あなたと2
ルーが私を抱えたまま、じっと見つめてきた。
Γえっと、私の血を少しだけでいいんで口から摂取して」
Γ………」
Γそれから、あの…魔力の流れは把握できるから、私がいいっていうまで…」
ふいにルーが顔を俯けて、私の額に額を合わせた。
Γルー?」
Γそんなことが、できるのか?」
Γ多分、方法がわかってるからできると…」
目だけでルーを見上げると、深くため息をつかれた。
Γ今まで悩んだのは何だったんだ。」
いつも傲慢な態度のルーが、安堵の表情を浮かべて、なんだか笑えた。
Γふふ」
私は足元に炎の魔法を僅かに加えて雪を溶かした。
Γ降ろして」
地面に足を付けると、ルーを見上げた。溶けた雪が水になって、私の裸足の指先を流れて行く。
Γルーは、それでいい?」
Γお前こそ…半分に分けても、俺達の寿命はかなり長いぞ。お前が嫌になったら、もう逃げないようにずっと閉じ込めるかもしれない。」
Γいいよ。それでもいい。」
風になびく肩を越えた髪を手で押さえて、私は答えた。もう迷って傷つけないと決めたから。
私は、もう決めたから。
Γルーと生きたい。」
そう言えば、ルーは整った顔を少しばかり歪めて、私を抱き締めた。
Γ……わかった。俺もお前と生きたい。」
頷いて、ルーに腰を抱かれたまま、自分の指を見た。まず血を出さないと。
噛む?
リュカからの攻撃で傷を負っていたが既に治癒してしまい、血は川の流れで洗われてしまった。
ルーが自分の腰帯の辺りに手を当て止める動きに、思考を拾った。
Γルー、もしかしてナイフ持ってる?あったらそれで指を切りたいんだけど?」
Γさあ、持ってないな。」
ふっと笑って、明らかにルーが嘘をついた。
Γえ?だって…」
Γ俺がやる。」
私の肩をガシッと掴み、ルーの顔が近づく。
Γ噛むぞ。少し痛むだけだ。」
Γえ、ええ?!」
ガブリ
いきなり首に歯を立てられ、私は衝撃で固まった。つきんとした痛みに、なぜか変な声が出てしまった。
Γあっ!ああっ」
そのまま、ちゅうちゅうと滲んだ血を吸われて、身を震わせる。涙が意図せず目頭に滴の玉を作った。
好きな人に吸血鬼のような行為をされて、私は痛みよりも快感を感じてしまった。
ルー、絶対喜んでやってる!
感想ありがたいです。評価めっちゃ嬉しい!しばらく甘々続きます。




