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新しい朝(ル―視点)

ベッドに沈み込むようにして、うつ伏せになったミヤコが眠っている。

白い背中に長くなった黒髪が散っているのを見ていると、暗い喜びが俺の心を占めた。

やっと手に入れた。

一度は諦めた女が、俺のものになった。ずっと捕らえて愛し尽くせる存在ができた。


Γミヤコ」


肩に口づけ、顔にかかる髪を払ってやる。伏せた睫毛が揺れて、細く目を開けたミヤコが、俺を見た。


Γ…ん」

Γ起きろ」


言えば、手をついてノロノロと起き上がろうとするが、気だるそうで力が入らないようだ。

掛けていた毛布が落ちて、彼女の腰の辺りまでの素肌が露になった。引き寄せられるように後ろから抱いて、唇を押し当て舐めあげたら、ミヤコは甘い声を出して背をしならせた。


Γああっ、ん、ふあ、はあ…はあ」

Γっ…ふう…」


自分でやって何だが、艶めかしいミヤコに、またもや目茶苦茶に抱きたくなるのを息を吐き出し堪えて、彼女をシーツにくるんで抱き上げた。

俺は大層悪い男だが、鬼畜ではない。


Γあ…あ?!」


浴室に降ろして、シーツを取り体を洗ってやろうとしたら意識がはっきりしたミヤコが目を見張る。


Γや、あの、いいから!」

Γ洗ってやる。怠いんだろ。」


今更だが胸を両手で隠して、ミヤコは抵抗した。


Γひ、一人でできる!」


シャワーを俺から引ったくり、ミヤコは上目遣いで涙目で懇願した。


Γお願い、ル―」

Γ…………わかった。」


抱き合った時もそうだが、俺はどうやらミヤコのこの表情に弱い。すがるようにうるうると見つめられると、胸が締め付けられて苦しい。


仕方なく浴室を出て台所にいると、新しい服を着たミヤコが戸惑いながら、ようやく戻ってきた。


Γ服、ありがとう」

Γああ」


下衣に膝まである上衣に、細い帯を緩く巻いている。思った通りよく似合っている。


Γ座れ」


椅子に座ったミヤコの前に、食事を出してやったら、その量に驚いたらしい。


Γこんなに?」

Γ…………食べろ」


絶対にお腹は空いているはずだ。


Γん、喉渇いてるみたい」

Γそうだろうな」


あんなに声出してたら、そうだろう。お茶をごくごく飲むミヤコから、目を反らし俺はぽつりと言った。


Γ……悪かった、3日も」

Γ?!………ごほっ」


意味がわかったらしくミヤコが咳込みながら、みるみる顔を赤くした。


Γあうう…」

Γほら、しっかり食べろ」


新婚だからな、そんなもんだろう。よろよろしているミヤコに多少の罪悪感を覚えたが、そう思うことにする。俺は悪くない。

気持ちよすぎるお前がいけない。

いくらでも愛しくて欲しくてたまらない…お前が悪い。










まだ物語は続きます。

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