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剣ト魔法トチートノ冒険録  作者: のびよ君
剣術大会編
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六話 確認でびっくり!まさかの展開

 

 何故気づかなかったんだろう。本当に。俺は馬鹿か。多分馬鹿かもしれないが。仮にも27年生きてるんだ(12歳だけどね)。2年前に初めて使って「えぇっー」となってから封印してきたアレ。スリルを求めるだけとはいい、仮にも剣術を習ってる者としてスポーツマンシップ(?)を守るために使わないできたアレ。そしてこの世界に来て12年経つのに未だキャラが固まってない俺。と言うか向こうでもキャラが地味なのか馬鹿なのかで固まっていなかった気がする。まず、あの意味の分からない暗い所でキャラを固めてから生まれて来るべきだったな。と言うか話題が逸れたな。まずはアレだコボルト娘、フェーラルさんに「剣術大会のルールでやらないか!」と言ったまでは良いのだが、剣大会のルール知らない俺は現在逃げ惑っているのだ。多分、本番で動き回れる距離とかの事を考えるともう破ってるかも知れない。あと、俺が剣術大会のルールを俺が剣術を習ってるくせに知らないのはモルドレッド先生の説明を全くと言って良い程聞いていなかったからだ。それにしても現在、戦闘中にも関わらずこの山の景色を眺めているのだが、さっきフェーラルがいた林の手前のあたりの木に生ってる木の実。とても赤く熟した色、そしていまにもはち切れそうな実の詰まり具合。とても甘そうであり、味を想像しただけでもついよだれが・・・・




「って何考えてるんだ俺は!」




「いきなり何言ってんのよ!と言うか余所見してて良いワケ!?」




 フェーラルの声と共に俺の頭上に振り下ろされる棍棒。しかし、フェーラルとの距離に余裕があってさっきから避け続けてるため、段々と馴れて来た俺はひらりと身を躱す。



「あー、もう!さっきから逃げてばっかり!なんで攻撃して来ないの!?」



 えぇい!五月蝿い!俺ルール知らないもん!だから攻撃したら反則かもしれないじゃん!と叫んでしまいそうになった。マジで逃げるのに疲れてるのだ。もうブチギレ寸前のあたりまで。俺がフェーラルと戦闘を始めてから早1時間と30分は経っただろうか。多分前半45分フルボッコにされて後半45分は逃げる!の繰り返し。こんな戦闘、漫画とかだと滅多に見ないよな。と思う。と言うか俺は先程何かを思い出した気がするのだが、無駄な思考時間が盛りだくさんだったために、頭から抜けてしまったらしい。確か・・・と俺は思い出すべく頭を回転させ始める。




「オイコラ!また余所見!?アタシをナメるのも大概にしなさーいッ!!」



「うおぁっ!」




 なんかオーラ的なものを纏って俺の足元に振り下ろされた棍棒は俺の足元を見事に崩す。更に崩れた地面は落とし穴となり俺はそのド真ん中にどっしんと尻餅をつく。「



「ふんッ!どうよ!アタシの必殺技!『兜割り《クラッシュ・ヘルム》』」



「・・・・っせぇよ!」



「へ?」




「うるせぇんだよ!人が折角考え事してんのに!!何が凄い方法思いついて忘れて思い出してる途中に攻撃してんじゃねぇよ!お前のアホみたいな名前の技でまた一からじゃねぇか!フザけんな!」




「え・・・・、ちょ、ちょっと、な、何をキレてるの?」




 あん?当たり前だろう?お前こそ何でそんなに動揺している?俺の立場になってみやがれテメェ。さて、アイツが動揺している内に思い出すとしますか・・・って待てよ。キレている?おかしいぞ。俺の村にもフェーラルみたいな性格の俺より二つ下の女の子がいたが、そんな言葉使わなかったぞ。そもそもキレているってのは性格な日本語ではなくて、多分国語辞典引いても無かった覚えがある。しかし、この世界でもこういった言葉が流行ったりしてるのかも知れないと思った俺はとりあえず確認のため言ってみる。




