第一章 : 晩餐
「さて、と。流石にお腹が空いたな...何か作らないと。」
こちらに来てから、まだ山菜のスープしか飲んでいないので流石にお腹がすく。
別に鵜飼さんに用意してもらった備蓄品を食べてもいいのだけれど、マジックボックスは入れたものが、その時の状態のままで保管されるらしく、本当に食べ物に困った時の為に取っておきたい。
「となると、今手元にあるのは山菜...と、小屋に元から置いてあった干し肉と硬いパンと果物、かぁ。」
この干し肉と硬いパンと果物は、ダイニングテーブルの上にカゴに入って置かれていた。
近くには、”救世主ちゃんにプレゼント♡”と書かれたメモ書きがあったので、恐らくウェルナ様なんだろうと思う。
「そういえば、鵜飼さんが用意してくれた調味料ってなんだろう。」
調味料とは書いたものの、地球には種類が沢山あるので鵜飼さんが何を選んだかによってできる料理が変わってくる。
「えっと......マジックボックス?」
ステータスも唱えたんだからマジックボックスもきっとそうだろうと唱えてみた結果、案の定ウィンドウが出てきた。
「わぁ!凄い!マジックボックスに入ってるものが一覧になって見れるんだ!」
まるでマイク〇の持ち物リストのように中に入っているものがリスト化されていて、凄く見やすい。
「えっと...あ、あった!調味料は、砂糖・塩・酢・醤油・味噌・こしょう・マヨネーズ・ごま油・だし類(顆粒・液体)・酒・みりんね...鵜飼さん流石!料理のさしすせそが入っているし、それに加えて最低限は行っていてほしいものが入ってる!」
これだけ調味料があれば色々なものが作れる。
「そうだな...じゃあ、またスープになってしまうけれど山菜のズッパでも作るか!」
ズッパ。
要するに具沢山スープのことで、イタリアの家庭料理。パンを浸して食べることが多いので、今日みたいに硬いパンしかないなんて日にうってつけの料理だ。
「本当はフレンチトーストが良いんだけどね笑」
早速、今ある食材を整理する。
手持ち食材
* 山菜(数種)
* 干し肉
* 硬いパン
* 果物
調味料
* 砂糖
* 塩
* 酢
* 醤油
* 味噌
* こしょう
* マヨネーズ
* ごま油
* だし(顆粒・液体)
* 酒
* みりん
「ん-だしが昆布だしとコンソメなんだけど、この調味料たちなら和食アレンジのがいいかな。」
山で和風。悪くない。
「では、作りますか!」
まず最初に下準備をする。
山菜は軽く洗い、硬い部分は刻む。
干し肉は薄く削いで、パンは一口大に切る。
さっき少し味見してみたら干し肉がちゃんとしょっぱかったので、出汁にも使う。
その分は表面積を大きくしたいので適当にちぎる。
そしたら、スープ作りに移る。
鍋に水を400ml入れ、顆粒の昆布だしを小さじ1程度。
そこに干し肉も投入し、火にかける。
ぐつぐつ、と小屋に音が広がり、干し肉から油が溶け出す。
これがまた食欲をそそるいい香りだ。
「これは当たりだな。美味しいのが出来そう!」
スープが沸騰しない程度に弱火で30分ほど煮出したら、山菜を入れ、火を少し強める。
ここで、醤油 大匙1 みりん 大匙1 こしょう 適量を入れ、味を見て、塩で微調整する。
「……うん、美味しい!干し肉に元から塩味があるからちょうどいい感じに整ったな。」
思い付きで適当に料理してるけれど、案外上手くできている。
さて、ここまで出来ていれば後は硬いパンを入れるだけ。
結構パンがカチカチなので、先にスープにいれる。
スープを吸って柔らかくなり、トロっとしてきたら食べごろだ。
器に盛った瞬間、湯気が立ち上る。
「わぁ!凄く美味しそう!」
木のテーブルに椀を置く。
「いただきます」
一口。
「~~~~!!!美味しい!あったかぁ、疲れた体に染みる!」
干し肉の旨味が、山菜の青みと混ざり、パンがとろけて、満足感が増す。
「やば、普通に美味しい」
思わず笑う。
豪華ではないけれど、ほっとする味で本当においしい。
満足のいく晩餐が作れたな。




