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罪人の俺が救う世界で  作者: 黒嶺 夜
第1章:異世...界...?
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第11話:能力解放

「頓宮……鳴瑠…!?」‬


思わず二度聞きする。まさかあの時、転移したのは俺だけではないとは。‬


「ふむ?その反応を見るからに知り合い…?いや、もっと深い仲か?」‬


「いや、同じクラスの…あー、クラスって概念は存在するのか?」‬


「無論。この世界には魔法やスキルを教える場所があるからな」‬


「なるほどな、現世とやっぱ似てる所あるな…。あ、まぁ鳴瑠は俺のクラスメイトだよ」‬


「クラスメイト…なるほどな。なら君のクラス周辺で転移が起こった、と考えるべきか、ならもしかしたら他にも転移してきたものがおるかもしれんな」


国王は、あごひげ(生えてないけど)を触りながら(生えてないけど)考察する。


…あの、あごひげをグって掴んでスーっと下に引くやつやりたかったんだろうな。


「まぁ、しかし、そんな事を考えていても今は意味無いぞ。」


「ん?何でだ?取り敢えず会いに行って確認を…」


そこまで言った所で国王が大きなため息をつく


「そうしたいのは山々だがな。隣国、ベルヒュルト国とは仲が悪い…いや正しくはベルヒュルト〝国王〟と仲が悪いのだよ。」


は、はぁ…。


「理由は、まぁ沢山あるんだろうが一番を上げるとすると、隣国がこの世界で〝2位〟の国力を誇ると言うところかな。」


あぁ…(察し)

なるほど。完全に目の敵、ライバルって訳か

しかしこの世界で身内同士争うなんて魔王軍に利用されかねんな。


よくある、『1位になりたいか…さすれば我と契約せよ…力を貸してやるーーー』

的な。


なんて妄想を国王は見抜いたかのように


「まぁ、かと言ってデメリット、悪影響はないがな。ベルヒュルト国は各国の中で1番対魔王意識が強い国でな、ほんと、嫌いを通り越してしまいそうになる位に嫌いだ。」


もうそれ通り越して好きになってしまわないか心配だな、おい。


「だからその点は心配はない、が、隣国には軽々と俺の国民は入れないんだ。噂では入る為に俺の踏み絵をさせてるとかどうとか…。まぁ情報は協定として交換されているからいいんだが。」


いや…それもう2位だからとかじゃなくて国王自体に恨みがあるんじゃ…


なんて思いは口にせず、一旦鳴瑠の事は置いておいて自分の事を済ませてしまおう。もし転移したのが俺のクラスメイトの頓宮 鳴瑠なら多分大丈夫だ、あいつならうまくやるはず。

まずは自分の事をやらなければ。


「じゃあ…」


そう言いかけた俺に国王が頷く。


「今は会うのが無理なのはすまない。心配なのは分かる。だが取り敢えず今出来ることをやろう。こっちの部屋へ来てくれ。儀式を始めるぞ」


いやまぁ別にそんな心配な訳じゃないんだけどな…友達…未満だと思うし

だから敢えてクラスメイトって紹介の仕方にしたんだし。

て言うかそれより儀式!確か血を垂らすとか言ってたな、痛いのやだな


そんな事を考えながら隣の部屋へ向かう。


「くかー…すぴー。すぴー…。」


話している途中で寝てしまったお姫様は置いといて。


⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅ ◌ ⑅


「ここが、儀式の部屋か…」


薄暗い部屋に一つランプが灯っている

床には何やら大きめの魔法陣とその上に紙が被せてある。紙で隠れてて真ん中は見えてないけど俺が転移した時に見たやつとは違うようだ。


「さてと、ミレルに少し話は聞いているのかな?」


「まぁ、能力とかステータスの話とかあと、儀式には血を垂らすとか、初期登録がいるとか」


「そうそう。あ、本来はこんな大袈裟にする必要はないんだが、この世界に生まれてまだ能力解放してないなんて普通はないからな。その上、別の世界から来た君なんてのはとてもイレギュラーだ。私も初めての試みでね、成功するか正直わからない。でも、これをやるしか道はない。この世界で生きていくためににはね。そしてもし能力解放が成功したとして解放される能力は手にするまで全く分からない。どんなのが出るか検討も付かない。…もしかしたら付かないかも知れない。それを君は一生背負う。」


