弐・物語の歯車
ロッテ高校。生徒会室。
ぎらりと目を光らせる者が、2人。
1人は高そうな椅子に座り、1人はその横に立っている。心なしか息が荒い。それとは別に、ソファーに姿勢よく座っている者が。
「はあ……」
「また、“アレ”のことでござるか?」
「ああ」
椅子に座っている者__生徒会長である花園フルーチェ__が溜息を漏らすと、横に立っている者は悶え、代わりにソファーに座っている者__数少ないツッコミである向田シリアル__が尋ねる。
「“アレ”は早急に取り除かなければなるまい。口ではああ言っているが、裏でどんなことをしているのか……」
「書類も、どこまでが本当かわからないでござるし」
「フルーチェさん!こんな【ピー】にフルーチェさんの手を煩わせる必要なんてないって!私がころっと殺ってくるから!!」
※今、この物語の上で言ってはいけない言葉を発したため、一部隠させて頂きました。
「察すでござるよマーブル。校内で死傷者が出れば我々の責任になる」
「……ということは校外であればころっと殺っちゃっていいってこと?」
ソファーに座っている者の言葉に、横に立っている者___ヤンデレ担当である花園マーブル___が反撃を喰らわす。思わぬ反撃を喰らったシリアルは目をパチパチと瞬かせていた。それを肯定するの意と捉えたのかみるみるうちにマーブルの顔に笑顔が広がる。
「そうだよね!じゃあ早速果たし状書いてくる!!」
「あっ、おいマーブル!」
暴走するマーブルを止めようとするシリアルを、フルーチェが片手で制する。
「準備をしろ」
「へ?」
「……いいじゃないか。決闘」
フルーチェの言葉にポカンとするシリアル。だが、流石常識人、すぐさまどこかに電話をかけはじめた。
「物語の歯車は、登場人物を乗せ、“加速”する」
「“終焉”に向かって」