風になって貴女に会いに
満月の夜。
冷たく心地よい夜風になって、貴女に会いに行こう。
月光に照らされた美しい貴女。
真珠のような美しい粒で頬を濡らす貴女のもとに。
僕は、風になって会いに行こう。
心地よい風でそよりと、貴女の頬と頭を撫でよう。
風の僕は満月の夜だけ、貴女の貴公子になりましょう。
貴女だけの風の貴公子に。
貴女の細く柔らかな手を取り。
満月のスポットライトを浴びながら、貴女と踊る。
風の音楽を奏でながら。
美しい貴女と踊りましょう。
貴女の美しい瞳から零れる粒が、
貴女の頬を濡らさなくなった時。
貴女のその艶やかで美しい唇に。
そよ風を…
僕の唇を…