グラディアへ3
usj行ってました。
「ミヤコ様、お支度整いましたよ。」
「……は~」
「ミヤコ様?」
「うは、はい!」
ぼんやりしていて、おかしな返事をしてしまった。侍女さんたちは微かに笑みを浮かべて、お疲れですかと声を掛けてくれた。
「本番はこれからですよ。ほら、御覧ください。」
侍女頭のリアさんが、鏡を向けてくれた。
「…わあ」
これが私。ありがと、皆さん。
白に薄紫がポイントに入ったドレス。裾は長めだけれどスリットが入っていて歩きにくくはなさそう。胸元は鎖骨が見えるくらい開いているが、白と薄紫の細めのフリルがずらして配置されている。重ね着のように見える。スリットにも同じようにフリル。
髪は、結ってはいない。でも、細い銀の紐に幾つも透明な粒状の飾りのついたものが何本か髪に付けられた。
うん、それなりに魔法使いのように見える、かも?自信ないけれど、女の子なので綺麗にしてもらうのは、やっぱり嬉しい。
リュカから聞かされた、ルーの覗きのことがあるので、つい周りを見渡す。
「お綺麗ですよ。」
リアさんと他の侍女さんも、そう言ってくれてお世辞でも嬉しい。
「え、そうですか。」
照れて、緩む紅を引いた唇を手で隠した。
「ミヤコ…、キレイ!」
ローレンが、扉から顔を覗かし私を見ていた。
リアさんたちが、さっと平伏する。
「ああ、いいから。」
それをひらひらと手で制して、ローレンが私に近付いた。
「ローレン様、貴方はいずれ我が国のサラ姫と婚姻する御方。礼を尽くして当然です。」
リアさんの真面目さに、ローレンが微かに眉をしかめた。
「あー、君たち、ミヤコと二人だけにしておくれよ。年上の女性だし、いいでしょ。」
仕方なく侍女さんが出て行くと、ローレンは急に私に人懐こい笑みを投げ掛けた。
「大丈夫?緊張してる?」
「う、勿論だよ。」
これからグラディア王や国の中枢にいる人たちに会うんだ。聞かれると、余計緊張する。
ガチガチな私に、クスクス笑ってから、ローレンは面白そうに私を見た。
「あのルシウスが、まさか人を助けるとはね。」