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月夜の願い、闇夜の祈り  作者: のえる
18/59

宮1

「『シルホード』、お前の言うとおりに


別邸に伝えてやったぞ」


スクラメンテ公は、いかにもめんどくさそうに


寝台の上で瞳を閉じている、


摂政殿下『アルト<大いなるもの>』王子


の後見にして、宰相である兄シルホード大公


ルナーレ・テッラ・フィエル=シルホードへと、


声を掛けた。




「『スクラメンテ公』、


アルボ・アルテリズモ・アウルグラフスィ、


私は、


ルナーレ・テッラ・フィエル


=『シルホード大公』・・・


摂政殿下、の宰相を努める


『シルホード宰相』だ!


きちんと、敬意を払ってもらおうか」


床に付いているというのに、しっかりと、


スクラメンテ公の態度に小言を言うと、


シルホード大公は、


不機嫌そうな表情で、一つため息をついた。




「いつまでも子どもでは無いのだ、


『公』と呼ばれる身であるからには、


好きと嫌いだけで、人との付き合いを


してはならんのだぞ、


『スクラメンテ公』・・・」




まだまだ続きそうな兄、


シルホード大公の言葉に


スクラメンテ公は、自分の耳を両手で


塞いで聞こえないフリをする。




「その態度が、まだまだ子どもだと言うのだ、


・ ・・まあ良い・・・


恐らく、我が養い子、


『プレーチェ』と共に、


そなたの、家出をしてきた子


『コルテ<宮>』も此処に来るであろう」




シルホード大公の言葉に、


自分の息子であるはずなのに


どこか恋する人が来るかのような


表情をする弟、スクラメンテ公の様子を


しばらく見ていたが、


シルホード大公、ルナーレ・テッラは、


疲れたように瞳を閉じた。




「・・・私も、アルボの事を言えない・・・」


小さくシルホード大公、


ルナーレ・テッラ・フィエル=


シルホードは、呟いた。

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