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二十
補習授業は私を入れて十数名の生徒が参加していました。
源城先生の授業はいつもより一つの説明に時間をかけています。
私たちに絶対理解させようとしている、とひしひし伝わってきます。
あたりまえでしょうが、少しくどい気もしました。
教室内はクーラーがきいていてなんだか眠くなってきました。
数字とアルファベットの式がぼやけます。
「綿貫さん、どうですか?」
源城先生の声が上から降ってきました。
「っ!あ、はい……」
不意を突かれて私は思わず源城先生を見上げます。
源城先生も驚いたように一瞬、目を見開いて私を見下ろしていました。
「……」
「……」
なんでしょうか、この不自然な沈黙は。
お互いなぜか目を逸らせずに固まってしまいました。




