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034:カイム・アウルーラの代弁者



 シャンテリーゼを背中で見送りつつ、ユズリハは回避の為に速度を緩めていた団長とツリーピオへ向けて、様々な即花弾(インスーラ)を放り投げた。


「小娘ぇッ!」


 ギリギリと歯ぎしりをしながら、団長は剣を抜く。


「一閃・散華(さんか)ッ! 二閃・断絶ッ! 重ねて二つッ!」


 それぞれの即花弾が起動し、火の玉を、氷の雨を、風の刃をまき散らす。


閃技(センギ)守護断塵壁(シュゴダンジンヘキ)ッ!!」


 団長の持つ剣の柄にあしらわれた複数のナデシコが輝き、花術(フーラ)が解き放たれる。


 彼の顔前に現れた青白く輝く障壁によって、ユズリハの即花弾(インスーラ)は全て防がれてしまう。その上、ツリーピオは、直撃しても余り効果がなかったようだ。


 だが、取り巻きの騎士達の多くは、(かわ)すことが出来ずにリタイアした。


「取り巻きさんたち、実戦経験が無さ過ぎるんじゃない?」


 完全に足を止めた団長に、ユズリハが嘯く。

 それに、団長はうなずいた。


「全くだ。俺の盾にすらならなかった」


 やれやれと、彼は嘆息する。


「だが、俺の息の掛かった連中は街にも残してある。

 合図の閃光弾はすでに打ち上げてある故な、今頃街で暴れているぞ?」

「無粋な余所者が好き勝手暴れられるような街じゃないですよ。カイム・アウルーラは」


 団長の言葉を微塵も気にかけず、ユズリハは肩を竦める。


「ツリーピオも一緒に足を止めてるところを見ると、貴方の乗っ取りって、効果範囲ある感じかな?」


 挑発のつもりだったのだが、彼は思いの外、あっさりとうなずいた。


「その通りだ。基礎術式が同じでも先史技術は先史技術でな。ある程度、近くに居なければ自由に操れぬのよ」

「だからこそ、一機は自爆させたってコト?」

「その通り。自爆させた方は、足が壊れていたし、内部も割とボロボロだった。連れ歩く以外の有効利用法があれだ」


 その言葉の通りだとしたら、本来ツリーピオは二機で遺跡を守っていたのだろう。長い年月の中で片方だけは動けなくなってしまったということか。


「花導研究家とか花職人って、花学技術とか花導史学とかのオタクだと思ってたんだけど」

「それはただの先入観だ。研究など、俺にとっては俺自身を高みに至らせる為の手段でしかない」


 だから、先史技術になど敬意はない。

 だから、躊躇いなく遺跡も遺産も食い潰し、利用する。


「あなたは――」


 ユノと対等に近い会話が出来るだけの才能を持ちながら、ユノとは真逆の性質を持つ彼に、ユズリハが憤りを覚える。

