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ロッテ高校不良浪漫奇譚  作者: 藤山悠樹
VS生徒会編
5/11

肆・果たし状

それは突然現れた。



「ロッテ高校2年B組、ネル ネルネでござるな」



帰宅途中、ネルの目の前に突然男が現れた。その口調と左腕に紅くはためく腕章。もしかしなくとも生徒会の向田シリアルだ。



「生徒会の者が何の用だ」



低い声で、威圧する様に尋ねる。

そこらの不良なら縮み上がる様な迫力だが、流石生徒会。伊達に異端児を潰してはいない。



「何って……こういうことだ!!」



シリアルはけたたましく吼えると、筒状になった紙をネルに向かって投げつけた。

爆弾か何かだと思ったネルは何とか回避しようと試みる。

が、シリアルの方が何枚か上手だった。

よく鍛えられた、しかし細いその腕で投げられた筒状の紙は、ネルの右肩に直撃し、重力に則って地面へ落ちる。



「くっ!」



(ポイフルさんごめんなさい___)



死を覚悟したネルは心の中でポイフルに謝った。彼が仲間が傷つくことで何より悲しむことをネルは知っていた。

しかし、いつまでたっても何も起こらない。怪しんで地面に転がった筒状の紙を拾う。その瞬間___



「さらば!!」



と、叫んだシリアルの姿は掻き消えた。













それと同時刻。

ネルと同じようにポイフルも帰路へとついていた。そこへ___



ドゴォンッ



「あいたたた……。ふへぁー……。だるぅー……はっ、これはフルーチェさんのためなんだ。あー、そう思うと興奮してきた」



突然の出来事にさっと身構えるポイフル。時間が経つにつれて、降ってきた女、もといマーブルの息は荒くなる。



「はあ、早く終わらせて次の支持を仰ごう。てことでほいっっと!」



一通りマーブルの過呼吸が収まったところで、マーブルは筒状になった紙をポイフルに投げつけた。ポイフルはそれをキャッチする。



「ホントはころっと殺っちゃいたいんだけどフルーチェさんに止められてるから我慢してあげてんの。フルーチェさんに感謝しなさいよ?」



と言うと、マーブルの姿はシリアルと同じように掻き消えた。

マーブルの姿が消えると、ポイフルは筒状の紙を広げた。そこにはこう書いてあった。




『果たし状

ロッテ高校2年B組六角ポイフル。

貴様に花園フルーチェより、決闘を申し込む。

今週の土曜日、早朝8時。コイケヤ河原にて待つ』




読み終わると、ポイフルはそれをビリビリと破り、丸めて持っていたビニール袋に入れた。ポイ捨て、ダメ、絶対。

とりあえず桔梗に報告しようと、ポイフルは携帯を操作し始めた。










「賽は投げられた」



「さあ、傍観しよう」

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