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次の日のぐだぐだ

目覚ましのアラームの音で目を覚ます。

いつベッドに入ったか記憶がないけど、いつの間にか寝ていたらしい。目の前のローテーブルには、飲みかけのビールと摘まみが置いてあった。

とりあえず起きて顔を洗って歯を磨いて、眠たい頭を何とか起こす。とりあえずビールや食べかけの摘まみを片付けようとテーブルのほうまで行って、ビールの横に置かれた携帯に気付く。

充電しないまま昨日寝てしまったことに内心で舌打ちをしつつ、せめて家を出る時間までは充電をしようと、携帯を手に取る。

何気なく開いて、それがメールの返信画面だったことに気が付いてから、昨日のやらかしを思い出す。しかも俺は、メールを作れずに途中で寝てたらしい。


顔を洗ってもまだ眠かった頭が一気に覚めた。かなは昨日、メールをくれていた。このままだと、前と同じパターンで、俺が送らないことでやり取りが止まってしまう。一晩分遅れてしまったけど、何か送らないといけない。

本当なら文章をじっくり考えたいけど、いつもと同じ時間のアラームで起きたところだから、余分な時間があるわけじゃない。気持ちだけ焦るけど、何も思いつかない。


とりあえず遅刻はまずいから、急いで机の上のビールと摘まみをキッチンに運んで片付けて、コーヒー用のお湯を沸かす。着替えながらもメールのことを考えるが何も思いつかない。お湯が沸く音がするが、結局コーヒーは入れずに携帯を開いて画面を睨む。


いかん、このままだと本当に遅刻すると思って、とりあえず家を出て会社に向かう。更衣室で即効で着替えて、ロッカーに携帯をしまうぎりぎりの時間まで迷う。ただ、背をそう広くないロッカー前のスペースを陣取るのも迷惑だし、本当に時間もぎりぎりになってしまったので、結局、これだけしか送れなかった。


「昨日は楽しかった。最後、変なこと言ってごめん。せっかく流してくれたけど、謝らせてください。じゃあ、仕事行ってきます。」


前も書いたかもしれないけど、セキュリティ上の理由で、工場内に私用の携帯は持ち込めない。ロッカーに入れておかないといけない。例外は昼休みの食堂だけど、現場から更衣室に行って食堂に行くのが面倒で、俺は、普段の昼休みは携帯を取りに帰らない。でも、今日は別だ。気になって仕方なかったから、急いでロッカーに向かう。


少し緊張しながら携帯を開く。待ち受け画面に、数件の新着メールのお知らせがあるのを見つけて、慌てて押す。でも、来てたのはただのメールマガジンだけで、かなからのメールはなかった。がっかりして携帯をロッカーに戻して食堂に行くと、いつもより少し遅くなっただけなのにかなり混んでいる。イライラしながら列に並んで、急いで食って、自分の現場に戻る。


こんな日に限って不具合が出て、仕事が終わるのが遅くなる。中国の工場に異動した先輩の仕事を引き継いだから、こういうときに報告書を書くのも仕事になった。疲れてる時に書く報告書のせいで、余計に疲れた状態でロッカーに戻る。かなからのメールもない。


近所のスーパーも閉まってる時間だし、割高感もあるから普段はあまり行かないんだけど、コンビニで適当に摘まみになりそうなものを買って帰る。さっさとビール開けて飲んで寝よう。

何となくテレビをつけて、チャンネルも変えずにそのままぼーっと画面を見る。喉からビールごなくなるたびに次の一口を注ぐ、ただそれの繰り返し。そのうちいい感じに酔っぱらえて、そしたら今日はもう寝よう。


ただひたすらぐだぐだとした時間を過ごすだけだった。

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