序章:地球 ---“いざ、異世界へ”②
「初めまして、ようこそお越しくださいました。私、総理の平良理笑と申します。」
「初めまして。こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。旭月と申します。」
向かった先には、当たり前なのだが総理がいらっしゃる。
その部屋の周りを囲むようにして配置されている警備やSPの方々。
改めて凄い方にお会いしているのだなと緊張が走る。
「そんなに緊張なさらないで。我が星の希望となる方なのですから。」
「この星の、希望、!?」
他の世界へ救世主として行くのだから、その世界の希望となるのはわかる。
しかし、この星の希望とはどういうことだろうか。
「ええ。貴方が他の世界へ救世主として向かい、成功した暁にはこちらとあちらで貿易ができるのですから。異世界となると多くの未知のものが多いはずです。この宇宙についてももっと解明できるかもしれませんし。」
思ったよりこちらの世界でも大役を任されているような気もする。
「それでですね。異世界での物価を調べてきて欲しいんです。こちらとあちらでは通貨も違うでしょうし。為替の為に、お願いしますね。」
そう言うと、彼女は有無を言わさない笑顔をこちらへ向けた。
「し、承知いたしました…。あ、あの、ご存知かもしれませんが、私の希望により1週間に1度、こちらへ帰ってくることが出来るんです。だから、失踪した、とするのはまた現れた時に混乱を産む原因となり得ますし、学校の方もどうなるのか…」
そう不安を口にすると、
「そうですね……では、政府から正式に外交官として抜擢された、という事にして、学校は無条件で進級といたしましょう。貴方は旭月蓮斗さんの娘さんですものね。失踪したとなれば確かに色々と混乱も生じるでしょうし、こうした方が良いですね。」
と、すぐに対応を考えてくれた。
どうやら国益の為、という体裁を断るのは無理そうだ。
あんまり目立ちたくなかったが仕方がない。
「......承知いたしました。それでは、向こうの世界の神様方より3日間の準備期間をいただいております故、買い物等をさせていただいても構わないでしょうか。」
そう言うと、彼女はなぜか満面の笑みになり、心なしか圧も感じる。
「ごめんなさいね。きっともう総理官邸の外側は汽車の方々で埋め尽くされていると思いますし、お父様のマネージャーさんにも、沢山貴方へのアポ電話が掛かってきているはずよ。」
何それ聞いてない。
買い物、色々見ながらしたかったのに。
ほかにも準備とかいろいろあるのに。
「準備として買い物や作りたいもの、準備したいものがあればこちらにお伝えしていただければ国家予算の予備費よりお出しいたしますので、ご心配なく。では早速記者の方々の質問に答えていただいて、そのあとはこちらで用意いたしましたマネージャーが洋服等いろいろ用意してくださいますので。」
そう言うと私は記者の前へ無防備に放り出された。




