おでんくらいちゃんと、食べた…かった(ガク)
「あー…このゲームもそろそろ飽きてきたなぁ。次は何しよっかなぁ…」
俺は手に持っていたコントローラーを机の上に放り椅子にもたれ掛かった。
ぐぅぅうう。
あぁ、そう言えばもう結構な時間ゲームをやって居たのを思い出し時計を見る。
[5時32分]もう朝日も登りつつあるこの時間は十分に朝と言うに差し支えない時間である。
今日は休日、父が会社に行かないこの唯一の日、母が起きるには大体いつも昼過ぎになってしまう。
ぐぅううう。
仕方ないキッチンに行って朝食でも作ろう、そう思い冷蔵庫の前まで行くと張り紙がしてあった。
普段そんな事しない母にしては珍しい、そう思いつつ読んでみる。
『今冷蔵庫にはほとんど食材が入っていません、朝ごはんはコンビニで済ませてください。ps、お昼は外でご飯にしましょう』
慌てて冷蔵庫を開けての第一声はこれだった。
「やられた…」
思えば昨日の夕飯が冷凍食品だったのはこの為だったらしい。
まあおこずかいはまだ財布に大夫残っているので言われた(?)通り駅前のコンビニで何か買ってくることにしよう。
季節は2月初旬、まだまだ常春とは言い難い寒さの中ユニ⚪︎ロの冬物パーカーを羽織り玄関を出る。
…思っていたよりも寒いな、急いでコンビニに行きカップ焼きそばとおでんを買って出る。
「うぅ寒い、赤信号が憎い。いや寒冷前線が憎い!」
意味不明な言動をしつつ信号を待つ、この時間は車の往来が少ないのに何故こんなに待たねばいかんのか不思議でならない。
余りに長いのでおでんを一本食べることにする、つくね串だ。
「うん、うまい!あったまるわぁ…」
こんな場所で俺がおでんを食べていたのが悪いのか、それとも運転手が眠るほど仕事を与えた運送会社が悪いのか、それとも日本列島に長く居座った寒冷前線が悪いのか俺はその日、死んだ。
「ぐ、はっ…」
俺はそのゆっくりとしたような走馬灯のなか。
「新商品の“ニラごぼう獅子唐天ぷらおでん”がぁ!」
…今にして思うと何でそんな商品を作ったのか、さらに何でそんな得体の知れないものを買ってしまったのか未だにわからないが一つだけわかったことがある。
それは
俺がこの後転生して異世界に行ったって事だけだ。
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ん?…知らない天井だ?
んん?なんか視力落ちた?周りがやけにぼやけて見えるな。
「はーいミルクの時間でちゅよー」
え?あ、そういうの間に合ってます。あとそれをやるのはうちの父の方が喜ぶかと…って無視かーい!
「あぶ、」
ん?
「あぅ」
んん?あれれぇ?おーかしーぞぉー?何で俺こんな小ちゃくなってんだ?
アンサー、幼児退行したから?
スケール!それだとスケールでかすぎんだろぉぉおお!
じゃあ何かい?俺は心の中で本当はそれを望んでいたってことかい?
BA・KA・NA‼︎ありえない、小学校の時親父が子供服着てるの見た瞬間に思ったはずだろ!
あ、これアカンやつや。って!
ちくしょお…なんなんだよぉ。俺はノーマルなのが好きなんだよぉ。そんなハードなプレイ求めてないんだよおちくしょぉぉおおお!
はあ、はあ、はぁぁああ…
よし、確認だ。
右手、よし。ある!
左手、ある!
右足、動く。ある!
左足、ある!
しっぽ、うし。ある!
ってあれぇぇええ?しっぽ?え、しっぽぉおおおお!
ちょっと待て何故ある!アレか?!そう言うプレイなのか?誰得だよぉ!そお言うのは女の子にお願いしてよぉお!なんで俺なんだよお!
うん、落ち着こう。ビークールだビークール。俺は賢い子だったはずだ、さあ今こそ!
たぁあましぃぃぃいいをぉぉお燃やせぇぇえええ‼︎
ああ、いや燃やしちゃいかんかった。
さあ良い子のみんな〜悪い子のみんな〜そして自分を凄い奴だと思い込んでる痛い子のみんな〜連想ゲームの時間だよ〜
まずしっぽからだねー、手触りはどんな感じかなー?
サラサラしてるねー猫の尻尾みたいだー
じゃあそれが人間の尾骶骨から生えてるねー、違うよー猿の尻尾じゃないよー、だからスーパーでサイヤな人には成れないよー。
じゃあ何に似てるかなー?この前読んだ小説にでてる獣人にそっくりだーっていうことは僕は獣人さんだねー
…oh、orz
俺、転生したんだね。わかったよ、うんステータスとかってあるのかな?…うん無いみたいだね。
ああ、もうなんかどうでもいいや。寝よう。