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ロッテ高校不良浪漫奇譚  作者: 藤山悠樹
VS生徒会編
6/11

伍・報告

午後6時倉橋邸にて。



「お嬢!!」


「どうした、襲」


「掴んだぜ。あっちの主戦力とポイフルを狙う理由!」


「よくやった!」



桔梗の部屋に駆け込んできた襲が、胸の谷間から筒状になった紙を取り出し、広げる。



「まず主戦力は生徒会長である花園フルーチェ、参謀である向田シリアル、そして華園マーブル。ここまではお嬢も知っているだろ?」


「ああ」


「それに加え、不二家高校裏番である中原アポロ、その妹の中原棗が主戦力ってとこだ」


「不二家の者がなぜ…?」


「ああ。私もそこが気になって調べてみた。

そしたら昔、ポイフルと戦ったことがあるらしい」


「ポイフルと?」



ポイフルは前にも言ったとおり平和主義者である。そんな彼が他校の生徒と好んで戦うとは思えない。



「あの時期だ」


「……ああ」



あの時期とは、ポイフルがまだ映画鑑賞部に所属していた頃のことを指す。部長に従い、他校の者に手を出したことがあったのかもしれない。



「それで、理由は?」


「生徒会に、ポイフルがヤクや裏社会に手を出してるっつーデタラメを流してやがる奴がいるらしい」


「は?何のためにそんなことを?」


「そいつぁわからねえ。何せ、生徒会の奴らも会ったことがないらしいからな」


「うむ…」


「お嬢の方は何かあったか?」


「ああ。ポイフルとネルの元に、果たし状が届いたらしい」



桔梗の答えに片眉を釣り上げる襲。



「果たし状だあ?んなちまちました…って、それよりいつの時代だっての!」



的確かつ鋭いツッコミを入れる。襲は正々堂々直接宣戦布告するような日本男児が好みらしい。はい、今襲のタイプの男性を思い浮かべたそこの貴方!襲には桔梗がいますからね!恋より仕事なんですって!今ドキッとしたそこのあなた!あとで襲より一言頂きましょう。



「で?内容は?」


「“ロッテ高校2年B組六角ポイフル。

貴様に花園フルーチェより、決闘を申し込む。

今週の土曜日、早朝8時。コイケヤ河原にて待つ”、だとさ」



桔梗がポイフルから聞いた内容をそっくりそのまま襲に伝える。一度聞いただけで覚えられるのは、彼女がヤのつく自由業であるからだろう。え?別に断言はしてませんよ?



「んなえらっそーな……。しかも明後日かよ…」



どうやら襲はそれが気に入らなかったらしく、更に青筋を立てている。やだ怖い。とりあえず襲の生徒会への好感度は最悪になったようだ。今にも桔梗の父に連絡をとり、応援を要請し殴り込みに行きそうである。桔梗に止められているので行かないが、それくらい最悪だ。



「で、どうするんだ?」


「もちろん、その通りに行くさ」


「正気か?罠が仕掛けてあったらどうするんだ」


「そのときは、お前らがいるだろう?」



桔梗はそう言うと不敵に笑った。
















「しかし、どうも気になるな」














「おや、彼女は私に気付きかけたようですね」


「早急に始末しておいた方が…」

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