第13話:vsゴブリン(?)
「ここら辺にいるって聞いたんだけどなぁー」
辺りは草木が生い茂っていて木々が連なるように生えている。
そんな場所を草木をかき分けながら歩いている。
「んー、いない…って言うか見た目知らないんだけど分かるよな?多分ゴブリンって人型っぽいやつだよなぁ」
そう。猫理はクエスト、ゴブリン3体討伐を成功させるためにこんな場所を歩いていた
どこにいるか分からずに討伐行くのは流石にアホなので酒場のおっちゃんに聞いたのだが
「あのジジイ。嘘ついたか?」
全くと言っていいほど見当たらないのである。
ゴブリン所か魔物の気配も感じない
別にそういったのを感知するスキルを持っているわけではないが、それでも分かるくらい何も居ない。
「むぅ…あのジジイめ…かなり酔ってたからな…てかなんで信用したし…俺…。」
数十分前の俺を怒りたい。
「まぁ、とりあえずここら一帯回ってから帰るか」
ホントにゴブリンいるかもしれないしな!
なーんて期待をしながら猫理はズカズカとかき分けながら進む
⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅
ーーーー……
「何もいねぇえええええよおおおおおぉおぉおおぉおぉぉ!!!!???」
あまりの虚しさのあまり1人で叫ぶ
…はっ。こんなところで全身真っ黒の仮面男が叫んでいるだなんて、他の人に見られたら色んな意味でもまた、怖がられるな…。
周りに人どころか魔物さえ居ないのだが、一応気にしてみる
「しっかしマジでいねぇな。どっか隠れてんのか…?いや。それにしては気配を隠しきれすぎてるだろ。まぁでもゴブリンは下級魔物だからな、有り得ないな。」
辺りは相変わらずシンと静まり返っていて草木や木々の葉が風に吹かれてザワついている。
「…はぁ。とりあえず帰るか、また明日別のやつにゴブリンの住処聞いてそっちに行こう。…その前にあのジジイには説教だな。」
ゴブリンの話を聞こうと思っても全員、話し掛けたら苦笑いしながら後ずさりし、逃げていく中、酔っていたオッサンだけがまともに話を聞いてくれたのだが
結局、本末転倒なので恩は忘れる事にした。
そうして猫理が元通った道を帰ろうとした時ふと遠くの方から何かの声が聞こえる。
「!!!いるのか!今の声は!」
耳を澄ますと声は連続で聞こえ出す。複数の声が。
「おぉ!かなり居るな!……ゴブリンの鳴き声ってこんな感じなのか…?ん、でも何か…」
その声は初めて聞いたのにも関わらず不思議な〝違和感〟があった。
「この声…まさか…?いや、でもゴブリンの声なんて聞いたことないし確信は…」
悩んでいると突然目の前の草木が激しく揺れ始める。
そして唐突に小柄なダガーを持った人影が飛び出してくる。
「っ!!?なんだ!!こいつか!ゴブリン!!!………お?……え?」
飛び出してきたのはゴブリン。
腰にボロボロの布を巻き、錆びたダガーを握っている。
しかしゴブリンは猫理を前にして何もしない。肩を激しく揺らし、ジッと猫理を見ている。
「なんなんだお前…ってすげぇ血出してんじゃねぇか!?」
猫理がふとゴブリンの足元に目をやるとそこにはもう既に血の溜まりが出来ていた。
この短時間でこの量の血溜まりはもう生命を維持出来ないだろう。放っておいても勝手に死ぬなら…せめて俺がトドメをーーーーー
そう、猫理が思い、構えた瞬間
「コッ!?キュッ!!?」
この声は先程まで何回も聞こえてた声。
ただの鳴き声ではない声。
猫理はゆっくり顔を上げる。そして猫理の目の前のには〝宙に浮いたゴブリン〟。……正確にはーーー
首根っこを掴まれ、持ち上げられ、首をあらぬ方向に曲げられている。ゴブリン。
「この鳴き声は…断末魔…だったのか!!」
ぼとっ。目の前に首の無いゴブリンが落ちてくる。返り血が黒いコートに数滴ちっている。
先程の聞こえたゴブリンの断末魔だけでもおおよそ10体。10体を短時間でほぼ即死させていったその魔物が猫理の目の前に立っている。
その魔物は不敵に笑い、腰にさしていたサーベルを抜く。
「魔物については嫌という程、調べあげて見まくった。スライムは序盤すぎて少し忘れていたけど…お前はハッキリと覚えているぞ。」
猫理は仮面の奥で冷や汗をダラダラと流しながらその巨体から少しづつ後退する
「ゴブリンの最終進化…。ゴブリン第三形態…!!トールゴブリン!!!戦闘職Lv.2…いや3相当の相手だぞ!!?てか何でこんな所にいるんだよ!!」
猫理は悲痛の叫びをあげる。
トールゴブリンは本来の討伐目的のゴブリンの最終進化後である。
ゴブリン→ホブゴブリン→トールゴブリン
となっており、ゴブリンがホブゴブリンに進化できるのは最低でも30年かかるとされているし、進化出来る確率は僅か5%である。
そしてその上のトールゴブリンはかなり低い確率でホブゴブリンで最低でも80年。更には0.3%の確率で進化するという。
まず、魔物が進化する時点でかなり珍しく進化した魔物はどんなのであれ、かなりの経験値とレアドロップが期待されている。
…が。それに相まってステータスもかなり強力になっている。
トールゴブリンは進化の過程で知恵をつけ、人語をある程度理解する。そして基本Lv.2のベテラン戦闘職、又はLv.3の戦闘職で対応する魔物であり、それ以下の者が出会ったらまず命はないとされている。
そんな本の内容を思い出しながら、猫理はジリジリと後ろに下がっていく。
相変わらずトールゴブリンはサーベルを片手に口角を吊り上げこちらを見ている。もう、一足でいつでも距離を詰めれるかのような自信の笑みである。
「軽く詰んでねぇか。これは…!!!!」




