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悪魔のオモチャ※R-15

ダークな話を書きたい……いや、書けないんだけど


性的な興奮を目的とした描写はないけど、注意ね!


※誤字を修正







 俺の日常はある日を境に大きく変わった。


 その日はつい衝動で買ってしまったゲーム、「デスクイーン:フォックスファイター」略してDQFFとか言う、怪しいブツをプレイしていたんだ。というのも中古が200円くらいで売ってたから、掘り出し物かそうじゃ無くたって友達に進めて話の種にしようと思ったんだ。


 ゲームはドット絵のレトロ風のRPGで、戦闘が作業だわバグは多いわ急に動作を終了するわで200円に恥じないゲームだった。


 他にも演出関係なくbgmが途切れたり、装備を含むアイテム数が30いかなかったり、エンカウント率が異常に上下したり、ストーリーに絡まない連続お使いクエストをやっても何の報酬もないどころかクリアしてもフラグ管理が雑なのか、バグが発生してお使いクエストの進行が最初からになったりもする。流石に切れた。


 極め付けは戦闘がほぼ作業のヌルゲーかと思いきやレベルアップまでの経験値が異常に多い上に、レベルが上がってもステータスの上昇度が微妙。


 初期ステータスが全部10なのに、レベルが30後半で平均が30だった。多少のばらつきはあってもほぼ0.5は頭おかしい。しかもラスボスクリアはレベル30で充分だし。裏ボスというかレベ上げ以外のエンドコンテンツもほぼないし、クソだった。


 まあその糞ゲーを大体中盤まで進めてた時に晩飯を食いにリビングに行ったんだけど、なんか妹の右上にあの糞ゲー仕様のステータスウィンドウが開いていた。ウィンドウは父さんにも母さんにもついていて、鏡に映る俺にも付いていた。


 そん時は糞ゲーのやりすぎで頭がイかれたんかと思ったけど、そうじゃなかった。


 寝ても覚めてもステータスウィンドウが見えるし、それは結構正確な情報を表示してた。


 父さんは性格欄が情けないだし、母さん家族の中で一番レベルが高かった。

 それで、クラスのパリピギャルが性格が優しいって表記されてたから調べたらマジで根はいい奴だったり、イケメンのマジメ君が職業アルバイターで実は学費を稼ぐ為に新聞配りだの何だのをやってたりもした。

 担任の先生はむっつりスケベだったし、テストの順位もほぼかしこさ順だった。

 力も俺より弱い奴には腕相撲で勝てて、強い奴には負けた。魔力はみんな0だったし、クラスで病欠の多いやつは状態が呪いだった。聖水とか持ってなかったから諦めた。


 とにかく俺にはステータスが見えてた。で、その状態になんとなくハマっちゃって常日頃から見るようにしてたらステータスがいじれることに気づいた。


 最初は妹と廊下ですれ違った時に、ついステータスウィンドウに頭が当たったことが原因だった。当たった瞬間にウィンドウがポロッと落ちて、見えない妹に返すわけにもいかないから部屋に持ち帰ったんだ。


 それでウィンドウの材質を確かめたりして遊んだらたら文字が滲んできた。もちろんあの糞ゲーにはそんな演出は無かったから焦った。それで多分ベタベタ触ってたから鉛筆みたいに滲んだんだと思って、ふと思いつきで消しゴムをかけてみたら予想通り字が消えた。それで今度は鉛筆でウィンドウに落書きをしてみた。状態を風邪にしたり、力をゲーム終盤の30にしたり。なんか妹がゼーゼーと息をしながら腹筋バッキバキになったりして笑った。


 それで俺のウィンドウを手にとって、かしこさを99にしたり運を99にしたりして遊んだんだ。


 実際にめちゃめちゃ物覚えが良くなったが、甘いものがほしくなった。ソシャゲのガチャがめちゃくちゃ当たるようになったが、同じソシャゲやってる友達が発狂した。


 ここまでは良かった。だけど妹のステータスで遊びすぎた。


 事の顛末を語ろう。アイツの魔力を0から10に変えたんだ。そしてmp欄を15にして、消費mp5で火の魔法を使えるようにした。


 次に俺のステータスを弄って魔力とmpを99にして、テレパシーを作ってアイツの脳内にこう言ったんだ。チカラが欲しいか、と。


 それはもう見てて面白かった。


 急にキョロキョロしだして小声で何もないところに向かって誰だと小声で聞いてくるから悪魔と答えてっやたり、何が条件って聞き返すもんだから復活の儀式を手伝えとか言ってやった。


 それで証拠が欲しいわとかノリノリに言ってくるもんだから火の力を与えてやったと答えて、呪文を使わせた。


 それからの妹の傾倒っぷりは見事だった。

 最初の儀式は小さなイタズラをさせていたんだ、黒板や道路にチョークでの落書きとかな、もちろんイキナリぶっとんだ要求すれば断られるから我慢したんだよ。まずは落書きから次は食べ物の貢物とか、徐々に行動をエスカレートさせて行った。