国王はしっかりと俺の目を見て引き返すなら今と言っている。

しかし俺の答えは


「前置きはいいよ国王様!俺はとっくに準備出来てんだ!」


正直リスク云々より、好奇心の方が勝っている。もしかしたら死ぬかもしれない。そんな気持ちも一興だと思ってしまうくらいに

国王は少し面を食らったような顔をしたがフッと微笑み


「ふふ、頼もしいな。では始めよう。『クアルヒュルテ』!!」


そう国王が唱えると床に置かれていた紙に小さめの魔法陣が浮かび上がる


「よし。じゃあ少し痛いが我慢してくれよ」


スパッ


「痛ってぇ!?」


突然猫理の手の腹が薄く一直線に切れる


「簡単な風魔法だよ。ほらそんな関係ない床に血を垂らさないで紙の上に垂らしてくれ。」


俺は手のひらを上にし、ズキズキする痛みを感じながら紙へ近づき、そして手をひっくり返す。


ポタッ…ポタポタっ…


血は紙の上に数滴垂れる。瞬間、眩い光が部屋中に弾ける


「う…おっ…!!?」


眩しさに目を隠した時、頭の中に〝どこか覚えのあるような夢の中の出来事のような〟そんなイメージが流れ込んでくる。


『ーーー久々の異常現象イレギュラーーー』

そんな言葉が聞こえたような聞こえなかったような。

そしてぼんやりとだが目の前に花が見える。それは他の色は付いていない、漆黒の花。その花の周りはジワジワと黒く侵食されていく。

『あっははーーーー生きた屍ーーーーーーー』


またそんな声も聞こえたような気がした。

そこまで聞こえて今度は視界がボヤける。

意識が戻っていくような。しかしその間際、また声が聞こえる。今までとは違って少し落ち着いた声で。


『そしていつかはーーーーこの私をーーーー』


そこまで聞こえて意識は戻る。目の前には儀式の部屋と目の前に血が垂れた魔法陣が書いてある紙が浮いている。その後で何故か驚いている国王。


…しかしさっきのイメージは何だったんだろう…。確実に一度は聞いたことのある言葉。しかしどこで聞いたのか全くわからないし覚えてない。まぁ、その程度の記憶だったのか。でも…


そう猫理が考えていると横から国王が興奮した声で話しかけてくる。

あっ、そう言えば自分の能力が解放されたんだった!!インパクトさっきのイメージの方が強すぎて忘れてたよ!


「おぉ!!!あの眩い光を見たのは初めてだよ!!まさか見れるとは!!!!」


国王は1人興奮している。俺に関しては全くわからないが。見た目も変わってるとは思えないし何かしら体に影響があるわけでもない。


「な、なぁ何喜んでるんだ?俺はどんな能力が付いたんだ?」


「ん?いや、それはまだ知らんよ?あーー!私が喜んでたのは君がレア能力を確定させたからだよ!!」


「レ、レア能力?」


「そう!!500年に1度出るか出ないかと言われているその能力、レア能力は会得時に眩い光が出るといわれている!この国では君含めて2人だけだよ!!!」


「おっ…!おぉ!!!」


よく分からないが凄いことらしい。だんだんテンションも上がってきた!!


