あなたと7
Γ………ん」
窓から光が射している。今は朝だろうか。
体が怠い。
Γあ…」
そうか、私…
そっと両腕で自分の体を抱いてみる。不思議だ。自分の体がとても愛しい。
至るところに彼の指や唇の感触が残っている。
Γふふ」
にやけていたら、私の腰に回っていたル―の腕が動いて肩を抱いた。
Γふうん、元気だな」
Γひゃあ」
耳に息がかかり、びくりと肩を揺らす。
振り返ると、しっかり目を開けたル―が私の胸の辺りを見つめる。
Γやはり直ぐに消えてしまうか。」
Γあ」
彼が指でなぞった所には、キスマークがあったはず。魔法使いに備わる治癒の力が、すっかり消し去ってしまった。
Γあ、んっ」
再び吸い付かれて、敏感になった体が震える。
Γあ、ああ」
膨らみに赤い痕を付けられて、もうそれだけで私は、くたりとなって息が上がってしまう。そんな私に目を細めて、今度はお腹に触れてきた。
Γ痛いか?」
Γだ、大丈夫…」
思い出して、顔を覆いながら答えた。暖かい手が労るようにお腹を撫でる。
初めて結ばれた時、治癒をかけてくれた。その時も痛いかと聞かれて、涙目で嬉しいと答えたのは……なんとなく覚えている。
そこまで、すごく気遣ってもらった気がする。
私が嬉しいと言って、彼の背中に手を回してしがみついてから…なぜか熱烈に、は、激しかったようだけど。
熱い瞳で、何度も名を呼んで、愛してると告げたル―は、彼の手から受け取った心そのままに、炎のように情熱的だった。
彼が手を握るのをためらったのは、その心に私が怯えるかと思ったから。
自分だけを刻み付けたい。
離さない離さない…
そんな凶悪な熱は、確かに私を一瞬驚かせた。でも、それ以上に嬉しすぎた。
それがちゃんと愛情をベースにした熱だとわかっていたから。
きっとどこの世界を捜しても、私をこれほどに求める人はル―だけだ。こんなにも激しい熱、私には喜びでしかなかった。
大丈夫だと言ったのに、また私に治癒をかけてル―が聞いてくる。
Γお腹空いたか?」
Γううん。」
夜中、ぐったりした私は抱きかかえられて、口にサンドイッチらしき食べ物とお茶をを入れられた…はず。
Γミヤコ」
溜め息を吐くように、ル―が私を呼ぶ。
何だろう。
私は愛しい気持ちで胸がいっぱいで、どうにかなりそうだ。
Γルシウス」
切なくなって手を伸ばせば、たちまち唇に激しいキスが落ちる。
Γふ、んん……あふ…」
抱き締め合うと、全身で感じるル―の熱にたまらなくなる。
いっそ溶け合って一つになれたらいいのに…!
Γは…もっとお前が欲しい」
私はまだ、夫の腕の中。




