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あなたとお酒に私は酔っちゃったみたい。

作者: 七瀬








いつもの道を私は、気分よく千鳥足で家まで歩いて帰路につく。

帰る途中、公園の中を通り抜けるのだが、、、。

今の季節、桜が見れるのが嬉しい。

ひらひら、ハラハラと桜の花びらが舞い降りる。

私は、片手に缶ビールを持ちながらゆっくりと歩く。

この時間が、何よりも幸せを感じる時間だ。

私は、少しほろ酔いになるぐらいが一番スキ。

その日、仕事で失敗した事や今まで溜め込んでいるグチが

ボロボロと独り言によって浄化されていく。

口に出す事によって、ストレス発散するのだ。

上機嫌で、私は家に着いた。

家では? 最近、付き合いだした彼が待っていた。



『ねえ、今日も機嫌がいいね? いい事でもあったの?』

『・・・うん? 別に、』

『じゃあ、お酒飲む?』

『うん!』

『俺も、冷蔵庫から缶ビール持ってくるよ、待ってて!』

『分かった。』

 



彼は、物凄く優しい。

私がいつも、仕事帰りにお酒を飲んで帰って来ても

怒らず、私に付き合ってくれる。

片手に、500mlの缶ビールを持って家に帰ってくる私

を嫌いにならない彼がすき。

お酒の臭いをさせながら、毎日家に帰って来る私を

優しく受け止めてくれる彼は、他にはいないだろう。

今まで付き合ってきた彼氏達は、私にお酒を飲まない

ように監視したり、冷蔵庫の中からお酒を全部捨てた

りするような男もいた。

私が、アルコール依存症だと言って怒鳴りつけた男も

いたわ。




・・・でも?

今の彼は違う! 私と一緒にお酒を付き合ってくれるの。

私は毎日、あなたとお酒に酔っちゃうみたい。

こんな日が、ずっと続いたら幸せだなと思う。

私は、なんて! 幸せのモノなのだろう。

彼と缶ビールさえあれば、私は何も要らない。

私が家に帰ると? 彼が料理を作って待っててくれる。

掃除や洗濯も彼が時間があればしてくれるし。

何より、お風呂が沸いてて部屋の電気がついている事が幸せ。

一人で生活していた時には感じた事のない安堵感もあった。

女性ひとが一人暮らしをするのは大変な事だ。

下着ドロボーや痴漢、ストーカーなどに悩まされる。

男の人が居れば、そんな悩みもなくなるのにと思っていた。

でも? 私はお酒をやめられない!

この世の中に、私に合った男性ひとは現れないと思っていた。

そんな時、今の彼と出会う。

彼とは? ある時、コンビニを出る時に彼と私はぶつかって

お互い、【スミマセン。】と同時に言葉に出た。

それが、なんだかハモッたみたいでお互い顔を合わせて笑ってしまう。

出会いって不思議だ。

そんな些細な事で、彼は“私の彼氏”になった。

今では、私の家に一緒に住んでいる。

いつか? 彼と私は結婚もするのだろうと漠然と思っている。

勿論! 彼が私でよければの話だけど...。

私は、今日も仕事帰りに片手に500mlの缶ビールを持ちながらほろ酔い

になって家に帰る。

いつもの、桜を見ながら桜の花びらが綺麗に舞う姿を私は眺めていた。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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