グラディアへ9
「はは、あはは!ぷっくく!はは!」
ベッドに頭だけ乗っけて、腹を押さえてローレンが笑い続けている。
「…ねえ、ローレン。」
「ぷっ、何?」
「私って処刑かな?」
「は?え、何?」
「だって、あんなこと言っちゃった…」
ぐすん、涙目でローレンを見た。それに笑うのを忘れて、目を丸くしていた彼は、
「あはは!ミ、ミヤコ、可愛い!」
と、やっぱり笑った。
「うう…」
「ああ、大丈夫だって。ミヤコはルルカのお客様なんだから。グラディアがどうこうできない。それに、別に陛下に不敬を働いたわけじゃないし、もしそうなら、あの貴族達も同罪だよ。」
「ローレン…」
「もう!大丈夫だから。僕だって王様なんだから大抵のことは、君を守れるから。」
「ぐすん。」
感謝の意を込めて、ローレンに抱きつく。あ、弟!弟思い出す…
「ミヤコ…。もう可愛いなあ。」
優しく背中をポンポンされて、どっちが年上だったかな?
「…それで、君は自分のしたこと後悔してる?」
ローレンが小声で聞いてくる。
「ぐすっ、全然。むしろスッキリ。」
私が言うと、ローレンはまたぶほっと吹き出した。
「ひ、ふふ、あははっ!いいね!あ、でもリュカは不機嫌になってたよ。予知を本人が否定したんだからね。顔に泥を塗られたようなもんだから。」
「ぐすん、ごめんなさい。」
「いいんだよ。いつもつんとしたリュカが顔色悪くして、メチャおかしかったんだから。」
ローレンは私の手を取ると、おもむろに手の甲にキスをした。
「わ…」
「操り人形ではない君に敬意を。」
パリン!
なぜか近くの花瓶が自然に割れていた。
評価ありがとうございます!なろう初心者の私に温かい評価、感無量です。