表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女生徒  作者: ひらけるい
16/24

十六

お経の様に聞こえる教師の話す声、休み時間ごとに放牧されている私たち。

黒板の上に掛けられている時計の秒針は滑るように進むけれど、放課後は遠くて、解放されても家での時間は反省と自制の思考で終わるだけです。

こうした毎日をあと何回繰り返したらいいのでしょうか。

私の人生はもう終わったというのに。

「綿貫さん」

帰りのHRが終わり、騒がしい教室に源城先生の声が響きます。

「……はい」

まだ席に座ったままだった私はそのまま返事をします。

生意気な態度だったと思います。

でも、もう昨日の面談で実験とはいえそういう生徒だと源城先生には分かっているはずです。

「……」

私の横着な態度に源城先生は口を閉じましたが……

「っ……」

私は驚き、ざぁっと血の気が引きました。

源城先生が、また、あの微笑みを浮かべていたのです。

なんと、教師らしくない表情でしょうか。

私が入学初日に抱いた不信感の正体はこれだったのです。

心の中ではどんなに思われていてもかまいません。

だって誰にも分からないことだから。

しかし、分かるように思想を表に出されるのは困ります。

先生は源城先生は、私を観察している。

はっきりそう感じました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