「普通キレるだろうが!この・・・KYコボルト娘が!」




「・・・はぁ!?アタシのどこが空気読めないって言いたいワケ!?・・・って」




 はい、確定。この娘さん転生者でした。俺は昔・・・5年前、ミカヤに何でツッコんでくれないんだ、このKY娘が!と叫んだ。それを聞いたミカヤはツッコみ?KY?意味の分からない事を言わないでちょうだい!と言った。あの勉強熱心&本にかじりついてそうなミカヤでさえも知らないと言う事はこの世界にはツッコみとかKYって言葉は無いと思って良い。まあ、俺が色々な村人(主にちびっ子達)にこういった言葉を吹き込んだら色々と広まった。多分向こうも俺がKYって言葉を発したため俺と同じような事になっているんだろう。




「「・・・・・・」」




 何か俺とフェーラルは少し黙り込み、沈黙が辺りを襲う。そして10秒位経ったあたりでフェーラルが動く。落とし穴で尻餅をついた状態の俺に向かって棍棒を構え飛び掛って来る。俺は反射的に避けようとしたがフェーラルの「動くな!」と言う呪縛じみた目線により一種の金縛りみたいになった。そして俺の真上に来たあたりで構えを解いて俺の目の前に着地する。



「命は助けてあげるから鍔迫り合いしてちょうだい」




「・・・分かった」



 命の危険を冒してまでの特訓じゃなくなるのはアレだが、とりあえず戦ってるフリして確認だけするには鍔迫り合いが一番良い体制だろうと思い、フェーラルの言葉に頷き、鍔迫り合いの体制をとる。




「・・・・確認するけど、アンタ転生ってのをしたかしら?」




 どうやら当たっていたらしい。転生と言う単語が出たので最早完璧に確定だろう。




「YES」



「マジかぁ・・・」



「マジだぁ・・・」



「いたのね・・・転生者・・・本当に。」



「同じくそう思いますぜぃ・・・」



「「・・・・・」」



 再び沈黙。しかし、俺の疑問により3秒程で打ち消される。



「つか、なんでアンタはコボルトなんですかぃ?あの冥界の神様は種族がどうのこうの言ってなかったけれど」




「・・・・そ、それ聞いちゃうの!?」



 いきなり大きな声を出したと思ったらその後すぐになんか顔を赤くして目を泳がせるフェーラル。何があった・・・。



「教えて欲しいぞ!ソレはマジで。オレだってしがない村人より魔王とかの方がよっぽどマシだと思ってるんだから。」




「・・・・・・・・のよ。」



「え?聞こえませんぜぃ!」



「・・時に・・って・・のよ」



「何ですかぃ?何故そこで躊躇う!」



 俺がそう言うとフェーラルは俺に耳打ちをする事にしたらしく、俺の右耳に口を近づけ言う。



「能力は何がいいって聞かれたときに獣属性が欲しいって言ってコボルトになっちゃったのよ!」



「oh」



 反射的に声が出てしまった。まあ、そりゃ言うのを躊躇うワケだ。フェーラルは地面に頭を打ちつけながら「なんで聞いちゃうのよ・・・」とブツブツ言ってる。




「まあ、戦いに戻りましょうぜぃ?あ、そういえば俺を殺す気で来ておkですぜぃ。本気のアンタに勝たないと剣術大会で勝ち進めまないから。・・・・ルール知らないケドな、俺」



 最後のあたりをボソッと言う俺。ルール分からないって言うのもアレだからなー。どうするかなと俺は考える。ん?なんかそれに関して引っ掛かる事が・・・。



「あっ!」



 俺は手をポンと叩く。そうだ。そうだった。俺は20分程前に上手い事ルールを知ろうと考えていたのだ。それで思いついたのが俺のチートを使って「我が領域に立ち入りし敵は剣術大会のルールを説明しちゃう」と言おうとしたのだ。そうと分かれば早速だ。俺のフェーラルへの認識が敵から同じ転生者と言うか同志になる前にやってしまおう。俺はフェーラルの近くへ行くと言葉えを唱えた。すると一瞬だけ疑問の色を表情に浮かべたフェーラルだったが、次の瞬間もはや機会みたいに剣術大会のルールを説明し始めた。




 救いようの無いチート能力だな。コレ




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