第一章 : 能力アップとリゾット
カチャカチャと金属がぶつかる音に目が覚め、ふと外を見るともう夜になっていた。
「やばい寝すぎた!レイさんごめんなさいもう夜に......」
そう言いながら急いで部屋を出ようとすると、まだ体に疲労が残っていたのかあまり足に力が入らず、さらに筋肉痛でもあるので全身がプルプルしてた。
その痛みに悶えつつ、力が入らないのでその場から動けないでいると、料理を持ったレイさんが入ってきた。
「あれぇ結ちゃん起きてたんだ!......てか、なにしてるのぉ?結構今無様だよぉ笑」
こちらの状態を知ってか知らずか、のうのうとからかってくるレイさんに若干イラっとしつつ、説明する。
「からかわないでください!!目が覚めたら夜だったんで......急いでレイさんのとこ行こうとしたんですよ!」
それを聞いたレイさんは笑いながら言う。
「そりゃそうだよぉ!俺がぁ~MP使い切らせたんだもん!寝ちゃうのも当たり前当たり前!」
私はレイさんをどうにかして懲らしめたいと思いレイさんの方へ行こうとするも、筋肉痛に阻まれ上手く動けない。
痛みに悶えながらなんとか睨むしかできず、もどかしい思いを押さえて、睨み続ける。
「そんな怒んないでよぉ~だるさは抜けてるでしょ~?」
言われてみればそうだ。
寝る前は結構体がだるかったのだけれど、今はだるさは無い。
なんなら、肩こりも治っているような...。
「まぁ......だるさは無いですけど.......。」
「ほらぁ!頑張ってマッサージしてあげましたから。俺偉いと思うよ?」
「偉い人はこんな無茶させて来ないですよ...。」
そう言ってもう一度にらむ。
「まぁまぁ~ちょっと落ち着いて!ステータス見てみなよ。MPとHPの最大容量上がってるはず!」
そう言われステータスを開いてみて驚いた。
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名前: 旭月 結 (あさひづき ゆい)
性別: 女 種族: 人族 職業: 救世主
称号: 異世界からの転生者
身体レベル: Lv.28
職業レベル: Lv.10
HP: 750 / 2000 MP: 200 / 2500 STR: 30
アクティブスキル: 聖魔法 (ライトアロー)(ライトスピア)←new!!・水魔法 (ウォータースプラッシャー)(ウォーターボール)←new!!・火魔法 (ファイアーボール)・風魔法 (ウィンドカッター)(ウィンドブレード)←new!!・土地魔法 (アースクラッシュ)・祈魔法 (プレイグラウンド)
パッシブスキル: 料理への効果付与2倍・自然治癒力2倍
固有スキル: 鑑定眼(見たものの情報がわかるが、自分よりレベルが上のものは見えないところもある)・マジックボックス(大抵のものはなんでも入る)・広範囲魔法(他人より広範囲に魔法を使うことが出来る)
加護: 女神ウェルナの加護(最上級)
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確かにHPもMPも増えている。
驚いたのは、使える魔法が増えていたことだ。
「なんか...色々とすごいことになってます。」
「えー!どうなってたぁ?」
「HPは1000⇒2000に、MPは2000⇒2500になりました。で、ライトスピアと、ウォーターボールと、ウィンドブレードが使えるようになってます。」
そう伝えると、レイさんは少しびっくりした顔をした。
「え!もう使える魔法増えたんだぁ!すごいねぇ!にしても、1回でHP1000も増えるのか......救世主って凄いなぁ。」
「普通はそんな増えないんですか?」
「そ!普通は増えてもせいぜい500位じゃないかな?中々そんな増えないんだよぉ。」
へぇーそうなんだ。
初耳なことが多くて勉強になる。
「まぁMPもそれなりに回復したでしょ?上限が2500なら......120位?」
「いや、200ですね。」
「200!?早いなぁ......。」
回復量も早いらしい。
救世主でよかった。
いや、救世主にならなければこんなことしなくてすんだ......よね?
「まぁいいや!200あるならもう使ってもいいよね。祈魔法使えるよね?」
「あ、はい使えます。」
「やっぱり!てか、それ救世主にしか使えない魔法なんだよねぇ~。」
今なんかサラッと凄いこと言われた気がする。
「まぁよく癒しの魔法なんて言われたりもするんだけど!それ今使ってごらん?少しは筋肉痛が和らぐはず!」
「わ、わかりました......《プレイグラウンド》」
杖を持ち、祈魔法を展開する。
そうすると、周囲が円形に光ったかと思うと、光が増して思わず目をつぶる。
次の瞬間には体が軽くなっていて、筋肉痛も先ほどの半分ほどの痛みに減った。
「凄い!体軽くなりました!」
「わぁ......これが救世主の魔法かぁ。凄いなぁ。」
二人して感動してて、少しおもしろい。
「これなら明日、元の世界に戻ってもある程度動けるでしょう?」
「そうですね!そういえば......元の世界でも魔法って使えるんでしょうか?」
「ん~わかんない!その辺のことは迎えに来る天使にでも聞いてみればぁ?」
「そうですね、そうします。」
元の世界に戻った時のことも考えていてくれたようで少し驚く。
「さ!明日には出発なんだから食べて食べて!キッチンにあったもの勝手に借りてリゾット作っちゃったけど大丈夫だった?まぁ、結ちゃんが作ってくれるものと比べたら劣るけど!」
そう促され、干し肉と山菜のリゾットを食べる。
スプーンを入れると、柔らかく煮えた米がとろりと崩れる。
湯気と一緒に、干し肉の少し燻したような香りと、山菜の青い春の匂いがする。
一口すくって口に運ぶ。
最初に来るのは、干し肉から染み出した濃い旨味。
塩気がしっかりしているのに、嫌な強さはなくて、じわっと舌に広がる。
そのすぐ後に、山菜のほろ苦さと爽やかさが追いかけてくる。
お米もトロトロしていて、凄く食べやすい。
「美味しいです!!レイさん出来ないことあるんですか...?あれ、そういえばこのお米ってどこから......?」
よく考えたらキッチンにお米なんて置いてない。
「ん-まぁ、その辺で?ま、いいじゃん!美味しいから!」
なんか濁されたけどまあいいか。
「そうですね。あ、レイさん明日お留守番お願いしますね。小屋、守っといてください。1日で戻ってくるので!」
レイさんはやれやれといった様子で答える。
「えぇ!仕方ないなぁ。その間に訓練メニュー考えておくよ!」
「......帰ってきた後が怖いですけど、お願いします。」
そうしてリゾットを完食し、私は眠りについた。




