Firstー3
半分八つ当たりを入れて強く番号を入れる。
「んもぅっ!」
ビ―――――――ッ!と鈍い音がした後にガコッと何かが外れた音がして大きい本棚が横に動く。それと一緒にほこりも動いてまうから困る。
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ」
うっ!おもいっきり吸った!
私はむせながら、先に進む。後は地下に続く階段と地下の道を通れば家に着く。ここは上に小さい豆電球がぶら下がってれだけで他になんにもない。だから、ここの道はものすごく怖い。お化けがでてきそう…
「まったく…!鍵閉めなくてもいいよね!凜花姉ちゃんは抜けすぎにもほどがあるんだから――…!」
とそこまで強く思ってないけど、ぶつぶつもんくを言いながら歩く。そうしてないと怖くて怖くて動けなくなる。
「やっと着いた。」
まだ私の機嫌は納まらなくて、力強く家に繋がるドアを開ける。
げっ………!
「あれほど言ったのに、あんた鍵を雑に開けたでしょ!?」
熱があって寝ていたはずのお母さんが仁王立ちして立っていた。多分、暗証番号を入れた時に鳴ったブザーの音がお母さんに警告データが来たんだろう。寝巻にカーディガンをはおって暖かいかっこうをして私を待っていたみたいだ。
寝てるから気付かないかと思ってたのに…!
そこから、長い説教が始まった。これは本当に長いんだよ。煩い中年先生みたいにねちねちねちねち。しかも、一回言ったことを二回も言ってくるからちょっと腹立つ。
「機会は大切にっ!」
「…はい。」
最後にこの言葉を言って長いゆるい髪をなびかせながらお母さんは部屋に戻っていった。
やっと終わった…。説教時間約1時間。深夜なのに病み上がりなのに元気だな。私なんか眠くてしかたなかったのに。
私は大きなあくびを一つして自分の部屋に戻ることにした。
不思議な夢をみた。
最初は私の体が宙に浮かぶ。ただそれだけだった。でも、しだいに光がぽつりぽつりと表れてくる。その光は二十四個あって二十四色ある。光は私の周りをゆっくりと回りだす。光はなんだか私を守るように動いて綺麗で、でもなんだかくすぐったい気持ちにさせる。これがずっと続くといいなって思ってると…
最後にその光が私の中に入ってきた。
「うわわぁ―――!?」
勢いよく起き上がった。チチチチッと鳥の泣き声が聞こえる。
何ともないよね!?
慌て私の体を、特にお腹を中心に確かめる。いつものちょっと厚い脂肪に変わりなし、傷もなし。いつもと同じ!!
「よかった〜」
ふうっと、一息ついて一安心。
今日は一学期最後の日で午前中だけ学校に行かないといけない。時計を確認すると、あと30分で家を出ないといけない時間だった。
「ヤバッ!」
私は急いで制服に着替え始める。
……にしても、今の夢はなんだったんだろ?
何度も思い出そうとするたびに、どんどん夢を思い出せなくなっていく。…………ま、いっか。
着替え終わると、すぐにお姉ちゃんが『朝ごはんだよ』って言いながら起こしに来てくれた。