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大罪の魔法使い

部屋に籠り退屈していた私は、グラディアの王宮図書室から、侍女のリアさんに本を借りて来てもらった。

ずばり、『魔法と魔法使いについて』

実はこの世界の言葉を話したり聞くことは早く覚えたのだけど、読み書きは最近マスターしたのだ。リュカはルルカの宰相だから、忙しくてそこまでは教えてもらってなかった。ルーのことも知りたいし、私はこの暇を読書に費やすことにした。

魔法については、だいたいわかっていたことが書かれていた。

魔法は自然の力を自分の思いのままに操る術のことだ。詠唱無し、杖などの発動動作は不要。

個人で得意な魔法、苦手な魔法があるらしい。


「そう言えば、ルーは火と風を使っていた。リュカは、雷みたいなものだったし。」


魔力量の強い者は、二つの力が使える。それに加えて個人しか使えない特殊な魔法を持つ魔法使いがいるらしい。


「ああ、リュカの予知ね。ルーは、何か使えるのかな?」


また全体的に、他の場所へ一瞬で移動する『翔ぶ』、相手の意思を読み取る『読む』、危険から身を守るために『結界を張る』、他人の動きを制限する『拘束』や怪我を癒す『治癒』など様々な魔法を使い分ける。


「超能力みたいなものと同じかな?」


そして、人間と大きな違いは不老であること。長寿であり、魔力量の少ない魔法使いで100年。多い魔法使いで1000年ほども生きられるそうだ。病気も患わないし、怪我をしても回復が速い。


ルルカの初代王と面識があるリュカ。もう500年は生きていると本人から聞いている。気が遠くなる話だ。ルーはこれから先何百年も一人で生きていくのだろうか…。

私はまた悲しくなる気持ちに頭を振って、本を読み進めた。

魔法使いはその時代に最大の魔力量を持つ者が一人だけ現れる。その魔法使いを『最高』の魔法使いと一般的に呼ぶ。『最高位』『最高の魔力持ち』の意味を持つ。その次に力のある魔法使いは、『2位』『次位』と呼ばれる。リュカは、それにあたる。


次に魔法使いのことが書かれているのを、私は読み進めた。最初で最高の魔法使いは、シノールという男性だったそうだ。彼はこの世界を創った神だった。何千年か生きた彼が死んで、今は5000年後の世界。この世界はまだ若い。

時が経っているので、伝説となって不確かな部分があるかもしれない。

シノールが死んでから、最高の魔法使いは長らくいなかった。出現したのは、ごく最近。

二人目の最高の魔法使いルシウス。

彼はほんの子どもであった時に、次位の魔法使いを除く、全ての魔法使いとルルカの多くの人びとを抹殺した、大罪の穢れた魔法使いである。


そう書かれていた。

続けて読んでくださっている方、感謝です。

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