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グラディアへ7

「私、ルーを倒したりしません。例えできるとしても、絶対に彼を傷つける真似はしないわ。」


あんなに騒いでいた人達が、こちらを見たまま静かになった。私が発言したことがそんなに驚くことだったのか。


「さっきから聞いていたら、自分たちのことばかり。私の意見や王様の意見すら無視して!」


「……。」


リュカがこちらを咎めるように見ている。今更止まらない。


「私は昔のことはあまり知りません。ルーが罪人なんて言われても、私には関係ない。私はこの世界に来た時に、彼に助けてもらって、ご飯まで料理して食べさせてもらった。ルーは、私の恩人です。彼に助けてもらわなかったら、うーん、多分風邪引いて泣いてたかもしれない。だから、恩を仇で返すなんて絶対にしない。」


ローレンが顔を下に向けている。がっかりしたかな?


「何か思い違いをされてるみたいですけど、私はルーを倒したりしないから、最高の力を持つ魔法使いにはなれないと思います。だから、こんなふうにぎゃあぎゃあとうるさく騒ぐだけ無駄です。なので失礼します。」


くるっとわざとらしく向きを変えて、足が震えるのを堪えて、謁見の間を出ていった。

待てと言う声もしたが、無視してやった。背後で扉が閉まった。

その音を聞いて、ドレスの裾を持ち上げて自分の部屋までダッシュした。


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