 それを言葉にしようとした時、背後から殺気を感じてすぐに身を屈めた。


「はああ……ッ!」

「……ッ!」


 鋭い呼気と共に、片手用の軽手斧(ハンドアックス)が頭上を掠めていく。出来る騎士も少なからずいたらしい。立ち上がった騎士の一人が気配を消し、背後まで迫っていた。


 わざわざ会話をしていたのは、この瞬間の為か。

 だが――


「甘いッ」


 身体を小さく丸めながら、逆手に持ったコダチの背で、斧を振るった女騎士の足を払う。


 その刹那、ユズリハは猛烈な嫌な予感を覚えた。その直感に従い無理矢理地面を蹴って即座に飛び退く。


 直後、足を払われ、地面へと伏した女騎士へ、粘りととろみを併せ持つ奇妙な液体が落ちてきた。


 それがベチャリと音を立てて、倒れた女騎士に掛かる。


「……ッ!」


 その液体の出所は、ツリーピオの口のようだ。

 そして、それが何であるかは、すぐに知れた。


「あ、あああああああ……」


 強いて言えば紫色に近い不気味なヌラりと煌めく液体。それを浴びた女騎士が不自然に身体を震わせる。


「あああああああああああ」


 顔だけでなく、皮膚までもが真っ赤に紅潮していき、何かを耐えるかのように身体を丸め、どこか艶めかしく身をくねらせ、身悶えし、喉から音を吐き出し続ける。


 大量の発汗と、止めどない涙を流しながら、彼女は叫び続ける。


 やがて――


「ああああああああああ――……ッッッ!!」


 一際大きな絶叫と共に身体を大きく仰け反らせたのを最後に、


「……あ……」


 突然ぷつりと――まるで糸の切れた人形のように、くたりとしたまま動かなくなった。

 命核(ソフィル)が、幻蘭の園へ旅立っていったのが、傍目にも分かる。


「自分の、部下を……ッ!」


 毒。

 それも、速攻性の高い、猛毒だ。


「俺は事前に説明していたぞ。ツリーピオには毒を放つ機能がある。あまり迂闊に正面に立つな――と。

 その上で、俺に付き従うコトを選び、前に飛び出したのはそいつだ。そのクセ、役に立たないまま死ぬとはな」

「あなたはどこまで……ッ!」


 身勝手な言い分に、ユズリハが団長を睨みつける。

 しかし、その後に続く言葉を口にする寸前に、ぐらりと視界が歪み、ユズリハはたたらを踏んだ。


「ほう。役には立っていたようだな。わざわざ難解な仕様の安全装置(セーフティ)を解除したのだ。

 サソリの毒――この程度には役に立ってくれないとな」


 相も変わらずの偉そうな態度で、団長は鼻を鳴らす。


「……ぁぁ……ぐぅ……ん……」


 だが、ユズリハはそんなものに、構っている余裕が無くなっていた。

 視界がぐらつく中で、必死に思考を巡らせる。


(……皮膚? ……呼吸? ……どこから?)


