序章2 俺誕生
白い光。ただただ白く眩しい光に包まれて、俺は意識を失っていたようだ。今がどういう状況かわからない。目を開けたくても開けられないのだ。目蓋が重い。辛うじて細く目を開ける事は可能だが、入って来るのは少しの光のみなので、これだけでは何がなんだか分からない。
・・・・困ったなぁ
ありゃ?と俺は更なる違和感に気づく。声が出せない。確かに今、俺は「困ったなぁ」と発音しようとしたハズだ。しかし、声が出ない。何故?と俺の心に不安が込み上げて来る。声も出せない、周りの状況が理解できないと言う状況の中、分かるのは、俺の肌が何か温かい液体に浸かっている事と俺の周りで良く聞こえないが誰かが話していると言う事だ。体を動かそうとしても何故か持ち上がらないので、俺は現在の状況を整理する事にした。
まず、俺は死んだ。そして声がキュートな冥界の神様と会話してから剣と魔法の世界に転生させてもらう事になり、ついでにチート能力も貰った。そしてその後俺は「行って来るがよいっ!」的な事を言われて眩しい光に包まれて此処にいるワケだ。状況整理と言うにはシンプルすぎる気がするが、実際そんな物だったので深く考えないようにする。
それで、今はどんな状況なんだ?と今起きている事に考えを向ける。予想をしてみると色々出てくるが、とりあえず考えてみて一番ありそうだと思ったモノを脳内に展開する。
その1
アレが全部夢で現在病院のベッドの上
考えてみたはいいがその後すぐにうーん・・・無いな。とばっさり切り捨てる。そりゃそうだろう。病院のベットの上が何故液体?そしてなんで声が出せない?何故起き上がれない?と言う疑問が沢山浮かんでくる。状況的にありえても現在の状況とはこれっぽっちも合っていない。
その2
転生してなんか温かい池みたいなところに放り出された
一瞬だけあるかな?と考えたがそれもないだろう。条件が合っても声が出ないのはおかしい。しかも目が開かないのもおかいしだろう。これも無しである。
その3
転生も地獄も糞もなくあの世
これが一番合っていると思う。俺はあの世なんて知らないのでこんなもんなのか。となんとなく思う。こんな微妙な状況だとは思わないが。
色々考えてみたはいいけど何もパッとしたものが浮かばない。何か状況に異変があるまでこの温水にプカプカ浮いてることにしますかーと思った瞬間、俺の体が布のようなものに包まれた。と言うか今頃気づいたが、俺は全裸だった。そして誰かに持ち上げられたのだ。俺15だよっ!?とありえないぐらいビックリしてる。持ち上げたのどんなヤツだよ・・・とビクビクしながら首を動かすと辛うじて見えたには女の人の顔だった。とても優しそうな顔の女性だ。髪を明るい金色。瞳の色は青。西洋人っぽい。あくまで辛うじて見えるだけなので断言はできないが、恐らく外国人であろう。とても嬉しそうな顔をしているまるで子供が生まれた母親のような・・・ってアレ?
俺はまたもや違和感に気づくぼやけてる視界の中で見えた物は自分の手。手だ。しかし
小っちゃくね?
全裸、布、声が出せない、小っちゃい、温水。・・まさか
あ、赤ん坊!?
何故?と思ったがすぐに納得した。転生とは人生のやり直し。つまり俺は生まれたワケだ。
そう、剣と魔法の世界に・・・
ありゃ?主人公の名前出せなかった。
まあ、次回出せるでしょう。プロフィールとかはその辺出てからで。