第20話:夢
「で、デシリオル!!???」
「えっ!ええ!?いきなり呼び捨て!?初対面な上に目上の人には敬語使うの当たり前じゃろ…」
と、〝少女〟は言う。
「ま、とりあえず名前は大丈夫かの?エルクルデ様でもクレイス様でもデシリオル様でも大丈夫じゃぞ!」
「じゃあデシリオルで。」
「〝様〟は!?ねぇ!〝様〟は!!??」
「いや。なんでだよ。てか早く説明してくれよー。これ今夢の中って事は現実の俺寝てるんだろ?早く起きて死霊術の結果見たいんだよ」
「おっ!おまっ…!!ま、まぁいい。ここは大人の対応だな…ふむ。じゃあ説明しよう。まず前提としてさっきも言ったが私は死神デルシオルじゃ!まぁ今見えてるのはワシの立体映像じゃがな!意思はきちんとワシじゃ!安心してくれ」
「立体映像…?意思は自分の…って事は肉体はまた別の場所にあるのか?」
「ほー!鋭いな!まぁそういう事だな!詳しく言えば肉体は今回復中じゃの」
「回復…怪我したのか?」
「怪我で済むほどヤワな怪我ではないのじゃけどな、今ワシの体は最高の回復液!治療修液に浸かっているのじゃよ!脳は動いているけど体動かない状態って感じじゃな?」
「はぁはぁ。何となく分かってきたぞ、でもそんな状態なのに液に浸かってるだけで治んのか?て言うかお前神様なんだろ?神様ってそんなもんなのか?」
「うーん。えっと、とりあえず液に浸かってるだけで治んのか?って話じゃが、ワシの体を直してくれてるのはこの世界でもっとも技術を進歩させてて、よもや魔法を超えてしまった機械なんかも作った種族〝機動電充〟の中のエリートが集結してるラボでな?そこで魔法を超えてしまった機械ってのが作られててまさしくそれがワシが浸かってる液、治療修液なのじゃ!」
「は、はぁ。色々新しい情報が入ってきたな…とりあえず起動電充…ね。この世界で初めて知った種族だな。んで?神様は案外ヘボイっていう話は?」
「この世界で初めて知った種族ってお前さん、何言ってんのじゃ?引き篭もりだったのかの?無知すぎるわ……って神様へぼくないわ!!!説明する前から何決めつけてんのじゃ!!」
「あ、俺の転移の話も知らないのか。って事は相当ヘボイな」
「なんで!?何でそんな当たり強いんじゃ!?だから説明する前だってのに!…ふぅ。あのな?前提としてまず結論から言わしてもらうけど、ワシは神ではないぞ」
「お…お???は、でも死神って自分で…」
「あれは通り名じゃよ。通り名。あだ名でもいい」
「まじかよ!え、じゃあお前一般人なわけ?」
「ん、んーーー、一般人…ではないが、とりあえず、神ではない。だって最初に言ったじゃろ?私の名前はエルクルデ・クレイス。どこにでもいるちんけな魔術師の娘じゃとな。」
「ふーん」
「ふーん!!???お前さんさっきから酷くない!?」
「んで?デシリオル。じゃあなんでお前は死神って呼ばれててこの死霊術の能力を持ってるんだ?」
「…ん?それはなんの裏もないぞ?単純にこの能力がワシに発動して、周りの人はこの能力見たのが初めてだから死神って呼ばれてこうなっただけじゃ!」
「あ、なんだそういう事なのか。まぁその能力で魔物とかと戦って傷付いて…って感じか。」
「そゆことじゃの!まぁ詳しくいえば魔物って言うか魔王幹部じゃな!1人倒してその人蘇らせて、もう1人の幹部ボコボコにしてたまではいいんだけど思わぬ増援が来てのー…下僕は全員消滅、ワシも死にかけたって訳じゃ!」
「ん…。で?問題はその後だろ?なんでお前はそこから起動電充に助けてもらう流れになったんだ?しかもお前死んでないんだろ?ならなんで俺にこの能力が付与してるんだ?お前最初に新しい能力の後継者?みたいな事言ってたよな?」
「1回に質問多いのう。とりあえずなんで起動電充に助けてもらったかって質問じゃが、それはただ単純に利害が一致してたって感じじゃな」
「利害?それはどういう?」
「起動電充はこの世界で最高の回復液を魔法じゃなく化学で作ったって言ったじゃろ?それはこの一族が自分達には関係の無い〝生命〟について追求していった末の産物なのじゃ」
