第14話:vsトールゴブリン
まずいまずいまずいまずいまずい!!!!!
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ!!!
猫理は必死に打開策を探す。
静かに逃げる?
…いや、相手はもうサーベルを抜いてる。
戦闘体制を取っているのに大人しく逃げれるとは思わないな。
第一、憶測でしかないけど多分足は相手の方が早い。逃げきれなさそう。
じゃあ正々堂々戦う?
…こっちの方が無理だわ!絶対無理だわ!
俺はまだLv.0。対して相手はLv.3相当の強さ
戦力差がありすぎる!!言うなれば拳銃持持って戦車と撃ち合う位の差はあるぞ!
しかも俺は戦闘職って言っていいのか不安な位、弱い魔法しか覚えてない!束縛魔法だぞ!
…フィラリア…だったか。あの人くらいの束縛魔法だったら…。いや、なんかやっぱり腹立つな。束縛魔法は、あまり上げないようにしよう。
猫理に罪人の証を付けさせた張本人。
今思えばその束縛魔法は強かったものの全く敬意は浮かばない。
「いちかばちかだな。」
猫理は腕を前に突き出し、構える。
瞬間、トールゴブリンは腰を低くし剣を強く握る。
猫理はしっかり狙いを定めてーーーー
「死捕縛!死捕縛っっ!!!!からの、縮小!!!!」
「ホグゥア!?」
攻撃してくると予想し、構えていたのであろうトールゴブリンが猫理の攻撃に驚き、転倒する。
「っしゃ!!決まった!!誰が正面からやり合うかよ!!今のうちに逃げるっ!!」
猫理の放った2発の死捕縛はトールゴブリンの〝足と腕〟に縛り付く。そして急に絞めた事でバランスを崩し、転倒させる。
まさかしっかり狙えるとは!こころなしか精度上がってそうだな!
どこぞのスライムのおかげだろうか。
そんな事を思いながら
猫理は後ろも振り向かず全力疾走で走り抜ける。
トールゴブリンはとても珍しく、ドロップアイテムだって売ればかなり儲かるだろうし、経験値だって美味しいだろう。しかし猫理はそれには飛び付かない。
散々ラノベを見てきたがこういう展開になった時、俺は絶対倒そうなんて思わねぇわとか思ってたけどやっぱ実際起きてもそうだな。無理無理!
主人公みたいな力があるならまだしも俺はまだ束縛魔法。しかも初級。こんなのしかないからな…。また力付けて挑もう。
かなり走っただろう。かなり奥まで進んだのでまだまだ入口には到達してないが。
「…ふーーー!疲れた!普通に焦ったわ!」
一旦足を止め深呼吸をする。
またゴブリン討伐クリアしてないけど、とりあえず王城に戻ろう。また明日から狩りにでかけy
ーーシュッーーーーーーーガスッッ!!!!!
王城に一旦戻ろうと考えていた所に耳をつんざく音とともに何かが突き刺さる音。
ちらりと横を見るとそこには木の幹に突き刺さった1本のサーベル。
このサーベルが投げられた方に振り返るとそこには
「まじ……かよ……!!??追いかけてきたのか!!???」
そこには投げたサーベルの代わりに錆びたダガーを握ったトールゴブリンが不敵に笑い、立っていた。
「こいつ…強い癖して俺なんかを…。…て言うか。俺。分かるんだが。」
猫理の右には木の幹に突き刺さったサーベル。
しかしまずここがおかしい。
今トールゴブリンがいる位置からサーベルを投げたとしたらどう考えても〝普通に当たる〟のである。
それに第一、この距離なら一瞬で詰めて背後から斬ればいい。
しかしそんな事はせず、わざわざサーベルを投げ、手放し、わざと外し、自分の存在に気付かせてからもすぐ攻撃はしない。しかも手には錆びたダガーを握っている。
「サーベルを取ってダガーの俺と戦え…って事か。」
トールゴブリンは未だニヤニヤ笑いながら猫理の行動を見ている。
相当な…舐めプだな…。
猫理は木の幹に突き刺さっているサーベルを引き抜く。すこし重いが振れない程ではない。
あんなに全速力で走っても普通に追いつかれた
しかもまた、手足に束縛魔法をかけても簡単に解かれるだろう。
きっと同じ手は通用しない。
「はーーー!!どうせ逃げられないって分かったんだ!!やるよ!!やってやるよ!!勝てなくてもぜってぇ死なねぇからな!!!!!」
猫理がサーベルを取るとトールゴブリンはニヤリと笑いダガーを構える。
もうやけくそだ。逃げて死ぬ位なら戦ってやる!!!
「どりゃあぁああぁああぁああぁああ!!!」
叫びながらサーベルを振り上げ走り出す。
昼後半。もうすぐ夕方になろうかという時間帯。
猫理と強敵、トールゴブリンとの戦闘が始まった。




