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想像が大事

私はあいつ等を見返すと誓ってから、すぐに元素操作の練習を始めた

まずは、鉄

屋敷のキッチンの隅っこにあった錆びたナイフの刃の部分に触れて目を閉じる

錆は酸化鉄、鉄が酸素と化合してできる

FeO→Fe+O

鉄から酸素を取り除き、刃を尖らせる様に

ゆっくりと目を開くとそこには、錆が無くなり、鋭さが増した刃

ナイフは元通りになっていた

凄い……

次は、水

目の前には、桶に入った水

少しだけ水に手をつけて、凍らせるイメージ

そう思っても、なかなか凍らない

何で……

…密度を小さくする様に?

そう思った途端、水が、触れていたところから凍り始めた。そうか、状態変化をする時は、密度の大きさで表せばいいのか。

理系ではあるが、研究をしていたわけでは無い私は水を凍らせるのに時間がかかってしまった

ここから、さらに密度を小さくして、水蒸気にする。

そして今度は、水蒸気の状態から徐々に密度を大きくしていき、水を空中に浮かせて少し動かしてみる。

自由自在である。

水をそっと桶に戻すと、今度は宝石を取り出した

流石、装飾品で栄える貴族なだけあり、質がいい物が揃っている

その中でも1番輝いて見えるのは、ネオンブルーアパタイト

これは確か、母親からもらったものだ

母親とは言っても、あいつではなく実の母親（メリッサ）である

私とあいつ（レイトン）は親子ではないのだ

エリカとも双子ではない

父親は一緒

メリッサとレイトンは双子

エリカは父親とレイトンに似た金髪碧眼

私はメリッサとお祖母様に似た白髪に水色の眼

20年前父親と結婚したメリッサをよく思わなかったレイトンが、父親に言い寄った

父親はまんまと騙され、レイトンと子供を作った

その時にはもう、メリッサは妊娠一週目だった

結局、同じ日に私の方が少しだけ早く産まれた

レイトンは父親に色々と吹き込んでメリッサを除け者にした

私はメリッサに1人で育てられたが、メリッサが病死したため、実父であるサイラス公爵に預けられた

まぁ、こんな事があれば私が除け者にされるのも分かる

メリッサからもらった宝石を机に置き、大粒のルビーのネックレスを取り出す

これは、パーティーの時につける装飾品だ

ルビーとは、コランダムという鉱物の結晶中にクロムが混入して赤くなる

そして、サファイアもコランダムでできていて、微量の鉄とチタンが混入してできた赤色以外は全てサファイアと呼ばれる

転生前はジュエリーに関する仕事をしていた為宝石についてはよく知っている

ルビーにそっと触れる

コランダムからクロムを取り出し、さっきのナイフとキッチンから取ってきた食器から鉄とチタンを微量コランダムに入れる

むらが無い様に色を調節して…

完成!

綺麗なブルーサファイアだ

ネックレスを鏡の前でつけてみると、髪と目の色によく合っている

少し難しかったが、完璧なできだ

宝石に見惚れていると、召使いの1人が夕食を運んで来た

集中していると時間を忘れてしまう

召使いは夕食を机に置くと、すぐに出て行った。あまり関わりたくないのだろう

食事は意いつも1人の様だ

食事は予想したより豪華だった。おそらく、暴力は振るうが、死なせる気はないのだろう

その後、食事が終わると、召使いに食器を片付けてもらい、本を読む事にした

しかし、部屋にある本は全て読み尽くしているため、内容は頭に入っている

すぐにつまらなくなった私は、今後の予定について考える事にした

そしてこれが、学園に入学するまでの予定だ

・能力の練習

・魔法の練習

・能力と魔法の融合

これらの事を剣術、マナー、歴史学の予備知識と同時進行でする

魔法についてはある程度出来る様になっておきたいし、能力で更に進化させたい。剣術やマナーは講師を雇っての実技、歴史学は本を借りてこよう。

そしてここからが、セオドール学園に入学してからの予定だ。

まず、1年で何か素晴らしい成績を残す。これは、ロレンツェ学園に転入出来るレベルであれば何でもいい。

次に、2年目で妹の地位を底辺に引きずり降ろす。

そして、3年目はゆっくりとした学園ライフを送る。

これが達成できるまで、私は諦めずに努力し続ける！

私はまた胸に誓った。

主人公の親子関係についてまとめます

サイラス公爵家（父親の実家）

リンデル公爵家（母親の実家）

サイラス家当主（エレナ・エリカの実家）

アルバート・ゼタ・サイラス

サイラス公爵夫人（エリカの実母）

レイトン・ゼタ・サイラス

リンデル家長女（エレナの実母）

メリッサ・テラ・リンデル

サイラス家養女（主人公）

エレナ・ゼタ・サイラス

サイラス家令嬢（エレナの腹違いの妹）

エリカ・ゼタ・サイラス

メリッサとレイトンは実の姉妹

メリッサはエレナをお腹に身籠ったが、サイラス家から追い出され、リンデル家に帰った

メリッサは母親（エレナの祖母）とともにエレナを育てたが、2人とも病死

リンデル家は代理の当主を立て、エレナを実父であるサイラス家に預けた

メリッサはサイラス家を追い出された際、結婚を無かった事にするという内容の書類をサイラス家におくった為、正式に離縁となった

その後すぐにレイトンがサイラス家に嫁いだ

エレナはリンデル家の者として産まれ、サイラス家に一時的に養子として預けられた為、リンデル家に正式な当主がいない今、エレナが当主となる

しかし、エレナは幼い頃にサイラス家に預けられた為、その出来事を知らず、メリッサの娘であるということしか知らない