オレンジの空
あらすじもない主人公の名前も性格も決めてない小説です。
夕焼けが大好きだった。この町を優しいオレンジ色に染める夕焼けが大好きだった。
中学生から高校生になり忙しくなかなかゆっくり見れなくなってしまった。友達と帰っていたりすれば話したり話を聞いたりするので忙しく見る暇などあるわけがなかった。いつしか夕焼け空のことも忘れていた。
ある日の土曜日、夕方に散歩をすることにした。
河川敷に沿って歩いていくと次第に空はオレンジ色に染まって行った。それを立ち止まって見ていた。
「久しぶりだな・・・」
久しぶりだった、こんなにきれいな夕焼け空をのんびり眺めるのは。
私は携帯を取り出して夕焼け空を写真に収めた、けれどやっぱり本物にはかなわなかった。
だんだんオレンジ色の空に深い青色が混ざっていく、時間も忘れてそれを見続ける。時間も気にならなかった。星がオレンジ色と深い青色の混じった空にまばらに光っていた。一つ一つがしっかりと輝いていた。
私は久しぶりに眺めた夕焼け空に心が癒されているのがわかった。
「やっぱり、いいな」
私が今立っている道がほんのりオレンジ色に染まっていた、道路を走る車も、遠くの山も、流れる川もみんな優しいオレンジ色に染まっていた。
夜になる前の少しの時間だけ見られる夕焼けの町並み。
私もオレンジ色に染まっているかな?
何も考えずに見る夕焼け空はとてもきれいで私を癒してくれた。この夕焼けを見ているほかの人も私と同じ気持ちで見ているといいな。
こんなきれいな夕焼けなら明日もきっと晴れだ。明日もきっとこんなにきれいな夕焼け空が見れるだろうか?
けれど今日見た夕焼けと同じ夕焼けはもう見られないだろう。今日よりもきれいな夕焼けが見られますように私は心の中で祈った。
今度友達と一緒に見てみようかな。誰かとこの夕焼けを眺めたかった。
どうでしたか?
少しでも癒されたり、なごんでいただけたら嬉しいです。