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御前試合4




Γこの雪、不思議だね。」


家族で観戦に来ていた少年が、手で雪を受け止めて言った。

兄が頷く。


Γうん、僕たちの辺りはちょっぴり降ってるだけなのに、あの魔法使い様達がいる舞台だけ凄く降ってる。」


落ちては、すぐ溶けて行くのに、舞台だけは雪がうっすらと積もっていっている。


Γあの魔法使い様の魔法だ。」


父親が舞台に目を向けたまま言う。


Γあのミヤコ様と言ったかな、何かお考えがあってされているようだ。」


母親は、さっきからひたすら魔法使いを食い入るように見ていたが、ふいに喋った。


Γ……可愛い。あんな可愛い方が、あのルシウス様の奥様なんて」

Γお姫様みたいだね。」


少年は、白いドレスのミヤコが魔法という不思議な力を使うのが信じられない。

ルルカとグラディア両国から突如発表された魔法使いの対戦。

運良く家族でチケットを取れたが、そうした人々に伝えられたのは、驚くべき話だった。


あの恐ろしい魔法使いが出場するだけでも凄いのに、彼には新妻がいて、彼女も魔法使いで出場するという。


どんな女性だろうと思ったら、小柄で愛らしく優しげな顔立ちの娘が舞台に出て来た。


Γ美人ねえ」


母親が、また呟いた時に雪が止んだ。


すっと短剣をリュカに突き付けた彼女が鈴のような澄んだ声で言った。


Γ勝負よ、リュカ!」

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