「ちなみにもう1人は俺の側近のアレル君だよ!」


「えっ?いや、500年に1度って…」


「あー、アレル君は種族が違うからね。彼は我々では想像出来ない程に時を重ねているよ」


「あー、なるほど。」


そういう人だってやっぱり居るんだな


「それより!!早く能力解放してくれ!!何を焦らしているんだ!」


「えっ?まだなの?まだできてないの?」


「あぁ!その目の前に浮いてる魔法陣に触ったら契約成立だよ!能力が解放される!」


「お、おぉ!!!さ、触るぞ!!!」


ゴクリ。

俺は生唾を飲む。500年に1度のレア能力。

正直ここまでの確定演出が出たんだ。期待が膨らまないわけが無い。

魔王軍幹部を瞬殺する能力のアレルさんと同じレア度の能力!気分が高まる…!!!


「行きます!!!」


そう言って俺は指先をそっと魔法陣に当てる。

その瞬間。黒く、しかし少し紫が入ったような煙が俺を取り囲む。


「うぇっ!?わっ!?何だ!?ゴホッ!!?」


そうして俺の周りをその煙がクルクル回ったと思うとスッと晴れていく。


「ゴホッ、ゲホッ…おっ…終わった…んぁ!?服が変わってる!!」


今まで着ていた制服は何故か足下に落ちており、代わりに、紅い刺繍が少し入った黒いローブのようなものに黒いスボンを着ており、

そして左手には半分白、半分黒の怖い仮面を持っていた


「ん…?これはどういう能力だ?」


あまり実感はないが何となく今までの感じが違うのが分かる。頑張ったらなんかビーム打てそうな感じ。うまく言えないけど、ハッ!ってやったらなんかほんとに出てしまいそうな感じ!


俺は説明を聞こうと国王を見る。

すると国王は部屋の隅に居て、俺を怖がるように立っている。


「え、あの…国王様…?一体…」


俺は少しその光景に驚きながらも聞いてみる。

すると国王は引きつった顔をしながら


「えっ…あ、あ、えっ、意識あるのか…えっと…その服装とその仮面は…あの…えっと…すまないな。えっと…説明しよう。」


そう言うとたどたどしく言葉を発する。


「そ、その能力は、かつて死を司る神、死神〝デルシオル〟が自分が滅ぶ間際、全ての能力が乗っている本、能力付与の原点とされる本に付け加えたという〝異色〟の能力…。その能力は〝外道〟にして〝残酷〟な能力…って言う…伝説があり…その能力はあるにはあるが、もし人間に付与しても正気を保っていられなく、解放してすぐ死んでしまうとさえ言われる能力…。」


「えっ。」


何その能力。てか俺普通にピンピンしてるし。

しかも待って。異色で外道で残酷?

え?てか酷くない?紹介酷くない?


「君はもうステータスが開示されてるはずだ。念じれば目の前に詳細を書いた魔法陣と紙が浮かび上がる。確かこの世界の言語は読み聞き出来るのだろう?その能力の名前…み、見てみるとよい」


そう言われたので俺は念じてみる。

するとすぅと魔法陣とその前に紙が現れ、ステータスと詳細が刻まれていく。


▼-------------------‐-------------------‐-------------------‐▼


柏木かしわぎ 猫理ねり

・17歳

・職業:無職

・level:0

・能力:死霊魔術師ネクロマンサー

・ステータス:魔力量マナモント特化

・使役モンスター:0


▼-------------------‐-------------------‐-------------------‐▼


「…え?死霊魔術師ネクロマンサー…?」


聞いたことのあるような名前の能力。

すると国王が横から説明をしてくれる。


「対象を殺し、そして死んだ対象を自分の〝奴隷〟または〝下僕〟として蘇らせる。その蘇った対象に意識等はなく、ただひたすらに主君の為に動き、そして戦う。生をもてあそぶような…そんな外道な能力だよ……。」


そう国王は神妙な顔をして言う。


「え…。嘘…だろ?」


もっと主人公的な感じの能力では?

光とか火とか聖剣とかそんな感じでは?


「どっちかと言えば魔王サイドの能力だな…。」


国王のそんな容赦のない一言でその場にへたり込む猫理。カラカランと怖い仮面が床に落ちる。


「俺……まじかよ……。」



こうして異色で外道で残酷な能力を手に入れた猫理の異世界生活が今、始まる。

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