第一章 : 週1里帰り②
優羽がご飯を食べ終え、洗い物をしているとゆっくりしていた優羽がふと尋ねてきた。
「そういやさ、姉ちゃんのこと今なんて呼ばれてるか知ってる?」
私がなんて呼ばれているか?
誰に、いつのことだろうか。
「どゆこと?」
そう尋ねると、優羽はニヤニヤし始めた。
「その反応だとまだ知らないみたいだね笑」
「なによ、勿体ぶってないで早く教えてよ。」
そう言うと、これから外出る時苦労すると思うぜ、と前置きしてから答える。
「今の姉ちゃん、純白の奇跡なんて呼ばれてるんだよ。」
???
頭の中にハテナしか浮かばない。
「………誰が純白の奇跡だって?」
「だから、姉ちゃん!」
話の流れ的にどう考えても私なのに、誰かなんて聞いたから優羽が半ば呆れ顔だ。
「そのせいで……てか、お陰で?なのか、俺も白馬の貴公子なんて呼ばれてんだよ。」
「優羽が白馬の貴公子…?は、白馬??」
「貴公子は否定しないのかよ……」
そう言われ、私は真顔で答える。
「いや、優羽かっこいいもん。だって前からモテてるじゃん。」
そう言うと、優羽はため息をついてジトーっとこっちを見る。
「そういうけどさ、姉ちゃんも密かにモテてんの知らないでしょ。」
「私がモテる……?」
当たり前じゃんと言わんばかりの顔でスマホに届いたメッセージを見せてくる。
その中には、優羽のSNSに対するファン…?の反応が沢山届いていた。
「……………え、」
ただ、その中にはチラチラと違う人へ対するメッセージも見受けられた。
「ここ、結ちゃん可愛いですねとか、来てんの。来てる割合としては男:女が7:3くらいかな。俺はサッカーのこと上げてただけなのに、姉ちゃんがSNSやらないから俺のとこに2人分のファンメッセージが来るんだよ。」
「えぇ……………なんで。」
「仕方ないだろ。姉ちゃん救世主なってテレビで放送された訳だし。しかも、両親はあの美男美女で有名な2人だよ。そりゃ自分で言うのもなんだけど顔がいいのは当たり前じゃん。」
まぁ正直顔がいいのは自覚していた。
というか、弟がこんなにかっこよくてモテてるから血が繋がってるのなら私も顔がいいのだろうなと思っていた。
多分、私が学校で標的にされてたのも顔がいいやっかみもあったんだろう。
そして慕ってくれてたのは私への好意もあっただろう。
だからこそ、隠したかった。
両親が有名人と分かれば、恐らく、より贔屓目で見られるだろうから。
隠してたのに………と呟くと、優羽は仕方ないだろ、と反応する。
「旭月なんて苗字、珍しいし。それにこの顔の良さ、記者たちが探らない訳ないだろ。」
「あー………お父さんたちも、ちょくちょく記者に捕まったって嘆いてたなぁ…」
記者がしつこいと嘆いてたお父さんを思い出して遠い目をする。
「あぁ、後、もう世の中にバレてからはお父さんたちがバラエティでバカ親してるよ。」
「はぁぁぁぁぁ……………。」
2人して遠い目をする。
なにも、バカ親をそこで発揮しなくてもいいのに…。
「まぁとりあえず、外出る時は気をつけた方がいいよ。多分捕まる。記者に。鵜飼さん呼ぶといいと思う。」
ふと聞き覚えのある名前が出てきたことに驚く。
「鵜飼さん???どうして?」
「姉ちゃんが居なくなってから、世の中にバレて俺の生活まで大変なことになったろ。鵜飼さんがちょくちょく助けてくれるんだよ。」
鵜飼さん、凄いなぁ………。
と、思っていたら家電に電話がかかってきたので出ると、噂をすればの鵜飼さんだった。
「結さん、お帰りなさいませ。早速で申し訳無いのですが、テレビの出演予定と、インタビューの予定で今日つめつめなんです。お迎えに上がるのでお家の方でお待ちいただいても大丈夫でしょうか?」
テレビ???インタビュー???
何故そのような予定が私の承諾なしに入っているのだろうか。
「あの、なんでそんなに予定が…?」
「総理の方から提案がございまして、ご両親からご承諾頂いたので全世界から予約が殺到した次第でございます。」
ほんとに、うちの親はなんなんだろうか。
結局はうちも芸能1家ということになってしまうのだろうか…。
「はぁ………わかりました。待ってます。」
「ありがとうございます。あ、ご両親との共演もありますので、把握の程よろしくお願いします。」
え………?
両親との共演だって?
電話が切れたあと、私は壊れたロボットのように優羽の方へ向き、絶望の表情で伝える。
「テレビとか取材でで予定詰まってるって……………後、親と、共演が、アルッテ………。」
そう伝えると、優羽は哀れみの目を向ける。
「どんまい姉ちゃん。バカ親発揮されるぞ。」
この後起こることを想像すると嫌気がさすが、異世界へ行けばレイさんのご飯を食べられることをモチベに頑張ることにした。




