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宮廷魔導師の剣技  作者: Rei
第一章 天才宮廷魔導師
1/5

第一話 そして歯車は動き出す

どーも。Reiです。更新は不定期で遅れると思いますが、読んで下さったら嬉しいです。では、第一話どーぞ。


美しい少女が堕ちて行く。そこは暗い空間。底が見えない穴。そんな場所を堕ちて行く。そして少女は目覚める。

「俺のこと少女って言ったの誰だー!!!」


----------------------------------------------------


「全く!!またこの森を越えなきゃいけないのか。グランの野郎、めんどくさい仕事押し付けてくれたもんだぜ!!」


あいつの依頼で竜種であるサラマンダーと戦る羽目になって、やっつけた帰り道である。ちなみにグランってのは俺の住む国、シルヴェリア王国の国王だ。普通ならこんな口の利き方したら、最悪死刑、それもかなり残酷な死に方をするんだろうが、あいつがいいって言ってんだから、構わないだろう。もちろん、公の場では気をつけるが…。そんなこと言ってる間にもう森の半分は越えたな。この森を越えたら、王国に着く。


「この卑怯者め!!こんな大勢で襲って恥ずかしくないのか!」


その時凛々しい 女の声が聞こえてきた。急いで声のもとに向かう。そしてそっと木の陰から覗いて見ると、壊れた馬車と盗賊共に囲まれているお姫様の姿があった。


「おいおい、ありゃうちの姫様じゃないか!!」


そう、なんと襲われていたのはシルヴェリア王国の皇女だったのだ。


「面白そうだからもうしばらく見てよう。」


「へへへっ!!今夜は楽しめそうだぁ!!なんてったってお姫様を犯せるんだからなぁ!!メイドもいやがる。おい!お前らにはメイドの方をやる!!」


盗賊の男が仲間に言う。聞いているのも嫌になるような声だ。


「貴様、皇女である私を汚したら、どうなるかわかっているのか!!」


姫は気丈にも50人以上の盗賊に立ち向かおうとする。


「知るかよ!!俺たちはもう自分の生活を捨ててんだ!!さあ、お前らぁ!!お楽しみの時間だ!!やっちまえ!!」


その掛け声と共に盗賊共が襲いかかる。


「そろそろ助けてやるか。我求むるは火。その力をもって我が敵を打ち砕け!!ファイヤーボール!!」


ファイヤーボールは火属性の初級魔法だ。本来はせいぜい小さな岩を吹き飛ばすくらいの威力しか無い。だがそれも使い方次第で中級以上の威力を発揮する。俺はファイヤーボールを30個ほど作ることにした。発動と同時に無数の魔方陣が空中に浮かび上がる。そしてその全てを盗賊目がけて発射した。


「ドドーーーーーン!!!!」


「ギャーー!!なんだ何事だ!!」


盗賊共が慌てふためく。その隙に俺は盗賊共の上をジャンプして越えて姫様の所へ駆けつけ、精一杯カッコつけて言う。


「助けに来たぜ。シルヴィー。」


……………………………………………………

Side:シルヴィア=ランカスター


「しまった。もっと護衛を連れてくるんだった。」


私は今更ながら後悔していた。周りには50人もの盗賊。護衛は全てやられてしまった。動ける者はもう私とメイドのアリシアしかいない。


「姫様。お逃げください。私が時間を稼ぎます。」


アリシアが言う。しかし、そうすればアリシアはどうなる??1人で時間を稼ぎながら盗賊共から逃げ切れるのか??いや、無理だろう。そう考えた私はアリシアに言う。


「お前1人置いて逃げれるものか!!私は逃げんぞ!!」


私のわがままなのは分かっているが、どうしても置いていけなかったのだ。私は皇女であり、他の者を犠牲にしても生き残らねばならないのは分かっている。十分に理解しているつもりだ。しかし、どうして幼い頃からの付き合いのアリシアを置いていけようか!!


「姫様!!聞き分けのないことを言わないで下さい!!あなたは生きなければならない。生きてこれから民を導くのです。あなたはここで死んでいい人ではないのですよ!!」


アリシアが涙しながら言う。しかし、彼女の手は震えていた。彼女も怖いのだ。私はますますアリシアを置いていけなくなった。


「お話しは終わったかぁ!!悪いが2人とも逃がすつもりは無いぜぇ!!今夜のお楽しみだからなぁ~!!」


空気の読めない盗賊共だ。話の最中だったのに。


「貴様ら、こんな大勢で襲って恥ずかしくないのか!!」


私はせめてもの抵抗にと盗賊共に言ってみる。すると、盗賊共はゲラゲラと笑いながら言う。


「戦場に恥ずかしいもくそもあるかよぉ!!これだから温室育ちのお姫様はなぁ!!」


私は激しい怒りを感じた。こんな奴らに、こんなプライドもないような奴らに私は犯されると言うのか!!ふざけるな!!


「皇女である私を汚したらどうなるかわかっているのか!!」


私は怒りを抑えきれずに叫ぶ。


「知るかよ!!俺たちはもう生活を捨てたんだぁ!!」


盗賊の頭が言う。その時私は初めて恐怖を感じた。こやつらは本気だ。私を皇女と知っていてそんなことが出来るのか!!こんな奴らに私は汚されるのか!!


「さあ、お前らぁ!!やっちまえ!!」


盗賊共が襲いかかってくる。もうダメだと思ったその時、私はある少年のことを考えていた。生意気だか優しく、私のことを初めて対等な存在として扱ってくれた、男のくせに憎たらしい程美しい少年。


「助けて!!レイーーー!!!!」


その時、盗賊共に火の雨が降り注いだ。そして、白髪のポニーテールで特徴的な赤いロングコートを羽織った少年がその綺麗な髪をなびかせながら盗賊の上を跳んでくる。そして私の前に着地し、振り返って言う。


「助けに来たぜ!!シルヴィー。」


その時の彼は太陽が霞んで見える程輝いて見えた。


........................................side end...................


皇女様の名前はシルヴィアさんでした。次話も読んで下さると嬉しいです。



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