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月夜の願い、闇夜の祈り  作者: のえる
5/59

始まり2

「チェーロ<空>様、ノッテ・ディーオ


<夜・主>様は、急遽、


スクラメンテ公の仰せで、シルホード大公が


治められているフローラ領のバンティ地方から


シルホード大公のご養子を共に


お連れして来られようになったそうですよ。」


侍女の声にチェーロ<空>は、頭を上げる。




「バンティ地方?そんな山奥に、


シルホード大公の・・ルナーレ<月>叔父様の


養子が・・・・?・・・そんなの居たの?」


チェーロ<空>には、初耳だった。




シルホード大公のルナーレ<月>は怖かったが、


その養子と言うのには


何だか妙に興味が惹かれた。




「・・・・・私の失った記憶に


何か関係するような・・・


そんな不思議な感じがする・・。」


ポツンとチェーロ<空>は、呟いた。




(記憶・・・か・・)


そう思いチェーロ<空>は、頭を上げた。




「ねえ・・・何だか少し、


昔の事、話したい気持ちなの、


お従兄上様<おにいさま>が来るまでの間、


話、聞いてくれる?」


侍女長は、優しくチェーロ<空>に頷いた。
















チェーロ<空>の従兄、デーモネ大公家公子


ノッテ<夜>は、目の前の幼児


プレーチェ<祈り>の黒い瞳に


吸い込まれそうな気持ちを味わっていた。


全く喋らないプレーチェ<祈り>は、


何がそんなに面白いのか、無表情のまま


ノッテ<夜>の顔を凝視していた。


もちろん、美貌と鋭利な頭脳で、


宮中に知れ渡っているノッテ<夜>


だったので、視線を感じたり、


うっとりと見つめられたりという事には


慣れていたが、こんなにも感情も表さない


表情で、食い入るように見つめられた事は、


今までになかった。








場を和ます為に、次々と、異国の話や、


この国の昔話、


服のこと、宝石の話を、してみるが、


全くの無反応で、


ノッテは、困惑していた。




「・・・チェーロ<空>も、服や、


宝石には無頓着でしたけどね・・」


だが、何気なく、零したノッテの言葉に、


何故か、プレーチェ<祈り>の瞳の奥が


揺れるのを見て、ノッテ<夜>は、少々驚いた。




しかし、まだ、馬車に揺られる時間は


長いかと、ノッテ<夜>は、幼い頃の、


従妹のチェーロ<空>と、


自分<ノッテ(夜)>の話を


ゆっくりと話す事にした。










あの時、私は、10歳でした・・・・


チェーロ<空>は、5歳になっていましたか、


霜が沢山降りて地面が真っ白になったあの日、


チェーロ<空>の弟の、アルト王子が生まれたんです・・・

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