新しい朝4
Γくっ、よくも…と言うかそういえばお前魔法使いだった…」
拘束の魔法により、私の横に倒れて唸るルーから起きて離れる。
Γだってそうやってごまかすから。」
Γ急にお前があんな…ああもういい。」
拘束を解いたルーがゆらりと立ち上がった。
Γミヤコ、俺を拘束したんだ。覚悟はできてるんだろうな?」
Γえ」
恨みがましい表情で、じりじりとルーがにじり寄る。
Γわ、きゃ!」
逃げる間もなく、がばっと勢い良く抱き締められて身を固くする。だが、そのまま何も起こらない。
Γ?!」
ふっと笑う気配に彼を見上げた。
Γこれでおあいこだ。」
Γ……ルー」
以前、自分が私の自由を奪ったことを言ってるのだとわかり、少し恥ずかしくなる。あの時は、お互い凄く不器用だった。自分の気持ちをどう表したらいいのかさえわからなかった。
そう考えると不思議だ。まだ出会って一年も経っていないのに結婚しているのだから。
Γ俺はお前に何されても怒る気がしないようだ。」
なぜだろうと、自分でも不思議そうにルーが言う。そんな彼の背中を抱きながらも、私は妥協しない。
Γ私は何かされたら怒るよ。」
Γやれやれ」
肩を竦めてデレ化したルーが、その30分後には不機嫌極まりない凶悪な顔をすることになる。
私は予想ついていたけれど…
きっかけは私の一言。
Γ私、ローレンの元で働くから。」