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ケモミミの惑星☆開拓史 ~AIに「不要」と判定され追放されましたが、もふもふのケモミミたちが暮らす惑星に流れ着いたので、開拓して念願のスローライフを目指します! ~  作者: 熊吉(モノカキグマ)
:第4章 「冒険に出かけよう」

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・4-7 第46話 「灯台下暗し」

・4-7 第46話 「灯台下暗し」


 自分はこの惑星に不時着してしまったため、他の人間と連絡を取るための通信装置を作るか、惑星を離れるために脱出艇を修理したい、ということ。

 だがそれ以前の問題として、金属材料が不足しているために畑を広げることができず、みんなで満足できるだけ食べることができる野菜を作れていないということ。


 だから、金属が欲しい。

 どうしても欲しい。


「ふぅむ……。なるほど」


 用意していた料理で一緒に食事を摂りながら話を聞き終えたハスジローは、気難しそうな顔で腕組みをした。


「正直、おいらにはウチュウだとかウチュウセンだとか、ツウシンキ、っていうのはよくわからないんだけど。

 でも、これみたいな、その、金属ってものがある場所なら、心当たりがあるかもしれない」

「ほ、本当か!? 」


 思わず前のめりになって身体を乗り出してしまう。


 もし、こうした精錬済みの金属が発見できれば、それは大幅な時間の短縮につながる。

 鉱石のままでも使うことはできるが、物質分解機に投入する前にある程度は精錬して金属としての純度を高めておく必要がある。

 だが最初からすでに鉄の塊として存在しているのならば、その手間をすべてなくすことができる。


 なにより、この惑星のちぐはぐさの正体に近づく、大きなヒントになるだろう。


 明らかに人類文明が関わっていた痕跡があるのに、どうして、これほどその証拠が残されていないのか。

 この惑星の住民であるケモミミたちはなぜ、気づいたらそこにいて、現代的な衣服を身にまとい、それなのに火を使うことも知らず自然に任せた暮らしをしているのか。


 ヒメから、本がある、という話は聞いている。

 しかし本当に貴重で希少なものであるらしく、実物にはまだお目にかかれていない。


 ヒントが欲しい。

 ほんのわずかでも、少しでも多く。

 そうしてこの惑星の謎を解き明かすことができればきっと、穣司の最終的な目的を果たすために役立ってくれるはずなのだ。


「えっと、おいらの家がある、森のことは知っているかい? 」


 あまりの熱心さに若干身を引きながらも、ハスジローは話を続けてくれる。


「家?

 あの、大きな木の根にできたうろのことかい?

 それなら一度、コハクに案内してもらって、見せてもらったことがある。」

「うん!

 畑に使う、腐葉土を探しに行ったんだよね! 」


 あれは、なかなか楽しい探索だった。

 その時のことを思い出すと、思わず口元に笑みが浮かんでくる。


 それから何度か森まで足を運んでいるが、その度に、腐葉土と一緒に新鮮な木の実などを持ち帰ってきていた。

 そしてそれらを煮詰めて作ったジャムは貴重な甘味であり、保存食であり、みんなで楽しんで味わっている。


「実はあの森の中に、遺跡ダンジョンがあるんだ。

 コイツも、そこで見つけたのさ」

「「「「ダンジョン? 」」」」


 唐突にハスジローの口から出てきたその言葉に、穣司たちは思わず顔を見合わせてしまう。


「えっ、なにそれ?

 兄さん、わたし、初めて聞いたんだけど!? 」

「ああ、そりゃ、黙っていたものな。

 だって、危ない場所だから」


 一緒に暮らしていたはずなのにまったくそのことを知らされていなかったことにまたコハクの機嫌が悪くなったが、兄はまったく悪びれずに頭の後ろで両手を組んで見せる。


「おいらがあの家に住んでいたのは、単純に住みやすいから、っていうのもあるんだけど、一番の理由は人間の遺跡ダンジョンに通いやすかったからなんだ。

 おいらの夢はさ、昔のこの世界がどんな場所だったのか、何があったのか明らかにすること。

 そのためには、人間たちのことを調べるのが手っ取り早いんだよね。

 こうやって、珍しいものも手に入るしさ」

「ちょ、ちょ、ちょ、待ってくれよ! 」


 楽しそうに自身の夢について語ってくれるのは良いのだが、ひっかかるところだらけだ。

 慌てて制止した穣司は、眉間にできたしわを指で押さえながらたずねる。


「その、ダンジョン、っていうのは、オレたち人間が作ったものなのか? 」

「うん。

 そう聞いているよ?

 といっても、ほとんどのケモミミはこのことを知らないんだけどね」

「どういうことだ? 」

「だって、危ないから。

 無暗にそのことを言いふらしたりしたらいけないことになってるんだ。

 おいらも、ずっと昔に、おいらと同じように昔の世界のことを調べていた人から教えてもらったんだけど、親しい相手にも話してはいけない、って釘を刺されていたんだ」

「じゃぁ、どうして今は話してくれているの? 」

「それは、ホラ。

 本物の人間がいるんだし、困っているみたいだから、いいかなって」


 首を傾げたヒメの問いかけに答えたハスジローは、そこで真顔になる。


「あ、でも、このことは他のみんなには黙っておいてくれよ?

 そうじゃないと、おいらの師匠から怒られちゃうから」


 妹として大切にしていたコハクにもずっと黙っていたのだから、よほど大事な約束だったのだろう。


「あ、ああ。それは、構わないけどさ」


 同意してうなずきながらも、穣司は戸惑いを隠せない。

 まさか、まさか。

 これほど近い場所に、ない、と思い込んでいた人間の痕跡が残されているとは、まったく想像できていないことだった。


「その、ダンジョンっていうのは、どういう場所なんだ? 」

「表面からは見えないんだ。

 全部、地下に埋まっているから。

 入り口も狭くて暗いし、ジメジメしているけど、奥に進んでいくと昔の遺物が、人間たちが作っていたいろいろなものがあるんだ。

 この鉄パイプっていうものもそこで拾ったんだし、他にも、似たようなものがたくさんあったよ」


 すべては、地下に埋もれている。


 遠い昔に、この惑星を開拓するために作られた基地の後か、あるいは、穣司と同じように不時着した先客がいたのか。


「と、とにかく、そこに行ってみたい!

 なぁ、ハスジローさん。

 ぜひ、オレを案内してくれないか!? 」


 なんにせよ、そこを実際に訪れて調査をすれば、明らかになることだ。


「うん、わかった。

 コハクの面倒をいろいろ見てもらっていたみたいだし、おいらも迷惑をかけちゃったからね。

 喜んで、案内させてもらうよ! 」


 熱心に頼み込むと、ハスジローは快く引き受けてくれた。


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