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今回の異世界転移民のチート能力は【無能】なようです。  作者: こうしさん
第1部 はじめまして、異世界さん。
10/27

10話 その男はそりゃもう、ひどいもんで 2

神は戦慄していた。


「レベル高いボクっ娘キタコレ。

しかもロリ。髪が長いくせに顔は美少年顔で性別が謎なところもgood!

さらにさらに! 自分の事、神とか言って少し電波な部分も相まってもうexcellent!

……ふぅ、ご馳走様でした」


こいつ、今までのタイプと違ってボクに危害加えそうじゃね?


「あ、あの〜? ヤマト君?」

「ん、なんだ? お兄ちゃんと呼んでくれないか?」

「いい加減にしろよ? お前」


ヤマトは、懲りずに

生気を感じさせないレ◯プ目でジト目してくる神たん可愛いよハァハァ……!!

とか言おうかと思ったが本能が何か察知してやめた。


「とまぁ〜、冗談はこのくらいにして〜。改めてっ、異世界へようこそ! ヤマト君!」

「ふむ、感覚のリアルさ故、夢ではないと思ったが異世界に転生したという事か。 しかし何もない世界だな」

「転生じゃなくて転移だけどね〜。 それにここは異世界に行くまでの時間制限ありの中間地点みたいなものかな?

本来はチュートリアルを行うんだけど……。

経験上、要らないという結論に至りましたっ」


ビシッ!

と、敬礼のポーズをとる神。


「ではこれから異世界に転移するという訳か。

では転移するに当たっていくつか質問をしてもいいか?」

「なんか急に冷静になられると怖いな…。それに! そのセリフはボクのものだよ〜!!」


神がプンプンプリプリしている。


「これから君にチート能力を与えるんだけど、

その前にいくつか質問に答えて貰いま〜す」

「いいだろう。 その代わりそれが終わったら

こちらの質問にも答えて貰おう」

「はいは〜い。 じゃあ最初の質問。

【あなたに最近起こったいい事は?】」


ヤマトは考えるかのようなポーズをとり、

少しの間、沈黙……。


「そうだな……。俺がこの前、電車に乗ってた時なんだが、

ドア付近に立っていたOLのスカートがドアに挟まってパンツが丸見えになっていた事件があった。

俺はそれを数分間は凝視していたんだが、

OLはそれに気づかなかったんだ。

その後俺は、『言いにくいんですが、スカート捲れてますよ』と言った。

するとOLは恥ずかしそうに頬を染めありがとうございますとお礼をいった。

数分間もの間黙ってパンツを凝視した俺にだ!

それがまたーーー」


「うわあー!! もういいよ! はぁ、はぁ……!

君が変態な事はよ〜くわかった!!」

「なんだ、まだ話しは終わっとらんぞ」

「……結果発表〜!」


ドンドンぱふぱふっ


「あれ? いくつか質問するっていったよね?結果発表早くない? なんだか寂しくない?」

「【超絶変態! 全女性の敵ともなりえる君にぴったりの能力は、全てを我が物に!『支配者』!】

……あー、これね」

「おい。冷めた反応をするな。

名前的にはマインドコントロールの類いか?

かなり凄いチート能力じゃないか!」

「違うよ。時を止める能力さ〜」

「なあああにいいいい!?!?

では女子の着替えや風呂を覗き放題ではないか!!

素晴らしい能力だ! ぐへははは」


ヤマトはヨダレを撒き散らし

手をワキワキさせている。

何とも下衆な顔である。


「もっと使い道あるだろ!

……でもま、そうはいかないんだよね〜」


そう。この神が与える能力は基本「無能」な要素が含まれる。

焼きそばパンだったりおしっこもらしたり…。


「この『支配者』は目を閉じてる間にのみ発動する事が可能〜。 さらに自動で発動しま〜す」

「はっ?なんだ、覗きできねぇじゃん。

いらね、こんな無能チート。 お疲れっしたぁー」


ヤマトは神に背を向け後ろ手を振りながら

立ち去ろうとした。

一体この空間のどこへ立ち去ろうというのか。


「いや、応用の仕方次第じゃすごい能力だからね!?

とにかくこの能力を駆使して君は異世界で冒険するのだ〜」

「俺は異世界の美少女がただひたすら見たい! それだけだ」


駄目だこいつ。会話できね。

神はそう思いましたとさ。


「で、質問とか言ってたけどなに?

こっちは早く君を異世界に送りたくなってきたよ」


ふてくされ気味に神が言う。


「ああ、そのことか。 この世界の事や異世界転移について聞きたくてな。 まずはーーー」


ヤマトは神にいくつか質問をした。


「…じゃあ質問は以上かな?

ではでは、このチート能力をぞ〜んぶんに駆使して異世界生活楽しんでねぇ〜!」

「ああ、また会おうな電波系ボクっ娘よ!」


こうしてヤマトは異世界へ送り出された。




ーーーーーーーーーー




………………。




ヤマトを送り出した神が真っ白な空間で一人呟く。


「あー、疲れた。 最後の最後にこんなに疲れるとはね。

それにしても、へぇ。

あの子、真面目な話しも出来るんだ。

前の2人は直情的で、なにも聞かれる間も無く異世界へ送り出したけど。……まぁ、1人は僕が答える前に行っちゃっただけか。

でもこの3人が揃えば面白い事になりそう。

ボクの役目は一先ずこれで終わりだけど……

君達が、その世界に面白い(結末)を導き出してくれることを期待してるよ。

アリス、ナツキ、ヤマト……。うふふっ」




神の姿は消え、真っ白い空間は真っ黒に染まった。



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