オレとクロスワード
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『クロスワード』
それは、ヒントの文章を頼りにマスの空白ををうめていくもの。
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オレは三井和也。高校二年生だ。
今オレは、同級生の桜井梢(天然)、菊池凌(ムカつくほど大金持ち)とクロスワードをしている。のだが……これがなかなか難しい!答えを入れたとしても後々それが違っていることがよくあるそして、 かれこれクロスワードを始めてから三時間が経過。
……オレはもう疲れ果ててしまった。
しかし、オレが疲れ果てたというのはクロスワードをしたからではない。こいつらのせいだ。クロスワードをやろうと言ったのはこいつらなのだが……この二人は一般常識が無さすぎる!こいつらの答えというものツッコミどころが多すぎて困ってしまう。
鮭の卵を蚕と答えた時はマジで昇天しそうになった。(蚕を生む鮭って・・・どこの星の生物だ??)
「ねえ、これ何!?」
そうそう言いながら梢は問題を指差す。
Q2.(蝶などの)さなぎが成長すると何になる?
ちなみに答えは五文字で『○○ち○う』までうまっている。
「こんなの分かるわけないじゃん!」
「ん〜、これは東大入試より難しいんじゃないか?」
そんなわけないだろ。もしそうだとしたらこのクロスワードを解けるのは日本の極少数の人に限られる。
……つ〜か、分かれ。
「あっ、分かった!これ『ようちゅう』だよ!」
「本当だ!文字数もぴったりだね!」
うわぁ〜、進化じゃなくて退化しちゃったよ。やはり、こいつらの頭の中の常識は地球ではなく他の星のものなのか?
「おい!お前ら、これはどう考えても『せいちゅう』だろ」
「「あっ、なるほど!」」
「さすが和也!無駄に頭良いだけはあるね♪」
無駄にってなんだ!無駄にって!!それにこんなの誰でも分かるだろ。
「ふん、君みたいな庶民が分かるとはね」
金持ちも庶民も関係ねえよ。
「お前ら正真正銘のバカだな」
……ブチっ!
凌から何かがきれたような音がした。
「ん?どうした凌?アキレツ腱でも切れたか?」
すると、凌はどこかに電話をかけ始めた。
「あっ、じいやかい?僕だが…カルロスを呼んでくれるかい?三井和也ってやつをこの世から抹消したいんだが……あぁ、早急に頼むよ」
ガチャ。
……?
……!?
……えっ?きれたのはアキレツ腱じゃないの?
抹消って?
俺のことを?
俺なんかしたか?
「おい、凌!抹消ってなんだよ!俺なんかしたか!?」
「ふん、ほくのフライトをスタスタにしてくれたしゃないか」
……?
ん??
なんて言った?何語だ?
「凌!なんて言ったんだ?」
「濁点を付ければいいんだよ♪」
どうやら、梢は分かったらしい。濁点?ということは……
《僕のプライドをズタズタにしてくれたじゃないか》
ってことか。って、濁点を付け忘れるなんて普通ないよな。 それに、こいつはあんな事でプライドがズタズタにされたのか?
「なあ、凌。どうでもいいけど俺をこの世から抹消ってのだけは抹消してくれないか?」
「アハハハハ!!和也ナイス駄洒落!」
笑ってくれたのは嬉しいが今は梢にかまっている暇はない。俺の命がかかっているのだから。
「ふん、まあ……いいだろう。君のような庶民をこの世から抹消しても何も変わらないからね」
俺の寿命が伸びたのは嬉しいがとてもムカつく。
「まあ、そのかわりに代償を払ってもらうよ」
代償?なんだ?まあ、いいか。命より大事なものはないからな。
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次の日、三井家はガス、電気、水道が止まった。
最後までお読みいただきありがとうございます。『オレとクロスワード』どうだったでしょうか?前作が短編というより連載一話って感じだったので今回は少し『短編』っぽさを出したつもりです。(笑)
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