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出会ったのは、魔法使い3
私は藤川都。高校二年生。17歳。
昨日の夕方は、初雪の降るとても寒い日だった。
いつものように、学校からの帰りに橋を渡っていた。
家に帰る途中にある大きな河には、長めの洒落た石橋がある。
ちょうど半分ほど行ったぐらいだろうか。
朝から降りだした雪は、橋を薄く白く染めていた。
誰かに呼ばれたような気がした。
何気なく、下に流れる河を覗いた。
その後は…
滑った?河に墜ちた?
わからない…
膝を抱えて、私は倒れていたという滝のそばの平たい大きな石に座っていた。
一人になりたくて、案内してくれたルーには帰ってもらっていた。
彼の家からは、森を挟んではいるもののそれほど距離は遠くない。
自分で戻れるはずだ。
別の世界だと気づいて泣きそうな私に、会話の為にこめかみに触れた指を少しだけ撫でるように動かして、彼は何気ないように説明してくれた。
ここは島。
俺だけが住む、俺の島。
客は…お前が初めてか。
…まあいいだろう。少しの間なら…。