 戸惑うユズリハに駄目押しするように、団長のツリーピオに命じた。


「それッ、もう一度だッ! 今度はもっと広範囲に放つぞッ! 死にたくないならツリーピオより背後へ下がれッ!」


 一応の部下への警告のつもりだろう。

 そう宣言してから、一瞬の間をおいて、ツリーピオが粘つく霧を吐き出した。


 目が回っているし身体が重い。だが、それを気にしている場合ではない。


 袖で口を塞ぎながら、ユズリハは茂みの中へ転がり込む。

 逃げきれず吸い込んでしまったらしい騎士達が、先ほどの女騎士同様に、ビクビクと身体を震わせ、声を上げている。


「ほう。どうやら毒に耐性があるようだな」

「……ええ、まぁね」


 掛けられた声に、茂みの中から精一杯の平静を装って返答する。


「声が震えているぞ? 毒に耐性があろうと、効果がないわけではないようだな?」

「さてどうだろう」

「ふん、強がるな。お前がもう抵抗出来ないならそれでかまわぬ。

 このまま貴様が生き延びようが幻蘭の園へ旅立とうが、コトの成り行きをそこで震えて見ているしか出来ないだろう? 文字通りにな」


 そうして、高笑いを上げながら、ツリーピオを伴って団長が街へ向かっていく。


「はぁ……あ……ぅ」


退()けッ! 退()かぬなら踏みつぶすッ!」


 毒で倒れているのだ、当然すぐに動けるわけがない。


「警告はしたぞ」


 そう言って一応動こうとしたそぶりを見せる騎士たちだけは踏みつぶさないように、前足で適当に吹き飛ばしながら、ツリーピオは歩いていく。


 茂みの中からそれを見ていたユズリハに、それを追いかける余裕はなかった。


「致死毒――か」


 正しくは、致死毒ではなさそうだ。


 自分も感染して分かった。あれは、発狂死だ。毒によって平静を保てなくなり、ただ叫ぶしか出来なくなった果ての絶叫。

 肉体も心も命核(ソフィル)も、その毒によって狂う苦しみよりも、幻蘭の園へと旅立つ安楽を選んでしまうだけである。


「極限まで薄めたら、媚薬として、良い値で売れそう」


 そんなことを嘯きながら、ユズリハはゆっくりと立ち上がる。


 強烈な興奮作用。

 意識や脳、肉体だけでなく精神が悲鳴を上げるほどの興奮が、内側から沸き上がる。


「下手な毒より、キツいかも」


 一歩づつ歩く度に全身が跳ねるように震える。


 風が身体を撫でる度に、膝を付きそうになる。

 毒が引き起こす興奮と、それに伴う本能にでも身を任せれば楽になれるだろう。


 もっとも、その先にあるのは、騎士たちと同じく発狂死であろうが。


「はぁ……はぁ……ぁ……」


 その荒い呼吸は自分のものだというのに、耳朶に響く度に興奮が高まっていく気もする。


 元々、毒には馴れている。

 そういう訓練をしていた過去がある。


 元々、媚薬にも馴れている。

 そういう店に勤めていた過去がある。相手の要望によっては服用していた。


(何が幸いするか……世の中ってわからないね……)


 どちらにもある程度の耐性があるから、毒の影響に流されずに済んでいる。

 お世辞にも世間に顔向け出来るとは言えない仕事の経験が、この局面で自分を生かしてくれている。


 ユズリハはその事実を自嘲気味に笑う。最近の自分は、それらから出来る限り遠ざかることに憧れていいうのに――


(そのわりには、媚薬にしたら売れるかも――なーんて、考えちゃうあたり、やっぱ自分も裏街(サレナ)の人間だよね)


 再び自嘲するように笑って、ふと気づく。

 とりあえず、まだ笑うだけの余裕が自分にはある、と。


(とはいえ、これ――地味に致死性もあるっぽいなぁ……。

 薄めたら売れるかもと思ったけど、微妙かな?)


 明らかに興奮とは違う身体の変調も感じ始めている。

 おそらく、興奮に耐えきっても体調の変調が発生する二段構えの毒のようだ。


(ともあれ、早く戻らないとね……街の中でこんな毒を撒かれたら……)


 体内で暴れ回る毒に耐えながら、ユズリハは身体を引きずるように、あの場所を目指していた――


 ユノが何を思って、何を自分に託したかまでは分からないけれど……

 それでも、ユノの為にも、自分自身の為にも――


 自分の居場所(カイム・アウルーラ)を守りたい。


 その一心で――ユズリハは、毒で歪む視界の中を、覚束ない足で、それでも歩みを止めずに進み続ける。



     ♪



 森から信号が放たれた。


 それを見て、街で待機していた団長を支持する騎士や、学術騎士や共修騎士にカムフラージュしていた団長の私兵達などが集まりそこへとやってきた。


 街の住人は、みなリリサレナ広場の風乱多花の(プールス・フロース・)大時計(オロロージョ)を大切にしている。

 この街カイム・アウルーラのシンボルであり、観光名所。

 観光客が来るから、この広場の屋台や、宿屋の収入にも繋がる大事な金蔓。

 それ以上に、この街の住人はこの大花時計を愛していると言える。


 だからこそ、彼らの団長は命じたのだ。


「遺跡を起動できても住民たちからの妨害が多くあるだろう。だからこそ、合図をしたらお前たちが街で暴れるなどをして、注意を引け。街の実力者や防護団などの気を引ければ、こちらも大花時計に向かいやすくなるからな」