 貢物といっても俺にじゃなくて、もちろん俺が演じる悪魔にだ。火で燃やし尽くすと言う形で俺に捧げられると言う設定にして、悪事に対して色々と耐性をつけてやったんだ。


 だんだん妹がイタズラに慣れてきたところで、今度は妹にいつも頑張っている褒美として1日だけ魅力を高めてやった。身近に好きな奴でもいたんだろうな、もっと魅力を上げる方法はないかと言ってきた。


 そこで魅力を少しだけあげて、更に魅力を上げるためには更なる奉仕を必要とすると伝えた。


 そこからは儀式をただ物を燃やすだけじゃなくて適当に考えた魔法陣を用意させたり、リスカで血を出させたりした。


 流石にリスカは断るかと思ったんだがな、あいにく俺の妹は馬鹿だった。フッツーに捧げてきやがったのな。


 ここで俺は、(もちろん気は引けたんだがな?)アイツに夜中の学校に忍び込ませて派手にスプレーで落書きをさせたり、カエルやカラスとかの生贄を要求して言った。


 カラスやカエルを引き寄せる呪文は俺がステータスに作ってやったが、アイツは生き物を殺すことがうまかったなぁ。なんたって罪悪感を無視してたからな、包丁を使って首を落とすなんて普通の神経じゃできねえだろ?


 俺だったら無理ってもんだ、気持ち悪くて吐いちまうね。

 あ? 俺は妹みたいな根っからの極悪人じゃねーよ。


 まあある程度のタガが外れたらそっからは早いもんさ、物を盗め、適当に金を強請れ、いたいけな少年を捕まえて暴行をふれ、男達に貢がせろとかな。


 そんで最終的に、俺は奴の幸運値を高めて、親父を殺せと命令した。もちろん流石に親を殺す直前に正気に戻られちゃかなわないから、俺は幸運値を爆上げしろいた。


 ふふふ、ああすまない。何度考えたってあれは笑っちまうってもんだ。アイツは母さんが買い出しに出かけてる間、手伝いとして包丁を持って料理をしようとしていたところ、実の親から『暴行』をかけられかけた。


 笑っちまうだろ?


 今まで普通に暮らしていた親父が娘に暴行だってよ、まあそん時はアイツの魅力も結構な値にしていたから美貌に負けてってところか?


 まあ『咄嗟の判断で』俺がスマホで録画して、その犯行の瞬間を撮影してな。いやあ、録画したデータを警察に突き出すぞと言うつもりだったんだよ。


 まあ焦った親父が何をトチ狂ったか妹へマジの暴力を振るいそうになった時、揉みくちゃになってついブスリと。


 そっからは大変だったなぁ。

 なんたって俺と言う目撃者がいたわけだし、親父に乱暴されたと言う事実にうろたえる娘がしっちゃかめっちゃか。


 俺は慌てたふりをして119やら110に連絡をして、そんでもって妹の学校にも連絡を入れてやった。


 詳しい調査の結果、親父が乱暴したことは間違いがないって事になった。俺の録画とかが決め手だそうだ。


 妹の人生がガタガタと音を立てて崩れていくようで楽しかったなあ。俺がやった時は杜撰な計画なのに完全犯罪になったけど、まあ随分な幸運とは言え俺が抑えていたからこんな形に収まったんだろうな。


 妹はそれっきり悪魔に呪いを吐くことはあっても、話しかけることはなくなったね。いつまでもそれで縛ってくのはかわいそうだから、少しずつリスカ痕も消してステータスも運以外は人よりちょっといいくらいに戻してやった。


 ただ、母親が親権放棄したがって自殺。更に言えば『何故か』いく先々で人がバタバタと倒れてってな。妹と俺は疫病神扱いでさ、ついには親がいない子のための施設に入ったわけよ。


 まあ何?


 高校生あたりで施設に入るやつは大抵まともな家庭環境にいないからね、ちょろっと優しく接してやったら楽に手駒が増えたわけだ。


 俺が気に食わないやつはどこかに消えてもらって、でもって表では真面目に勉強をして国外の大学へ入ってったわけ。


 その後は国家公務員へ直行よ。


 歪んだ家庭環境で育った兄が国を操る立場に立って妹を支えながら生きるだなんて、立派なサクセスストーリーだろ?


 金でつられた美人な嫁も脅迫されてる愛人も、この世は俺のおもちゃ箱さ。


 ただまあ、そんな俺にも寿命ってものはあるわけで。


 何となく、今までやらなかった後継者作りをしようとするわけよ。


 そんなわけでどうだい?


 そこで怯えてる綺麗な嬢ちゃんよ、お前もあのクソゲーをやったんだろ?


 クリアしたあの日からどっかへ消えちまったあのクソゲーをクリアしたってことはわかってる。


 ありゃ多分俺たち『迷える子羊』が悪魔と呼ぶ奴の物よ、人の心をわかってないようでわかってる作りだったろ?


 それでどうだい、俺のおもちゃ箱が欲しくはねーか?


 悪い話じゃ、ないはずだ。


書きたくても書けない不器用な筆をなんとか推し進めました!

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