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罪人の俺が救う世界で  作者: 黒嶺 夜
第1章:異世...界...?
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第1話:平凡な…。

「んん、ふあぁーーー。。。」


大きなアクビをする。

今日は月曜日。

土曜日、日曜日とたっぷり遊んで夜更かしした後の

月曜日程、憂鬱な日はない。

そして特に大雨が降ったり、津波が来たり地震が起こったりしない。つまり警報が出ない。故に学校は通常運転なのである。そしてこう言う1番ダルい日に限って嫌いな数学や眠たくなる歴史などがある訳だ。世の中は不条理である...。


「ほんと。何か毎日何もねぇよなぁ...。あるって言っても先生が出張で居なくて自習だとか、大きいイベントでも他のクラスの窓ガラスが割れた...位だもんなぁ。」


柏木かしわぎ 猫理ねりこと俺は、もし食パンを加えた少女が走ってきてもカーブミラーで見えてしまい、結局ぶつかれず、フラグが立たないような角を曲がって、学校までの距離が無駄に長い通学路を先日パンクした自転車を土日に面倒で修理せず、そのせいでもっと面倒な徒歩で登校していた。


「つか、これ間に合うか?ちょっと小走りで行かなきゃダメかも...。」


「何、1人でブツブツ言ってんだ?猫理ねり?」


今から走ろうかなんて思っている時にふと後ろから声を掛けられる。

家が隣の可愛い女子の幼馴染み?

...違う。まず家の隣は駐車場だし、女子の幼馴染みはいても別の学校に行ってしまった。

俺の事を気にかけてくれるクラスの女子?

...違う。クラスの女子とは時々話す程度でわざわざ、こんな気さくに話しかけてきたりは、あんまりしない。

俺は無心で振り返る。

つまり、結論から言うと.....


「...はぁ。」


「いつもはチャリのお前が寂しそうに歩いてたから心配して声を掛けてやったら溜め息って!?」


朝からうるさいコイツは俺の友達の1人、軒下のきした りょう。入学当初に


「名字の強弱の入れ方は!の↓き↑し↓た↓だ!よろしくな!」


なんて同中だった奴らと話してる時にいきなり言って来るようなやつだ。

ちなみに俺はなんて返したらいいか迷ってた友達を置いといて返事をする事にした。出席簿で名前は知っていたから


「よろしくな。りょう。」


なんて返してやった。そこから気に入られたらしく暇があったら喋って、どこか遊びに行ったりもするようになっている。


「本当、お前は冷たいなぁ…。」


「そうか?至って普通に接してるつもりだけど。」


亮がやれやれと言いながら肩を組んでくる。


「やめろ、今日は暑いんだベタベタするな」


「冷てぇ!やっぱお前の態度は冷たいわ!てかそれのどこが普通だよ!!」


「い、いやだって男に肩なんか組まれても嬉しくないだろ...」


「嬉しい、嬉しくないの話なのか!?てか女の子ならいいのか?」


「最高だな。」


「変態かよ。」


「これは普通だろ!?」


なんて他愛もない会話をしながらいつも通り学校へ向かう。しかし不思議なものだ。友達といると、〝何とかなるか〟なんて思ってしまう。

遺憾ながらもどことなく根拠もない安心感を得てしまうのだ。故に、学校は2人とも遅刻した。


⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅


「うわー、1時間目から科学かよ...だりぃー」


俺は亮と遅刻し、門で待ち構えてた先生に捕まり、放課後居残り掃除を命令され憂鬱になっている所である。


「元気だせよ猫理!1日は...いや、1週間は始まったばっかりだぞ!」


「いきなり元気を無くすようなことを言うな。」


亮は放課後の居残り掃除などどうでもいいようだ。なんてやつだ...。


「ま、頑張って行こうぜ!」


「俺もお前みたいに気楽に生きたいよ...。」


「なーに、話してるの?またマイナスな事なんでしょ!」


耳をくすぐるような可愛らしい声が耳元で聞こえる。


「う、おゎ...。鳴瑠なる...お前いちいち近いわ。」


頓宮はみや 鳴瑠なる。間違いなく俺らのクラスの花と言っていい存在。身長はそこまで高くはないがスラッと伸びた長い足を惜しげも無くタイツで纏っているがそれが黒くしまって、なお良くなっている。入学初日、自分のクラスがわからず迷っていた所を助けると変に仲良くなってしまったわけである。しかし、それからそんな頻繁に話しているわけじゃない。故に、時々話しかけられると平然を保っているが内心ドキドキしまくりである。


「ほんと、その通りだよ他愛もないマイナス思考な会話だ。わかったから顔を引っ込めろ。近いっての。」


「んもー!照れちゃってー!」


「なっ!照れてないわ!邪魔だってんだよ!」


嘘です。きつく当たってすいません。照れてます。

なんて内心謝りながらも外心は嫌そうな顔をする


「ふーん?そ?ま、猫理ももっと明るく生きるんだよー!じゃ!席戻るねー!」


「へいへい。余計なお世話だよ。」


俺は軽口を叩きながら元話していた亮に顔を向ける。


「...ってうわ、なんだその顔。怒ってんのか?」


「怒ってねぇよ!お前なー、せこいぞ?クラスの美少女...頓宮様にあんな事言えるのもお前くらいだぞ?」


好きで言ってるんじゃねぇよ...。なんて心の中で呟く。ただ単に恥ずかしいだけなのだが。


「ま、なんか傍から見てても友達って感じだな!発展は無さそうだから許すぜ!」


「何、分析してんだ。てかなんで上から目線なんだよ!」


怪訝な顔をして亮を見る。視界には時計が目に入る。

あぁ。もうこんな時間。...って事はそろそろ...。


ガラガガラと、扉が開く。あの黒板消しを仕掛けれるタイプの扉を。


「おーい。席につけー!朝の会始めっぞー」


眼鏡をかけた中年男性が入ってくる。いかにも寝起きなのだが。あれはうちの担任だ。

...あぁ。始まるんだな、また1日が。毎日なんの変哲もないこの1日が始まる。

んー、ま、今に始まった事じゃねぇし、頑張るかー


なんて俺は思いながらふと自分の足元に目をやる。何か違和感...と言うか変な感覚があったのだ。俺はただ、目をやっただけ。何も気合いも入れずふと、〝それ〟を見ただけ。


「は.....?なんだこれ。落描き?こんなのさっきまであったか?てか、やけに丁寧だな」


それは〝落描き〟というにはやけに精密で細かく描かれている、赤い小さな円。それが丁度、自分の足のあるところに描かれている。500円玉位の大きさの円だが中に細かい模様が描いてあるのが見て取れる


こんなのあったか?いや…あったら普通さっきの時点で気付いてるしな?あー、亮のイタズラか?


なんて思いながら俺は少しその〝落描き〟に触れてみた。なんで描いてるのかなーって。ただそれだけ。

すると、瞬間、頭の中に機械が話す声が聞こえる。


『ピ…タイショウ。リンクコンプリート。』


そう聞こえたと思うと、突然落描きが発光し、何故か視界が暗転する。意味不明すぎる。何だあれは!?今どうなっている。なんで今、真っ暗なんだ!?

て言うかあれは何なんだ!?あの変な声が聞こえて視界が暗転する瞬間、急に大きくなったあの円の落描き


…いや、あの〝魔法陣〟みたいなものは。

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