 ――と。


 故にこそ、団長の私兵たちは街の各所へ散りつつも、多くは広場に集まっていた。

 だが、その広場の光景を見て、彼らは(いぶか)った。


「なんだ、これは……?」


 昼も下がったおやつ時――だというのに、このリリサレナ広場から活気がなくなっているのだ。

 いや、広場だけではない。午後になってから、街全体の活気が急になくなっていているようだ。


 昨日までの賑わいを思うと、これはおかしい。

 無数にあった屋台も、今あるのは老婆がやっているランチバスケットの店だけだ。


「なんだと言われてもな。こちらが先手を打っておいただけだ」


 呆然とする彼らの前に、黒いスーツに身を固めた男がやってくる。


「悪いコトは言わん。この街で暴れるのはやめておけ」


 腕を組みながら、顎で騎士達の背後を示す。

 退()け――と、そういう意味らしい。


「ふざけるなッ! 我々は……ッ!」

「グラジの名にあやかっただけのクズだろう?」


 そんなもの知っていると、彼は告げる。


「付き従う馬鹿の扱いも、私兵の扱いも、あまり上手いとは言えないな。

 例え死んでも構わない使い捨ての部下であっても、扱い方というのはあるもんだ。

 それが出来ないお前等の団長は――まぁこう言ってはなんだがな。頭が良くても、人の上に立つには三流以下なのだろうよ」

「貴様……ッ!」


 色めき立つ騎士たちがめいめいに武器を構える。


「お前たちは少し、この街で調子に乗りすぎた。

 自分たちの目的の為に、この街に対して、危害を加えるというのであれば、こちらも反撃させてもらう」

「我々グラジ騎士に対して、調子に乗っているのは貴様らの方であろうが!」


 騎士の言葉に、つまらなそうに、その鋭い鷲鼻を鳴らす。


「ふん。警告はしたぞ」


 そして彼――裏街(サレナ)二大支配者の一人、カーネイリ・ショーンズは指を鳴らした。


 同時に、カーネイリと似たような格好をした者達がどこからともなく現れる。

 それだけではない。それに続くように様々な格好をした者達が集まってくる。


「この街が大好きな綿毛人(フラウマー)もいるぜ。ま、俺は街の何でも屋なんだけどよ」


 金髪の優男――いかにも平民の綿毛人といった格好に不釣り合いな黄薔薇の剣を手にしている――が、皮肉げな笑みを浮かべながら告げる。


 それに従うように、戦闘馴れしてそうな者たちが広場に姿を現した。

 ここにいるのは表裏(リリサレナ)に関係なく、この街に暮らす――あるいはこの街に暮らさずとも、この街を愛する者たち。


「そいつかい、ショーンズ。この街で、私らを通さずに悪さしようっていう馬鹿共は?」

「ああ、そうだ。ミス・ゴールド。俺達を小悪党呼ばわりして、グラジの名の下に裁いてくれるらしいぞ」


 さらに続いて、セクシーなスリットの入った真紅のワンショルダーイブニングドレスに、魔狼王(ヴォルフ・カイド)の毛皮のファーマフラー――しかも精巧な魔狼王(ヴォルフ・カイド)の頭付きだ――を巻いた妙齢にも壮齢にも見える美女が現れた。


