あの日憧れた異世界の文明を、僕たちはまだ知らない
俺はなぜ、勘違いしていたのだろうか。
つい、数時間前――
「お前を異世界に転移させるので、魔王の手から救ってほしい」
そう召喚主に言われて、二つ返事でOKしてしまった。
異世界って、ロマンの塊だったから。
だから、めちゃくちゃ心が躍りまくっていた。
そんな気持ちで始まりの町に転移させられた・・・
目の前に広がっていたのは、
立ち並ぶ高層ビル
空を飛ぶ車
スマホなどの機器は無い。
なぜなら皆、テレパシーのようなもので会話をしているからだ。
どうやら魔法を使っているらしい。
当たり前である。
科学は魔力などの非論理的なものが無くてもできる。
魔法は魔力が無いと使えない。
魔力が無い世界に魔法はなく、科学はある。
だがその逆はどうだろう?
魔力ある世界に魔法はある。なら科学は無いと言いきれるだろうか?
答えは否である。
異世界は魔法を駆使しつつ、ちゃんと科学も発達していた。
いつからだろうか。
俺はいつから――
異世界の文明は中世あたりで止まっていると思ったのだろうか。・・・
完
余談だが、その世界では魔王が武力で攻めつつ、サイバー攻撃もしかけていた。
大丈夫・・・
まだ、ネタは尽きていない。