第十三話 「確信」
「・・・・」
「おいっ! 何のつもりだ!?」
「私達を呼び出したのは鮎人、アナタなの!?」
「・・・・」
"トンッ トンッ トンッ トンッ------...
「・・・・・!」
ゴーグルをはめた鮎人は、ステージの下にいる
暗い、椅子が百以上並んだ場所の中央付近にいる
RS事務所の人影を確認すると、
そのままステージの端の階段を降り
その座席の中央付近まで歩き出す-------
「な、何だ、それ?」
「今どういう状況か分かってるの!?
鮎人くん!?」
「------ええ、分かってます」
暗がりの中、集まった全員の所まで
鮎人が歩み寄って行くと、
その輪の中に居た事務所の副社長、
今は新人アイドルである
指々首 咲茉
のマネージャーをしている
小澤 恵理が何故かゴーグルを掛けている鮎人に
叱責する様な声を上げるが、鮎人は
暗さの中ではっきりと顔が見えない
小澤の言葉を無視して、静かに
ステージからシアターホールの
中央付近に向かって歩いて行く...
「な、何だ、その恰好?
何でゴーグルなんかしてるんだ?
-------うっ、うわっ」
「・・・大丈夫ですか? 原さん?」
ステージの下には明かりが殆ど無いせいか、
事務所のスタッフの一人が鮎人に向かって
驚いて駆け寄ろうとするが
視界が悪いせいか座席の端に
躓き軽くよろける
「こんな場所に集まったら
危ないんじゃないの...?」
「・・・・」
「鮎人さん------....」
「(・・・・)」
「お、おい・・・・」
「俺-------」
「??」
何の返事も返さない鮎人に
集まった全員が不審な目を向けていると、
ステージと事務所のスタッフの間を歩いていた
鮎人が俯きながら立ち止まる
「....俺.....」
「な、何だ?」
「何?」
「・・・・・」
鮎人は、暗い、シアターホールの中央部で
ゴーグルを掛けたまま
この場所に集まった全員を確認すると、
顔をゆっくりと上げこの場に集まった
RS事務所全員を見据える
「俺、"犯人"が分かりました--------」
「は、犯人が?」
「お、おい-------」
「(---------....)」
"ジジ-----------