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ロッテ高校不良浪漫奇譚  作者: 藤山悠樹
VS生徒会編
9/11

漆・嵐の前の

果し状が届いた次の日。



「あ、六角君達おっはよー!」



ロッテ高校の朝には、いつもの光景が流れていた。教室の一角に凛、梨子、菓侖が集まっている。桔梗と襲はいない。九十九も欠勤らしい。



「………」


「………」



この2人を除いて。

この2人の空間だけ、空気が張り詰めている。学校そのものに対し、警戒しているのだ。

そんな2人に近付く猛者は__



「大変だねぇ。六角君達も」



菓侖が、2人に話しかけた。

菓侖に話しかけられても2人の周りの空気が緩むことは無い。

傍から見れば猛獣が兎を狩ろうとしているように見えるだろう。



「何が?」



ネルが警戒を緩めることなく菓侖に尋ねた。すると、菓侖はクスリと笑ってそれに答えた。



「何って、は・た・し・じょ・う!」


「っ!?」



彼女が知るはずのない言葉が、彼女の口からこぼれた。

果し状のことは桔梗にしか告げていないはず。それにマーブルとシリアルのことだ。渡されていたところを見られていたとは考えにくい。


(何故菓侖が知って__)



「何故私が知ってるのかって?」



頭の中を見透かされているような感覚にネルは顔を歪める。ポイフルは既に平常心を取り戻し、無表情だ。



「それは___」



菓侖は言いかけるとポイフルの耳に顔を寄せた。



「この情報屋マカロンに、知らないことなんてないから。なんてね、きゃははっ」



ポイフルの顔が驚愕に染まる。

それを確認するようにポイフルの顔を覗き込み、そしてまたクスリと笑うと、梨子達の方へ帰って行った。



「ポイフルさん!情報屋マカロンって…!」



至近距離にいたネルにも聞こえていたようだ。



「……ああ」



情報屋マカロン___裏社会で知らぬ者はいないと言われるほど有名な凄腕情報屋。どんな依頼も一瞬でこなす、天才ハッカーである。その分雇うには相当の金額を要し、また彼女自身が気分屋なので仕事にムラがある。しかし最近はその気分屋も身を潜めているらしい。

昔、ポイフルが父の行方を調べる為に頼ったのがこのマカロンだ。これにより、ポイフルは桔梗などの極道と関わることになったのだ。


(まさか、こんな身近にいたとはな……)


ポイフルは菓侖に鋭い視線をやった。


(今度お礼にお菓子作って持っていこう)


なんて呑気なことを考えながら、ポイフルは平和な学校生活を送ったのだった。

















「もう少し」



「もう少しの我慢だ」

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