第37話 クラス対抗模擬戦が近づいてくる
ジナンさんやカービン王子もダンジョン等に狩りに行って腕を鍛えているようだ。
みんな対抗戦に向けて頑張っているね。
F組の選手は,、先鋒がカービン王子、次鋒がジナンさん、中堅がマルーンちゃん、副将がマノリトさん、大将が僕、リュートだ。
「カービン王子が大将をやるべきでは?」
「向こうの大将はどう見てもマイタケだ。うん、誰も勝てねえから、リュートが殴られてこい」
「そんなあ」
「その代わり、俺とジナン、マルーンで三勝して勝負は貰う」
「任せとけ、リュート」
「ジナンさん、勝てますか?」
「ああ、大丈夫だ、我に秘策あり。S組の次鋒は【魔法の才能】の女の子だ、勝てる勝てる、わっはっは」
「大丈夫かなあ」
ペルさんに中庭でしごかれるのは今でも続いている。
カンパも棒を持って来て僕の隣で振り回して遊んでいた。
僕はペルさんの木剣でボコボコにされるけど、だんだんと剣の動きとか、杖での正確なパリイとかを覚えてきた。
一般のスキルは、コモンスキルといって、無いわけではないのだけれど、生えるまではずいぶんと時間が掛かる。
僕の杖術のスキルが生えるのはいつ頃になる事やら。
「マイタケさんの聖剣って、杖で受けられるかな?」
「聖剣は特殊な氣で出来た物なので、普通の剣でも盾でもすり抜けます」
「ずるいじゃん」
「ずるいーずるいー」
ペルさんは目を閉じ、指を振った。
「ですが、気の刃を受ける方法があります」
「おお、それは」
「それはー」
「杖に魔力を纏わせてください。魔法は使えなくなりますが、ご主人様は魔法使いませんから」
「ああ、魔力か」
「魔力~~」
カンパが枝に魔力を纏わせて岩を打った。
ドゴンッ!!!
枝は岩を砕いた。
「やったあ、できたあ」
「おおう、カンパ凄いね」
「ご主人様も出来ますって」
「出来るかな」
とりあえず愛用の杖に魔力を纏わせてみる。
みる。
みる。
ふわあああ、これは難しいぞ。
すぐほどけてしまう。
「S組との模擬戦までに、魔力付与を覚えましょう」
「はい」
「カンパも教えてあげるね、主様~」
「よろしくね、カンパ」
とりあえず、自由に使えるようになるまで頑張ろう。
杖を構えて腰の奥から魔力を引き出し、背骨、肩、腕と流していき、杖に纏わせる。
纏わせる。
難しい。
静止しているなら纏わせられるけど、これで攻撃防御をしないとならない。
僕は普通の人並には魔力があるんだけど、魔法を使うの勉強をしていない。
魔法というのは知識で学習なんだよね。
頭の中で呪文を流して、魔力を変換して、炎とか、水流とかを現実世界に出現させるのだ。
「模擬戦まで一週間、起きている間はずっと練習をしてください。魔力を纏って歩いたり食事をしたりしてくださいね」
「厳しい、でも確かにすぐ覚えそうだ」
「主様~~、がんばれがんばれ~~」
「がんばるよカンパ」
とりあえず、杖に魔力を纏わせて、ペルさんと稽古をした。
動きにくいね。
それでも、ずっと魔力付与の練習をしていたら、結構できるようになってきた。
普段は杖に纏わせるのは良く無いから、体の上に魔力装甲を貼るように魔力を纏わせた。
簡単な金属甲冑ぐらいの堅さは出るね。
「ほう」
夕食の席でカービン王子に感心された。
「見えますか、カービン王子」
「魔力を纏わせるとはやるな、リュート、確かに【聖剣】相手だと魔力の盾しかねえか」
「杖に強く纏わせて、【聖剣】を受けます」
「うん、それで? どうすんだい?」
「うん、その、考えてません」
「聖剣を受ける事はできるだろうが、勝つイメージが全然でねえよな」
「そうなんです、負けないかもしれませんが、勝てもしなさそうです」
「まあまあ、リュートはドーンとしてろ、お前とマノリトはものの数に入ってねえからよう」
「ジナンさんの秘策ってなんですか?」
「うへへへ、知りたいか、そうか知りたいか、だがそれは秘密だ」
「そんなー」
カンパがジナンさんの足下にとことこと近寄っていった。
「ジナーンおしえろー」
「えー、愛するカンパちゃんでも教えられないなあ、いっひっひ」
ジナンさんの隣でご飯を食べているロッカさんと目があった。
彼女は肩をすくめて、やれやれというジェスチャーをした。
ロッカさんも知らないようだな。
大丈夫なのかな。
そんな感じで一週間後、勇者学園クラス対抗模擬戦大会は始まった。
全校生徒が運動着で体育館に集まった。
上級生たちはグラウンドでの模擬戦らしい。
一年生は体育館で模擬戦である。
とりあえず、A組対B組、D組対E組が始まった。
ルールは五対五のチーム戦、石造りの台上の上で
生徒達がスキルを活用して戦っていくね。
S組とF組の試合は最後に回したみたいだ。
いやあ、色々なスキルがあって凄いね。
やっぱり大体の生徒が戦闘スキルのようだ。
結局、勝ち抜いたのは上位クラス戦だとA組、下位クラス戦だとD組であった。
やっぱりクラス分けは、実力を反映してるのか。
さて、S組とF組の試合だ。
向こうの選手は、マイタケさんを主将にみんな強そうだな。
女性は魔法系の人っぽい次鋒さん一人だけだね。
カービン王子と戦うのは、【重層】を持つ重戦士の人。
ジナンさんと戦うのは、【魔法の才能】を持つ魔法使いの人。
マルーンちゃんと戦うのは、【遠当て】を持つ弓使いの人。
マノリトさんと戦うのは、【破壊力】を持つ格闘家の人。
僕と戦うのは、【聖剣】を持つ、マイタケさんだな。
僕たちは石台を挟んでにらみ合った。
さあ、模擬戦開始だ!
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