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THE幼女テイマー ~何故僕はかの不名誉なスキルを一年間この身に宿す決心をしたのか~  作者: 川獺右端


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第37話 マルーンちゃんの悲しみ

 マルーンちゃんは幼少の頃から、曲がった物、回転する物が大好きで、ずっと見つめたり、グネグネしたラインを指でなぞったりするような子だった。


 マルーンちゃんの知能が低い事が解り、両親は落胆し、居ない者として扱おうとした。

 それを救ったのが慈愛の化身のようなおねえちゃんだった。

 おねえちゃんは、マルーンちゃんを勇気づけ、両親にちゃんと接するように言った。

 言っていた。

 マルーンちゃんの前では。


 知性がある程度高くなった目で見ると、おねえちゃんはマルーンちゃんを見下していて、この庇う行動もわざとらしかった。

 どうも、マルーンちゃんを迫害するようにしむけていたのはおねえちゃんだったようだ。

 いくつかの証拠があった。

 おねえちゃんだけに告白した失敗を元に、両親がマルーンちゃんを批難したりで、わりと雑だった。

 なにしろ、マルーンちゃんの知能が低いから、目の前に出された優しい言葉しか見えなくて、裏の矛盾点なんかはまったく気が付いて居なかった。

 そして、おねえちゃんもそれを知っていたから、すごく隠蔽が雑であった。


 だから、知性が上がったマルーンちゃんは静かに泣くのだ。


「どうする? 両親とおねえちゃんをとっちめるなら手伝うよ」

「いや、いいよ、もう、家族は見限ることにした、彼らも私が勇者学園に行った事でせいせいしたのだろう」

「そう」

『卒業したらどうするにゃ』

「このテイム中に勉強をして、知性の底上げをして、主人のテイムが外れても一般人ぐらいになるまで頑張ろうと思う。本物のマルーンは知性が低い方で、私はいわばマルーンMarkⅡだ」

「MarkⅡ」

「まーくつー」

「格好いいな、というか、一生ずっとリュートにテイムされてればどうよ」

「ジナンさん、僕のは【幼女テイム】だからさ、たぶん、学校を卒業したぐらいで自然に外れるし、テイムしてたら恋愛もできないよ」

「あ、そうかあ」


 ペルさんがプウと膨れた。

 カンパも釣られてプウと膨れた。


「そのおねえちゃんが許せないわ、懲らしめたいですっ」

「ザマァしたいのです」

「いやあ、人の家の事だ、やめときな」

「でも、カービン王子……」

「懲らしめも、ザマァも、将来のマルーンがやる事で、俺らが変わってやる事はできねえよ」

「ペルリタ、カンパ、ありがとうね」

「気にしないでMarkⅡ」

「マークツー、気にしない」


 ふふっとMarkⅡは微笑んだ。


「それでは、テイムを外してくれ、主人」

「え、ずっとテイムされていれば良いじゃ無いですかっ」

「そうだそうだ」

「本物のマルーンはテイムされてない方だから、試験の前とか、知性が必要な時にテイムの力を借りるけど、人生を切り開いていくのは彼女だからね」

「さすが知能が上がるとしっかりしやがるなあ、そういうの好きだぜ」

「ありがとう、カービン王子」


 さて、テイムを解くか。

 こうして必要な時にスポットでテイムする人が居ても良いよね。


外れろ(テイムオフ)


 僕との繋がりをMarkⅡは手放した。

 敏捷度と力が減ったのを感じた。


 マルーンちゃんは元のマルーンちゃんに戻った。

 彼女は顔をくしゃくしゃにして、天井を向き、大口を開けて、子供のように泣き出した。


「おおおおおおおおおおん」

「元気をだして、マルーンちゃん」

「元気だせ、マルン」


 ペルさんとカンパがマルーンちゃんを抱きしめた。

 彼女は理解してしまったんだなあ。

 おねえちゃんが味方じゃ無かった事、優しくも無くて、両親の迫害をおねえちゃんが裏で操っていた事。

 悲しいね。

 沢山泣くと良いよ。


「リュートありがとお、テイムされて色々わかったあ、またテストの時とかたのむ~」

「テストの前によ、対抗戦の時にテイムだぜ。お互い能力があがるしな」

「そうかそうか、わかった」


 目を赤くして、鼻をぐしぐし言わせながらマルーンちゃんは答えた。


「まあ、大丈夫だ、卒業したら、俺んちで雇ってやんよ」

「ジナンなのにか」

「うぐっ」

「将来、ジナンは俺の軍の将軍になるから、マルーンは隊長になれよ」

「わかったあ、王子」


 本当にもう、この人達は優しいよな。

 僕が感心してみんなをみていると、ペルさんが寄り添ってきて指を搦めてきて、カンパが僕の膝にのって後頭部を僕の胸に預けた。


「またイチャイチャしておる!!」


 食堂前を通りがかったマノリトさんに怒られた。


「そう、怒るなよデブ」

「君は相変わらず失敬だねっ!!」


 彼はプリプリ怒って階段を上がって行った。


 エリン先輩が目をキラキラさせてマノリトさんを見ていてため息をついた。


「まあ、マノリトを怒ってやるなよ、色々あるんだ」

「怒るスキルなんですか」

「んまあ、そんなところ」


 【激怒攻撃上昇】とかかねえ。

 あまり怒りっぽい人は付き合いづらいのだけど。


「エリン先輩、【鑑定眼】であいつのスキルを暴いちゃくれませんかね」


 ジナンさんが食堂の隅で本を読んでるケイトさんを指さした。


「やめときなよ、人のスキルは軽々に暴くもんでもないよ」

「ちえー、ビッチなのに堅いなあ」

「誰がビッチかっ!」


 わ、わりとガチ目のパンチがジナンさんを襲った。


「がふうっ」

「天丼だなあ」

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