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『Ghost Hunting』  作者: 千鶴。
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〜第一話〜

僕は語りたくなった。

唐突に。

衝動的に。

そう。ただ、衝動的に。

語りたくなったんだ。

ただの、自己満足かもしれない。

だれになんと言われようが関係ない。

あの思い出をーーー

あの出来事をーーー

忘れようにも忘れられない。あの1年を。

僕たちが過ごしたあの1年を。

語りたくなったんだ。




2014年 4月8日、僕の、西園寺守の

最後の高校生活が初まった。

これまで過ごしてきた学校生活2年間は

正直言うとあまり充実していなかった。

それは、いつも登校中に飛んでいる

あのスズメ達に聞けば一目瞭然だろう。

毎朝、7時に起き、朝食をとり、

登校し、授業を受け、4時15分に素早く帰宅する。

それが日常生活のサイクルとなっていた。

僕が通っている『私立野木南高等学校』は、

全国でも有名な強豪スポーツ高校だ。

部活の取り組み時間は、

他の高校と比べたら尋常じゃない。

午後、最後の授業(4時)が終わると男女を問わないほぼ全員が早々と部活に精進する。

最近は、野球部とかサッカー部とかは

10時までやってるだとかなんとか?

そしてーーー

こんな疑問を思った人も多くははないだろう。

「そんな強豪スポーツ高で、

お前は部活しないでなにしてんだよ!」

って。

ナイスツッコミだ。中川家の礼二にも引けを取らないツッコミだ。

当然と言えば当然だ。スポーツ高で部活をしていない奴なんて100%、絶対的に有り得ない。

でも、これといって大した理由ではないのだから清々しい。

説明するほうがバカバカしいぐらいなのだ。

でも、あえて説明をするのならーーー

簡単に単純に明白に簡潔に言うのならーーー


「飽きた」


そう。これだけしかない。

僕は2年前、バスケットボール部に所属していた。

自慢するほどではないが、身体能力は他の先輩達とは比べ物にならないくらいずば抜けていた。

50m6.0秒 シャトルラン168回

反復横跳び98回 立ち幅跳び 294cmーー

こんなことだろうか。(充分自慢できる)

ここで蛇足だが、頭は中の下である。

ごめん。話しを戻そう。

だが、それが飽きてしまった原因でもあった。

僕は中学では全国準優勝まで成績を残した。

「高校では優勝を。」

と、胸に誓い、全国でも有名なこの高校に入学したわけであったが、先輩達があっけ無さすぎて、(これは僕が超人というわけか?)バスケが飽きてしまったのだ。

だから、この2年間という学校生活はただつまないだけであった。

と、ここまで長文で語るとは思っていなかったのだが、ここはご了承いただきたい。

だけど、この高校3年生という職業は楽しみで楽しみで仕方がない。

ひとつはあの、かの有名なバレーボール部のエース 本田美咲と同じクラスだからだ。

この高校で本田美咲と聞いて知らない者はいない。

童顔、スレンダー、

人思い、スポーツ万能、優等生ーーー

まさに彼女は完璧美女なのだ。

僕は1年生の時からずっと片想いをしていた。

1年生の時は体育館でよく見かけていたが、部活を止めてから会う機会は皆無だった。

なので、こうやって同じクラスになれたということは大変喜ばしいことで、学校にいくことが苦にはならないのだ。

なんならこの初日に告白してしまおうかと思うぐらい好きなのだ。

ただーーー

もう1つ。

そう、もう一つある。

美咲さんのことはもう、とんでもなく好きだけど、こっちのほうが本題と言えるだろう。

そうーーー

やっとーーー

やっと『本職』につけるのだ。

2年間の地獄の地獄の中の地獄の修行を

乗り越え『本職』に。

母と父の命を奪ったおぞましいあいつらに。

思い出したら今でも悪寒がするあいつらに。

僕の人生を狂わしたあいつらに。

復讐を報いることができるのだ。


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