 マリー・ゴールンデンベリィ。

 カーネイリ・ショーンズと並び称される、裏街(サレナ)二大支配者のもう一人。


「そいつが面白い話だね。

 ……だけど、意外だったよ。アンタがあたしに声を掛けてくるなんてね」

「ふん。声なんぞ掛けたくなかったがな。

 だが、二代目の話によれば、こいつらの目的はこの大花時計で、目的の為なら表裏問わずに街で暴れかねない――となれば、話は別だろう?」


 カーネイリの言葉に、マリーの目はすぅっと細まった。


「へぇ……確かにそりゃあ、あたしでもアンタに声を掛けるね」


 ファーマフラーの魔狼王(ヴォルフ・カイド)と共に、その視線が騎士達を射抜く。


「でも良いのかい、カーネイリ。あたしらが揃いで――しかも表立って動くとなると、ネリィが黙ってないんじゃないのかい?」


 騎士達を睨んだまま、マリーが訊ねるとカーネイリが猛禽のような笑みを浮かべた。


「良く言う。子飼い戦闘集団――戦猫団ツィファー・ズカッツェを引き連れてきておいてな」

「そう言うな。こっちも事前に情報を得ていただけさね」


 笑って、マリーが鈴を鳴らすと、彼女の背後に十三人の美しい女性たちが姿を現した。

 それぞれに格好は違っているが、共通して首輪と首輪から下の全身を覆う黒いボディスーツを身につけている。

 肌の露出が多めの服を着ている少女の姿を見る限り、このボディースーツは身体のラインを完全に浮き彫りにするような代物のようだ。


 マリー・ゴールデンベリィ子飼いの私兵の中でも、番号持ち(ズーティファー)と呼ばれる腕利きたちだ。


「サイーニャ、あれを読み上げな」

「はい」


 今回は彼女も戦猫団ツィファー・ズカッツェのボディースーツを来ている。

 その上に、胸を隠す程度のシャツとローライズのホットパンツ。さらに黒のジャケットを羽織った姿だ。


 そんな姿のサイーニャ――戦猫団ツィファー・ズカッツェの番外隊『アンスリウムの蛇使いツェントリッド・シュランゲ隊』隊長――がマリーに命じられ、手に持っていた書状を読み上げる。


「カイム・アウルーラ行政局最高責任行政官ネリネコリス・ルージュレッド・クレマチラス様曰く――」


 わざわざ役職付きのフルネームで、サイーニャはそのネリィの名を口にして、告げる。


「住民も客人も、幻蘭の園へと旅立つ者が居ないのであれば、街を守る行為には多少なりとも目は瞑る――とのことです」


 その言葉に、マリーはその派手な格好によく似合う、派手な高笑いを上げた。


「はーっはっはっはっはっはッ!! そういうコトだよッ!!」


 それはカーネイリの浮かべた猛禽の笑みと同種の、猛獣の笑み。

 横でカーネイリも一緒になって笑っている。


「くはははは……ッ! そいつは良いッ!」

「聞いたかいッ、この場に集まった街を愛する大馬鹿者共マイ・スイート・ハーツッ!

 この街を守る為ッ、好きに暴れていいそうだよッ!

 但しッ、ネリィ局長に迷惑が掛からないようにねッ、節度とルールは守るんだよッ!」


 マリーに続いて、カーネイリも声高らかに、吼える。


「表も裏も……俺達はこの街と共にあるッ!

 何をするにも国の威光(バック)の名を出し、その責任を後ろ盾(バック)に押しつけなければ、自らの野心も野望も欲望も果てには忠義も尽くせぬような連中に、この街で好き勝手やらせるなッ!」


 続くように、アレンが宣言した。


「俺とサイーニャとフォーゲルが責任を取るッ!

 綿毛人連中もッ、ルールと節度を守って好きに暴れろッ!!」


 さらに続けて、場違いと思えるような生き物の声が響く。


「クァァァァァァウ!」


 それは一匹のレッドラインリザード。

 彼に付き従うように、この街の飼い犬や飼い猫などのペットたち。野良犬に、野良猫、ネズミなどの住み着いてる動物。挙げ句の果てに、どういうわけか、季節外れのクワガタ(スタッガー)までもが、彼――ドラとともにいる。


 それは人間以外の存在たちも、街を脅かすのであれば容赦はしないという意志の現れ。




 そうして、リリサレナ広場を中心に、騒動が広がっていく。


 武器ある者は、武器を手にして――

 武器なき者は、武器ある者を祈り見守り――


 表も裏も、人であるかどうかも関係なく――


 街を愛する者達が、この街そのもの(カイム・アウルーラ)の怒りを代弁する。


 ユノに続き、ユズリハもピンチ。

 そんな中でカイム・アウルーラでの戦いが勃発です。


 団長としては、シニアーティス同様に、上手く行けば儲けモノ程度の扱いの騎士たちですが。


 この場には居ませんが、カイム・アウルーラ行政局直属の防護団と警邏団の面々は、広場の騒ぎに乗っからず、街の至る所で、住人たちと暴れる騎士たちの仲裁という名目で粛々と騎士をはっ倒してます。


 次回は、倒壊した遺跡とユノのお話の予定です。

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