第2話:転移
突然視界が暗くなり体が何かに締めつけられている感覚がある。何かに巻かれている...と言うよりは狭い道を無理やり通っている。と言った感覚である。しかし猫理自身は体を動かしてないのだが。
「まじで...何なんだ!?何が起こってんだ!?てか何も見えねぇ上に体が動かせねぇ!!」
猫理は暗闇の中1人嘆いていた。
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どれくらいの時間が経ったのだろうか。
不安とどことなく訪れる恐怖に怯えながらもじっと、黙って待っていた。
すると視界が段々明るくなっていくのを感じる。
なんか...体の締め付けもなくなってるような...。ん...段々見えてきたぞ。てかどう言う原理ってかどうなってんだよ…。
猫理は思考を働かすが一向に答えは見いだせない。考えているうちに視界は晴れてくる。
「うわ、眩し.....」
今までの暗闇とは一変し視界が安定した。
眩しい光で照らされる先ほどの暗闇
猫理はしっかりと周りが確認出来るようになった。
目の前に拡がる景色は、透き通るように真っ青な空に白く、美しい雲がまばらに散りばめられていて、真っ赤な太陽が雲から顔を覗かせている。
この、何故か俺がいる場所は様々な会話で賑わっている。
また、様々な種族(...?)で賑わっていた。
頭から動物の耳が生えたような人
やたら口が大きく牙が生えてる人
翼が生えてる人
体色が緑や赤と様々な人
もちろん見慣れてる〝人〟そのものの姿の人が多いが見慣れない姿の人も平然と歩き、周りに溶け込んでいる。誰も気にする様子はない。
見た目も小さい子から大人、年寄りまで、変な顔から、平凡、可愛い、美人、イケメン、ダンディ、渋いまで。体の見た目は普通と違っても何故か感性は普通に向けれる。嫌悪感や差別感が生まれない。これは意外と好き...って言うかラノベやアニメのお陰なのだろうか...。
俺のしっている常識では考えられないような、胸元を大きく広がった服を着てたり、下着のような格好にスケスケのカーデを羽織っていたり、奇抜なピエロのような格好で歩いていたり、普通に剣を腰に差していたり、何やら先端に水晶のついた杖を明らかに歩く補助以外の目的で使っている人がいたりしている。...が誰も気にしない。
俺は今、何を見ているのだろう。唐突過ぎて自分でもよく分かってない。でも、とりあえず真っ先に浮かんだ疑問がある。
「...........いや。ここどこだよ。俺は一体どうなってんだよ。」
高校2年生の夏。
いつも通りの学校生活の筈が変な魔法陣的なのを見てしまったばっかりに訳の分からないことになっているらしい。