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ぬいぐるみを回収するお姉さん

掲載日:2023/01/12

冬の童話祭2023、参加作品です。

 陽に焼けたお姉さんが、大きなカゴを持って歩いています。

 お姉さんはゴミ収取所に、ポツンと落ちている、ぬいぐるみを見つけます。


 クマさんのぬいぐるみです。

 所々に穴が開き、クマさんの黒い瞳は、ちょっと悲しそう。


「頑張ったね。一緒に帰ろう」


 お姉さんはクマさんをカゴに入れます。


「あら、回収のお姉さん、ウチのも一つ、お願いできるかしら?」


 庭先を掃いている奥さんが、お姉さんに声をかけます。


「はいはい。承ります」


 奥さんは家の中から、ホコリまみれのぬいぐるみを持ってきました。

 ウサギのぬいぐるみです。


「娘が大きくなったから、もう、いらないみたいなの」


 ホントは真っ白いウサギさん。

 灰色ウサギになってます。


「頑張ったね。一緒に帰ろう」


 あちこちで、ぬいぐるみを回収したお姉さん、自分のお家へ帰ります。

 連れてきたぬいぐるみたちを、優しくお風呂に入れるのです。


 悲しそうだったクマさんは、瞳がきらきら。

 灰色ウサギはもう一度、生まれた時の真っ白に。


「みんな、子どもたちを幸せにしたね。一緒に泣いたり、笑ったりしたよね」


 古ぼけたぬいぐるみたちは、コクコクと頷きます。

 子どもたちとの思い出を、ほわほわと思い出します。


 楽しかったね。

 いつも一緒に、お布団で寝たね。

 きみの手、あの子の手。

 あったかかったよね。


 いつかまた、どこかで会おうね。



 ほわほわした思いは、雲になります。

 雲は少しずつ分身を、地上に落とします。


 雲の分身を集めて、人はぬいぐるみを作ります。


 お姉さんのお家は雲の上。

 今日もまた、お姉さんはぬいぐるみを集めに、地上に降りるのです。


 おしまい

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「冬の童話祭」から参りました。 ぬいぐるみたちは、役割を終えて、お風呂で癒されるのでしょうね。 子どもたちとの思い出が雲になり、綿になって再びぬいぐるみの形になる。だから、ぬいぐるみは子ど…
[良い点] 気持ちが浄化される……! [一言] 救いのある温かな良いお話でした。
[良い点] ほわほわした思いは、雲になります。 ⬆ ぬいぐるみ の 暖かさ、柔らかさ、伝わってきます ちょっと切ないお話も全体が優しさで包まれますな。 メルヘンだけど、リサイクルも表現してあって。…
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