「生命が関係ない…?そりゃどういう事だ?」
「あー、やっぱり知らないんじゃの…勉強しろ!まぁ簡単に言えば起動電充は自己立型ロボットの一族じゃな。故障すれば修理すればいい。時代が進めばアップグレードすればいい。動きたければ燃料を入れればいい。こうやって何100年もこの世界に居続けた種族。」
「は…。随分と最強な一族だな…」
「まぁ聞くだけならそうだけどやっぱりかなり複雑な所もあるがな。まぁそれを差し引いてもかなり他の種族より上の存在なのは確かじゃが」
「あー、んでその一族の研究題目の生命について…って分野で死んだものを蘇らせるこの能力の情報はかなり有益なのか」
「そっそー♪だからワシの能力を研究していい代わりに瀕死の私を助けて貰ってるって事じゃ!んで、もう1個の質問!なんでワシ死んでないのにお前さんに能力付与できてるかって話じゃよな?それはねー」
「それは?」
「分かんない。」
「……はぁ????」
「はぁ?じゃないないわ!こっちのセリフじゃ!ワシは今まで通り治療修液に浸かってたら急に体の力が抜けるような感じがして気が付いたらお前さんの脳波とリンク出来るようになっちゃったんじゃよ!」
「脳波とリンク…?それはこの今の状況みたいな感じか?」
「そうそう!んで、これ詳しく調べてみるとワシの能力の半分以上がお前さん何故か移ってるんだよなー。割合的には7:3位かの?勿論3がワシ」
「はぁ…。意味わからんがお前も分からないんならダメだな。。とりあえず保留だな…あ。って事は俺は100%の能力を使えないってことか?」
「んー、それがな、ワシとお前さんがリンクしてる時は100%出せるみたいなんじゃよ。でもお前さんがまだワシを許容してないからこうやって弱った時の夢の中とかでしか出れないってわけじゃ!」
「許容…要するに100%能力使いたければ常日頃この脳内会話を許せと?」
「そ、そんな言い方…て言うかワシ、あなたがこの話を拒否すれば私は起動電充に必要ないと判断されて殺されちゃうし。。。」
「あー、そうだな。現状況30%しか能力使えないお前いたって意味無いしそれなら殺して俺の方を100%にして、俺になんかメリットを持たせて研究した方が起動電充にとっては良いもんな。」
「そうなのじゃ…だ、だからお願いします!!脳波リンクを許してくれないかの…?こうやって繋がってる間は100%私も出せるからあっちは肉体からの能力検出で研究出来るし」
「はぁ…。よく分からんが…まぁ。仕方ないな」
「!!!ほんと!?ありがとうー!!!!傷治ったらお礼にチューしてあげるの!」
「生憎ロリコンじゃないんでな。お断りだ」
「何はともあれ!助かった!!んじゃあ!そういう事じゃ!まだワシの身体の回復頼んだぞ!シックちゃん!」
「…解。了解。本部ヘ通達ーーー完了。回復再開シマス。」
「回復止められてたのか」
「そうじゃ。こいつら〝そういう〟感情を持たないから平気で出来るのじゃ。そういう事が」
少女、デシリオルは腰に手を当てプリプリと怒っている。
…まぁ何にせよ面倒な案件は解決したみたいだ。あと残ってる案件は…
「おい。この件は解決したんだろ?早く起こせ。」
「あっ!すまんすまん!すぐ意識を解く!じゃあ!今からこうやって直接脳内に話しかけちゃうと思うが、頭のおかしい人って周りに思われないように気を付けるんじゃぞ!」
「お前が言うのかよそれを。」
「じゃあねー!!」
そう言うと視界が真っ白になる。
猫理は目を少し開け、確認する。
あぁ…まだ外か…
「ん…んーーー…!」
体を伸ばして空を見上げる
「結構寝たのか?朝位かな?」
「……ん…?あ…ネリ!起きたのね!おはよう…………う!!???」
「ん?おはよーミレル。…?どした?何でそんな驚いてるんだ?」
「んっ?えっ?えっ?いつからいたの?膝のとこ…えっ…誰その子…」
「…はん?その子って誰だy………は……?」
「すぴー…すぴー。。。」
猫理は下を向く。するとそこには自分の膝を枕にして気持ち良さそうにヨダレを垂らしながら寝ている全裸の少女。
ーーー死神デシリオルが何故か、いたのだった。




