組への懲罰的なイベントに見えているらしい。

 いや、S組もF組も一年生ですから、スキルが発現してから半年なので、そこまでの差は付かないと思うけどね。


「それでは先鋒戦、始めっ!!」


 カービン王子とエクトルさんは剣を抜き、構えた。


 クラス対抗の模擬戦では危険を承知で真剣を使っている。

 スキルの関係で真剣とかで無いと困る物もあるので、こうなっている。

 もちろん、生徒が大けがをしたり、死んでしまっても困るので、【人形制作】のスキルを持った先生が、各生徒の攻撃を代わりに受けてくれる身代わりデク人形を置いて、これが破壊されたら、負けとなるんだ。


 また、魔法や矢を使う生徒もいるので、試合場には透明な障壁が掛かっていて、観客席に被害が及ばないようにしているんだ。

 というか、希少なスキルを湯水のように使って、贅沢な事だけど、ここは勇者を育てる学園だからね。


 とりあえず、カービン王子のスキルは【ちんぴら】、エクトルさんは【重層】のスキルだ。


ご主人様(マイマスター)、【重層】ってどんなスキルですか?」


 選手の控え席の後ろからペルさんが声を掛けてきて、びくっとした。

 カンパもいるね。


「主様~」

「ああ、いたのね」

「はい、生徒さんに混じって入ってみましたよ」

「まざったよ」

「【重層】は先々代の勇者パーティーの重戦士が持っていたスキルだ。体の好きな場所に魔力でできた実体装甲を発生させる事ができる、堅い防御のスキルだ」


 マノリトさんがむっつりしながら解説してくれた。


「主様の奴は魔力盾だけど、魔力で実体装甲を呼び出すんだねえ」

「そういえば、仕組みが似ているね」


 まあ、僕のはどこまで行っても魔力装甲で、実体装甲は呼び出せないけどね。


「わははっ、【重層】なんぞはなあっ、こうしてこうして素早い動きでバンバンやれば、間に合わなくて……」


 カービン王子が跳びはねながらバンバンと剣で斬ったのだが、一瞬で複数の装甲が発生して跳ね返された。

 うわ、なんという防御力か。


「わはは、甘いですぞ王子! 【重層】ですので、重ねて複数発生ができるのですっ、それそれそれー」


 エクトルさんは実体盾をどんどん出して、カービン王子を追い詰めていく。

 この試合は台から落ちても一本負けなんだよ。


「が、がんばれー! カービン王子~~!!」

「お、おうっ!!」


「あっ」

「あっ」

「あっ」


 カービン王子が実体装甲に押されて、台から押し出された。

 装甲の上にのって台に戻ろうとしたカービン王子だったが、足がのった装甲を消されて前転して台に顔が当たり、落ちた。


「一本! 勝者、S組エクトル」


 審判の眼鏡先生が、エクトルさんの手を上げた。

 わあっと、会場が沸いた。


 一戦目から負けたじゃないですかっ。


 と、ののしりたかったが、カービン王子がしょんぼりして帰って来たので、なにも言えなかった。


「すまん……」

「まあ、勝負は時の運ですから」

「あんなに動いて、出したり消したり出来るとは……」

「まあまあ、カービンの兄貴、大丈夫ですよ、俺が勝って、マルーンの馬鹿が勝てば、リュートの元へ勝負を後れますから」

「馬鹿とはなんだー、ジナンめーっ!!」


 マルーンちゃんが怒り狂った。


「マルーンちゃん、そろそろテイムしとかない?」

「そうか? カービンに止められてたが、どうなんだ、王子」

「マルーンはぎりぎりまで、そのままの方がベニーニョが舐めていいのだ」

「ほんとか、初っぱなに無様に負けたのに、王子よ」


 わあ、頭の弱い子特有の直截な言い草で、カービン王子が崩れ落ちひざまずいた。


 ベニーニョというのは、第三試合でマルーンちゃんと戦う【遠当て】を持つ射手の人だ。

 【遠当て】は、前回勇者パーティーの後衛の射手さんが持っていたスキルで、遠くの物を百発百中で当てるという凄いやつだ。


「第二試合! S組、ミレーヌ。F組ジナン。台に上がりなさい」


 おっとジナンさんが呼ばれたぞ。


「そいじゃ行ってきます、カービンの兄貴。リュート、勝利をお前にわたすぜ」


 そう言ってジナンさんはへっへっと笑いながら台に上がった。

 なんだか不安だなあ。




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